ワイワイカード |
取り敢えずの仕事場は博多なのでJRで通う事にしたのだが、いちいち160円の切符を買うのは邪魔臭い。
しかし、福岡市営地下鉄と西鉄の自動改札で使えるよかネットカードのように、JR九州でも自動改札に使えるものは無いのか?と思ったら、ワイワイカードなるものがその類であった。
ちなみに発売金額で3,000円、5,000円、10,000円の種類が設定されているが、いずれも利用可能金額は発売金額と同じでインセンティブは無し。相互乗り入れをしている関係から提携している福岡市営地下鉄では20円引きとなるのとは対照的だ。
そいうわけで、またしても2種類のプリペイドカードが財布のカードホルダーに並ぶ事に。やっと西鉄のバスカードと地下鉄のエフカードを間違えて改札機に投入して恥をかかなくてすむようになったと思ったのになぁ。
さてここからが本題。ワイワイカードよりも数世代先を行くのがJR東日本のスイカ。
みずほ銀行は東日本旅客鉄道(JR東日本)と提携し、電子マネーを搭載した「スイカ」カードの機能を持つ新型キャッシュカードの発行を今年秋にも始める。カード一枚でJR駅の改札の出入り、預金の出し入れや振り込みのほか、街での買い物ができるようになる。国内最大の銀行とJR東日本が手を組むことで、電子マネーの利便性が高まり、普及を後押しするきっかけにもなりそうだ。という1月7日の日経記事を読んで寒気がした。
かくいう自分自身これまでの人生でキャッシュカードを紛失した事は無いけれど、定期やプリペイドカードの類を紛失した事は片手では数え切れない。理由は簡単、往復の電車の乗り降りで少なくとも日に4回は出し入れするプリペイドカードはついつい上着のポケットに入れてしまうのに対して、週に1〜2度手にするかどうかのキャッシュカードは財布の中でも一番出し入れしづらいカードホルダーが定位置。紛失の危険性は出し入れする回数に比例する。
そういう視点でもデビットカードサービスによってキャッシュカードの出し入れに抵抗が無くなった消費者ほど大きな罠となり得る。もし将来的に銀行口座と直結して金額チャージという壁が取り払われる事になると、ユーザーは更に大きなリスクを背負う事になる。
キャッシュカードの暗証番号が漏洩する危険性も高まっている。騙されたと思って日本デビットカード推進協議会のプロモーションビデオを観て欲しい。目隠しの無いテンキーパッドで暗証番号を入力させておいて「他人の暗証番号は覗かないように」などとモラルに逃げようとする無責任な展開は、スリ行為を後押しするプロモーションでは?と思うほど。あまりにも悲しい現実に目を覆わんばかりだ。
"お財布ケータイ"にもこの秋からスイカの機能が加わると言われているが、キャッシュカードとの統合に比べればリスクはたかが知れている。セキュリティ向上の最初の一歩が「リスク分散」であるという事をわかっていない連中が多すぎる。
【参照】
●JR九州 http://www.jrkyushu.co.jp/
┗ワイワイカード http://www.jrkyushu.co.jp/time/waiwai/
●JR東日本 http://www.jreast.co.jp/
┗スイカ http://www.jreast.co.jp/suica/
●日本経済新聞社 http://www.nikkei.co.jp/
┗銀行カードで電車乗り降り・みずほとJR東日本提携 2005年1月7日
●読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/
┗携帯あれば 財布いらず? 2004年2月10日
●日本デビットカード推進協議会 http://www.debitcard.gr.jp/
┗デビットカードを使ってみよう! http://www.debitcard.gr.jp/promote/ ←ビデオ必見