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Last-modified: 2024-04-17 (水)


[一語一絵]

情報を持つという事 / 2003-05-28 (水)

個人情報保護関連5法案の成立を受けて住基ネット接続に向かう国分寺市と、27市町村で住基ネットがインターネットと接続されているという末端の運用管理体制の不備から住基ネット離脱の方向に向き始めた長野県。同じ日なだけに何とも対照的なトピックスなのだが、やはり後者の方が現実的・合理的だと思える今日この頃。

沖縄の海(P3010137.JPG)
3/2 与那城町の海中道路を望む

爆発的なインターネットユーザーの増加や検索技術の進歩などによって、大手メディア系サイトは言うに及ばずマニアックなサイトや掲示板、メーリングリストから思わぬ展開を見せはじめている昨今。犯罪方面への活用はもちろん、好意的に紹介した情報で大きな話題になってしまったが故に立ち行かなくなったり、思いもよらなかったネガティブな問題が発生しているのは悲しむべき事だ。

基本的には情報公開とかグローバリゼーションという思想は共感するし間違ってないと思うのだが、誹謗中傷や漏洩などに限らずネットワーク社会で一度独り歩きし始めた情報をコントロールすることは非常に困難を極める。香川県でも『恐るべき…』に端を発するさぬきうどんブームの影で閉めてしまった店も少なくないと聞く。もし2ちゃんねら〜が田舎のばあちゃんが細々と営むお店に大勢押し寄せたら…等と考えただけでぞっとする。そういう意味でも好意か悪意かに関わらず情報を公開する場合にはそれなりに影響を考慮する必要があると思い、自分では「観光客がワイワイガヤガヤ来る場所では無い」と思うところの情報は非公開としている。

しかし、数多くの個人情報を管理する公的機関においては、情報の公開・非公開以前に「ネットワーク環境に個人情報がある」という状況に対するリスクと責任を考えて欲しいと思う。個人情報保護法案で処罰する枠組みができたとは言え、実際の運用管理がお粗末ならば情報漏洩は防ぎようが無いのだから。

【参照】
asahi.com
 -住基ネット接続の意向 東京・国分寺市 2003年5月28日
 -住基ネット「離脱を」 長野県審議会が知事に中間報告 2003年5月28日