大多数のアダルト系や金融系、海賊販売系のスパム(迷惑)メールはスパムフィルターで除外できているのだが、久々にすり抜けたスパムメールが着弾した。最近のトレンドでもあるので、ちょっと解説してみたい。
まず全文を公開すると、
Subject:はじめまして
インターネットの掲示板を見てメールさせてもらいました。
特になにか強い希望があってメールしたわけじゃないんですけど
なんていうか、お話する事からはじめてもらえませんか?
パソコンでのメールにまだあまり慣れてないからちょっと遅いかもしれないんですけど。
よかったら返信ください
なんだか慣れない感じですいません
私の名前はとりあえずカツキ(仮)っていう事でお願いします。
今22歳で女性誌の出版社に勤めてます。
というものだ。以前のように直接的な勧誘系文言は影を潜めて、可愛げなネットワーク初心者を装っているのが最近のトレンドなのだが、取り敢えず穿った見方をせざるを得ないというのもイヤな時代になったものだ。
Webサイトを開設したり掲示板にアクセスしていると見ず知らずの人からメールを貰うことは少なくないが、まずは「宛名が無い」のは怪しい。普通、最初くらいは宛名くらい書くやろう…。これは「思い当たる節が無いのですが、間違ってませんか?」という返信をきっかけに話を発展させるのを狙ったヤツらのセオリーだ。また、名前だけなのにわざわざ"(仮)"なんて付ける必要がどこにある? この辺も胡散臭さ急上昇だ。
決め手は「インターネットの掲示板」という漠然した情報元。普通「どこそこの掲示板」と具体的に書くやろ?というわけで不特定多数を狙ったスパムメールと断定。冷静に考えればすぐに怪しい事がわかると思うが、慣れない初心者だと舞い上がって引っかかっちゃうかもなぁ。
裏を返すと初めてのメールは宛名を書いておかないと、スパムメールと思われる可能性が高いので注意しましょう。
本文の「メル友から始めましょう」的な雰囲気から察するところ、「ワンクリック詐欺」や「振り込め詐欺」、「サイト勧誘」等ではなく、困ったふりして近づいてくる「デート商法」の匂いがプンプン(←さとう珠緒ではない)する。
出会い系サイトでの活動が警戒されるようになった事で、用心深く敬遠していたが故に手口を知らないであろう人々にターゲットを移しているものと思われる。しかし、ヤツらも性懲りもなく手を替え品を替え考えてくるものだ。
【参照】
●国民生活センター http://www.kokusen.go.jp/
┗「メル友」になってアクセサリーを売り付けるデート商法
●@police(警察庁) http://www.cyberpolice.go.jp/
┗パソコンユーザー向けカリキュラム http://www.cyberpolice.go.jp/pc/elearning/
●警視庁 http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/
┗ハイテク対策室 http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/haiteku/