ETCレーン死亡事故で旧首都高幹部らを書類送検というニュース。滅多に高速を使わない性格が災いしたか、迂闊にして事故そのものを知らなかったのだが、以前にも数件の死亡事故が起っているらしい。
道路管理側は事故対策として「料金収受員の安全教育の徹底」を挙げているが、ちょっと待て。
ETC利用上の注意点にも書いてあるように、そもそも「開閉バーが開かないことがあるので20km/h以下で進入する」というのがお約束だと思っていたのだが、50km/h近くで進入するドライバーが多いというのが本質的な原因ではないかと思うのだが。
ゲートのトラブルのみならずカードの差し忘れや進入ミスなど料金所での立ち往生は結構多いと思うし、通過前後の分離・合流に伴う流れの混沌を考えると50km/h近くで進入するのは危ないと言わざるを得ない。また「ETC事故激発 阪神だけで1万2000件」という驚くべき数字が表わすように多発している追突事故は、「料金収受員の安全教育」や「係員用の連絡橋」では決して防げない。
「6月1日に同高速神戸線尼崎料金所で中学生9人が軽傷を負った観光バス同士の事故は、カードの期限切れでバーが開かず停車した前のバスに後続バスの運転手が気付くのが遅れて追突した」という事故例を考えると、進入速度を落として車間距離を取るのが一番合理的な対策だろう。かといって「ノンストップが売り」のETCだけに馴れた人ほど「前方車両も止まらないはず」という思い込みを排除するのは難しい事から、進入速度を強制的に低く誘導するのが現実的で合理的な対策では無いだろうか。
というわけで、峠でお馴染みの一部減速帯(凸凹舗装)をこういう場所にこそ導入すべきだと思うのだけどねぇ。
【参照】
●読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/
┗旧首都高幹部らを書類送検…ETCレーン死亡事故で 2006年9月21日
●国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
┗料金収受業務における安全確保に係る指示について 2003年12月22日
●首都高速道路株式会社 http://www.shutoko.jp/
┗ETCレーンでの死亡事故に伴う料金所緊急安全点検の実施について 2005年9月22日
●中日本高速道路株式会社 http://www.c-nexco.co.jp/
┗ETCレーン事故緊急対策本部を設置しました 2006年6月8日
●ETC総合情報ポータルサイト http://www.go-etc.jp/
┗ETC利用上の注意点