昨日もまた「スカイマーク、落雷で損傷の機体運航」というニュース。13日の後も、スカイマークエアラインズの整備を巡る報道が続いている。
折しもYOMIURI ONLINEで
今後、1か月間にわたって同社の施設に検査官7人を交代で常駐させ、整備などが適切に行われているか監視する。という対応が明らかになっているが、規制緩和のトレンドにおいて国交省検査官の常駐は極めて異例な事であり、札幌路線の就航に向けても微妙な影を落としている。
航空会社に検査官を常駐させるのは極めて異例。国交省では、同社が4月28日から羽田―札幌路線で運航を始めるのを前に、現状の態勢で安全が確保できるか調べるとしている。
問題のスカイマーク B767-328(JA767E) courtesy of http://www.airliners.net/ |
ちなみ毎日新聞の記事によると「確認整備士は現在43人で、昨年4月~今年1月に11人が辞め、外部や社内から14人が資格者となった」そうで、1年弱で4分の1が入れ替わるという状況は確かに穏やかではない。
一般的には華やかでステータスがある乗務員に比べ、地味めな整備士やグランドスタッフが風雪に耐えて働くのは「自分達が安全運航を支えているのだ」というプライドに支えられてこそだと思うのだが、社長が変ってようやく黒字決算ができるようになった裏で不当労働行為救済申立事件などがあったりすると先行きが心配だ。
また「落雷で損傷の機体運航」では「徳島空港の点検で先端部以外は確認せず、垂直尾翼と左前扉の2カ所のリベットが溶けているのを見逃していた」そうだが、大手2社と言えども多くの要員を配置しやすい拠点空港に比べると、地方空港における整備体制が便数に応じて手薄になるのは否めず、各社が独自に整備要員を抱えざるを得ない現状も検討の余地があるだろう。素人考えだが、グループの枠を越えて整備会社を起してアウトソーシングするとか無理なのかなぁ。
そういう点ではスカイマークエアラインズも羽田~関空、徳島、鹿児島線を順次廃止して福岡、札幌線それぞれ10往復20便体制に集約するというのは健全な経営判断であろうと思う。
何はともあれ、規制緩和のシンボルと目されているスカイマークだけに、間違っても時計の針を戻すような結果にならない様に期待したい。
【参照】
●YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
┣機体にくぼみ、修理指示気づかず運航…スカイマーク 2006年3月13日
┗スカイマークを国交省立ち入り、検査官が1か月間常駐 2006年3月17日
●MSN毎日インタラクティブ http://www.mainichi-msn.co.jp/
┗スカイマーク機:また整備ミス 落雷の損傷、見過ごし運航 2006年3月17日
●日本経済新聞 http://www.nikkei.co.jp/
┣スカイマーク、点検忘れ9カ月運航・国交省、厳重注意へ 2006年3月13日
┣国交省、スカイマークに抜き打ち検査 2006年3月17日
┗スカイマーク、落雷で損傷の機体運航 2006年3月17日
●東京都 http://www.metro.tokyo.jp/
┗スカイマークエアラインズ事件(平成17年不第49号事件)命令要旨 2005年11月20日
●スカイマークエアラインズ http://www.skymark.co.jp/
┣機体構造部材の修理期限超過について http://www.skymark.co.jp/company/inverstor/060314.pdf 2006年3月14日
┗落雷による欠航について http://www.skymark.co.jp/company/inverstor/060317_press.pdf 2006年3月17日