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Last-modified: 2024-04-17 (水)


[一語一絵]

終戦記念日に思う / 2006-08-15 (火)

終戦記念日の今朝、小泉首相が靖国神社を参拝。大方の予想通りにも関わらず関連ニュースが朝からTVを席巻していて、些か食傷気味。参拝や合祀の是非についてはどちらにもそれぞれ合理性があり、また多様な意見があって然るべきだと思うので敢えてここでは触れないが、これまで無関心だった[External]靖国神社の成り立ちにまで注目が集まり、また議論のキッカケとなったことはひとつの「成果」ではないかと思う。

合祀は「厚生省引揚援護局から送付される祭神名票(戦没者身分等調査票)によるもの」で、実は「遺族による同意は必要無い」だとか、「間違って合祀されている存命の韓国人が大勢存在する」とか、ちっとも知らなかったのでこれだけでも随分と勉強になった。

問題の根幹は「東京裁判は国際法を無視した報復裁判」「A級戦犯は戦争犯罪者ではない」として[External]名誉回復の見解を表明している[External]靖国神社に対して効果的な施策を打たなかったという政府の無策だろう。表向きは国際社会と同様に「A級戦犯」は戦争犯罪人として認識している日本国政府の要人が、見解を異にしている[External]靖国神社に参拝する事によりダブルスタンダードに映る事は避けられない事であり、ここはきちんと整理しておくのが普通だと思う。

にも関わらず、「心の問題」だと争点をすり替えて「相手の気持ちを解ろうとしていない」ようにしか思えない小泉首相の対応は非常に残念。相互理解はお互いに歩み寄らなくては何も始まらないのは今さら言うまでも無く、まして一国の宰相としては更に「解ってもらう」べく誠心誠意説明に努める責任がある。「参拝を批判する気持ちが解らない」等と開き直るなんて無責任極まりない姿勢だと思う。

また政治家として公約を守るというスタンスは理解できなくはないが、平成15年1月23日の予算委員会で[External]「もっと大きなことを考えなきゃいけない、総理大臣として。その大きな問題を処理するためには、この程度の約束を守れなかったというのは大したことではない」と答弁したのを忘れたのだろうか? 全くもって一国のリーダーとしての品格・適性を疑わざるを得ない。

そもそも自国民への説明責任を果たしているとも思えないので、無理もないか。結局良くも悪くも郵政だけの人だったな…さすが「ポスト小泉」(笑)

【参照】
●読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/ >> 靖国問題
【基礎からわかる靖国神社問題】Q 戦前、戦後 どんな役割? 2005年6月9日
【基礎からわかる靖国神社問題】Q 分祀はできるの? 2005年6月9日
小泉首相、靖国神社参拝…現職で15日は21年ぶり 2006年8月15日
●フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 http://ja.wikipedia.org/
サンフランシスコ講和条約
靖国神社問題
●靖国神社 http://www.yasukuni.or.jp/
靖国神社関連資料
●靖国神社公式参拝を考える。いわゆるA級戦犯とは何だ
●〝A級戦犯〟の真実と虚構