先週末、20数年来愛用の一眼レフカメラ「OLYMPUS OM-1」を久々に取り出したら露出計の反応がイマイチな事に気が付いた。なんの事はない、電池切れである。
改造前 |
改造後 |
と一瞬思ったが、すぐに大変な事態が迫っている事を思い知った。何を隠そう、このカメラに適合するMR9(別名H-D)といういわゆる水銀電池は、環境問題により日本国内では1995年に生産停止となっており、現在では非常に入手困難な代物である。もちろん生産停止という一報をキャッチしてしっかりストックをしておいたのだが、ついに最後の一個を開封する事になったのである。
「20数年来愛用のOM-1もついに退役となる日が迫ってきたか…」と諦めながらも、一縷の望みを託してGoogleで検索すると、なんとアダプターで酸化銀電池のSR44が使えるようになるという記事があちこちにあった。さらに情報を追うとOLYMPUSではメーカー自らがカメラ本体をSR44対応に改造してくれていた、という事であった。
すかさずOLYMPUSのWebサイトにアクセス。メールで電池室の改造に対応している事を確認し、10日に喜び勇んで天神のサービスセンターに持ち込んだ。
受付嬢は「電池室改造サービスは終了しており現在はアダプタをオススメしていますが…」という対応だったが「アダプタを紛失するとイヤなので改造してちょ」とちょっぴり強硬にお願いし、3000円の限定修理という事であっさり決着。どうせならと遮光片もへたっていたので交換を勧められ、あわせてお願いして合計6000円、3日間でメンテ完了。オーバーホールしてからも既に6年ほど経ているが、これでまだまだ使えるぞ。(といいつつ、現実はずっとデジカメしか使ってないが)
改造後の電池室を見てみれば「自分でもできたかな?」と思えなくもないが、メーカー自らが対応してくれるというのは素晴らしい。消費者やユーザーよりも生産者やメーカーの論理が優先されがちな昨今にして、20年以上前のカメラでも責任を持ってメンテしてくれるOLYMPUSのユーザー本位の企業精神には心から敬意を表したい。デジカメは記録メディアの信頼性からNIKONを選択しているが、次はOLYMPUSにしようかな?