さて、最初に『PSEマークを知ってるかい?』で取上げてからちょうど1ヶ月と10日。「電気用品安全法」の本格施行を1週間後に控えて、中古品販売を巡るゴタゴタが思わぬ急展開。驚くべきニュースが流れてきた。
経済産業省による夕方の記者会見で、当分の間レンタル扱いすることで事実上販売を容認する措置が認められたそうだ。YOMIURI ONLINEの記事によると、
経産省は、今回の措置は検査機器が行き渡るまでの当面の措置としており、レンタル期間終了後に、自主検査でマークを取得してから無償譲渡するよう求めている。という事だ。
しかし、レンタルする際に契約書を交わすことなどは義務づけず、レンタル終了後に自主検査を実施したかどうかも販売業者の善意に委ね、積極的なチェック体制は取らない方針だ。
2月にこの問題が発覚してから一月余りでの急展開には驚きを隠せないが、間違いなく市民および世論の勝利であり、取り敢えずは素直に歓迎したい。
レンタルを経た買取りは今までも知られていた「電気用品安全法」に潜在する抜け道の一つ。この方法に経済産業省が「お墨付き」を与えた形となるわけだが....
そもそも抜け道に追い込んで挟み撃ちにしたり、罠を仕掛けるのは戦術の常套手段。抜け道はあくまでも最後の切り札的な緊急避難と思っておかないとえらい事になる恐れがある。抜け道やグレーゾーンで油断して目立ち過ぎると痛い目に遭うのもまたありがちな話だし。
現実として経済産業省側は法律そのものと手続きの不備に関しては認めておらず、例え建前だけだとしても自主検査でマークを取得してから譲渡としている。つまりPSEマークを取得して製造事業者として登録するという事は避けられず、ひいてはPL法や商標法で訴えられるリスクについては何ら解消していないわけで、「検査無しで販売できる」と手放しで喜ぼうものなら足元をすくわれる。油断は禁物。
そういう意味からもPSE問題を考える会(小川浩一郎代表)のコメントで書かれているように「猶予期間の延長を勝ち取った」というのが最も適切な表現だろうな。
【参照】
●日本経済新聞 http://www.nikkei.co.jp/
┗「PSEマーク」中古品は不要に・経産省が方針転換 2006年3月24日
●YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
┗PSEなし中古家電の販売、事実上容認 2006年3月24日
●allabout http://allabout.co.jp/
┗PSE法施行で中古ゲーム機が買えなくなる? http://allabout.co.jp/game/gameboy/closeup/CU20060318A/ 2006年3月17日
●衆議院議員川内博史の日記 正々堂々blog http://blog.goo.ne.jp/kawauchi-sori/
●はたともこホームページ(民主党エンタメ議連事務局担当) http://www.hatatomoko.org/
┗2006年3月24日午後4時15分から、PSE問題を考える会(小川浩一郎代表)が、経済産業省で行った記者会見配布資料 2006年3月24日