昨日 の続き。
まだ真っ暗な6時に起床。眠い目を擦りながら身仕度を整え、食堂で用意してもらったお弁当を受取って6時半に宿を出る。暖機運転の間に雨に濡れたかのようなXLR の夜露を拭い、6時43分スタート。
朝のアンニュイな田舎道をゆっくり流して6時50分に若松港 到着。カーテンが降りたままの受付窓口で途方に暮れてたら、待合所のイスの上で露天商よろしくお菓子の缶を拡げていたおじさんから**「太古の受付はこっちだよ」**と声が掛かった。なんだ、立派な窓口はフェイクかよ。
野母商船 「太古」 は定刻の7時10分に入港。博多港の時とは違って、今度は自力で載せないとならないようだ。つか、若松港 は桟橋も無いので歩行者も車載スロープから乗船だ。数人の下船客と入れ替わるように乗船し、7時20分に慌ただしく出港。
野母商船 太古 若松 7:20 → 福江 9:00
2等 \1,630 +原付 \830
船内では2Fの展望ロビーに陣取り早速お弁当をペロリと片付ける。昨夜は相当喰い過ぎたと思ったのだが、朝になったらやっぱり普通に腹が減っているのは我ながら不思議だ。太古は程なく若松大橋の下を潜り、新上五島町 に別れを告げた。
途中奈留島 に寄港し、島間を抜ける1時間半の短い航海は、デッキでひなたぼっこしながらのんびり。じっとしていると汗ばむくらいだが絶妙に心地好い潮風を全身に浴びる。
若松港 にて
定刻の9時に福江 に到着。eTrexは電源を入れた後、ショックを避ける為にデイバッグへ。立派なフェリーターミナルの観光案内所でGetしたパンフレットを、クリップボードにセットしてスタンバイOKだ。
やはりセオリーに海岸線を従って時計廻り。県道165号大浜福江線に進路をとる。極めて交通量の少ない2車線快走路を、左手に穏やかな海を眺めながらXLR 快走。ポカポカ陽気の陽射しが気持ち良い。
浜町集落を抜け久々の信号を左折すると県道49号福江富江線にスイッチ。左手に見える大浜海水浴場 もまたキレイな砂浜が拡がる遠浅のビーチ。県道右手の教習所では自動二輪の教習中で、こういうとこで合宿免許 というのは最高かも。
ひと坂登ったところを左折すると香珠子(こうじゅし)海水浴場 。高台から見下ろす海はターコイズブルーでこれまた優しい癒しの色合い。残念ながら潮位・光線的に写真映りはイマイチだったが、福江から県道49号を真っ直ぐ来れば15分ほどでこれほどのビーチがあろうとは。恐るべし五島。
県道49号福江富江線は改良進む2車線快走路。緩やかにアップダウンする豪快なストレートはリッターバイクでも最高速出せるかな?と思うようなデンジャラスな雰囲気なので、XLR は分相応に旧道をチョイス。てか、そういう趣旨だし。
五島市富江町山下郷 にて
10時前に富江 の只狩展望所 へ。珊瑚工芸品 で知られる富江 だが、沿岸にリーフがあるわけではなさそうだ。
調べてみると、五島の珊瑚はそもそもが男女群島で仕掛けた網に引っかかった珊瑚から始まったもの。ソテツやブーゲンビリアなどが咲き、昨日の中通島よりも確実に南国情緒が溢れる福江島だが、さすがに珊瑚までは無理なようだ。しかし、男女群島まで80km程の距離なので温暖化がすすめば福江島でも珊瑚礁が見られるようになるかも!?
10時10分リスタート。再び海岸線に復帰し、田舎道をのんびりまったり探訪。このあたりの集落「山下郷」では家々を取り巻くように注連縄が張られており、何かあるのかな?と思っていたら、やっぱり秋祭りなのだそうだ。
お神輿も周っているそうだが「時間的にどうだろうなぁ…」と思いながら探訪していたら進行方向からお囃子が聞こえてきたので、それ幸いとそちらの方へ。小さな集落だと思っていたのだが、さにあらず。中学生と思しき若い人を含めて思いの外大勢。
お祭りに合わせて帰省してきた人も多いのだろうが、素朴ながら活気のあるお祭りだった。
11時過ぎにリスタート。えっ、もう11時。15時くらいまでにざっくり一周できるかな~とか思ってたんだが、探訪ペースでは全然無理そうだ。
大瀬崎展望所 にて
R384は比較的整備されているが、大宝 まで15kmは150m以上の峠を二つも越えるチャリダー泣かせの厳しいアップダウン。XLR でも優に20分以上はかかってしまった。
県道50号玉之浦大宝線にスイッチし、11時45分に大瀬崎展望所 着。いや~、絶景。さすがにここだけは観光客がひっきりなし。日本最西端は言うまでもなく与那国島の西崎だが、西の果てと言う雰囲気では大瀬崎 の勝ちかも。
断崖の上に白亜の灯台を200m以上の高さから見下ろす鳥瞰図も良いが、敢えて言うなら有名過ぎて見飽きた感があるので灯台の写真はここらへん を観ていただきたい。バイク乗りとしては道なりの風景がこれまた旅情満点で秀逸。
写真を撮ってたら程なく正午。案内板に依ると「灯台まで往復40分」という。向こうでゆっくりして戻ってきたら13時。それからどこまで戻れば昼メシにありつけるのだろうか?と考えると、早くも空きっ腹が騒ぎ始めた。
ていうか、陽が高いうちに高浜ビーチ に行っとかないと、というわけで「祈りの女神」まで登った後、12時15分に撤退。
県道50号玉之浦大宝線に復帰。玉之浦 の集落を抜け、立派な橋を渡ると島山島 だが、港の端まで行ったところで行き止まり。う~ん、収穫なしか。というわけでUターン。再び玉之浦 の集落で食事処を探すが何も無さそうなので通過。
大瀬崎展望所 にて
再び県道50号玉之浦大宝線を戻って、ルルドの近くにある**「Newパンドラ」**というお店へ。すんなり席につけたものの、食事が出来そうな場所が他に無い事もあって客は多い。よく見ると料理待ちの客の方が多く結構時間が掛りそうな気配。かと言ってこの先のルートを考えるとファミレスやコンビニなんて期待できないし…と考えたあげく、美しい海の色合いは何より太陽高度が命、というわけで昼メシ抜きの覚悟で先を急ぐ事に。
県道50号玉之浦大宝線を戻り12時48分にR384復帰。中須郷 、荒川郷 の集落を過ぎて、丹奈トンネルを抜けると頓泊 。
頓泊ビーチはちょうど干潮の時間で干潟が拡がっていて、驚く勿れ波打ち際までなんと1km以上あった。これほどあったら遠浅という表現は適当でないかもしれないな。干き過ぎで色合い的には望ましい状況では無いが、それでも美しいターコイズブルーの色を残しておりピークの鮮やかさをイメージさせるに充分魅力的だ。
続いて天然の海水浴場として日本一の美しさと言われる高浜ビーチ。頓泊ビーチとは岩場を挟んでお隣にある関係なので、こちらも同じ様に干き過ぎ。魚藍観音展望所 まで上がるとターコイズブルーの美しさが垣間見えるのだが。ていうか、海のキレイさは今さらここで説くまでもない、というわけでビーチの写真はここらへん を観ていただきたい。
ちなみにGoogleMaps の航空写真モードでもビーチの青さの一端を目の当たりにする事ができる。宇宙からでもわかるビーチの美しさは希有な存在だろう。
三井楽 に入るとR384から外れて県道233号貝津岳浜ノ畔線へ。さらに脇道へ外れて海岸線をテレテレ走っていると突然現れたのが渕ノ元カトリック墓碑群 。一般的な四角い墓石の上に十字架を刻んだり、象った墓石を載せるのは敬虔なカトリック教徒の証しであり、五島地方ではそれほど珍しくは無い。が、ここ渕ノ元 では更にマリア像まで並んでいるのだ。穏やかな五島灘を背にして佇む墓石群はちょっと日本の海岸とは思えない雰囲気を醸し出している。
五島市三井楽町渕ノ元 にて
手元の観光マップには載ってないし案内板も目にしなかった場所。帰ってからネットで調べるとそこそこ情報が出てくるし、探せば触れてある案内板が全く無いワケでは無いのだが、何にも下調べもせずに行ってこんなトコに出喰わした景色は衝撃的だった。
ちなみに五島観光の目玉はやっぱり「教会巡り」だろう。しかし信者にとって神聖な場所を信仰心のカケラも無い 自分が物見遊山な気分で足を踏み入れるのは如何なものか?と思っているので、基本的には鎮守以外の特定宗教施設は敷居が高い。
特にイエスを唯一絶対の神 と崇めるカトリック教会は、十字軍、異端審問、魔女狩り等に代表されるよう**「教会の価値観」**にそぐわない存在を認めなかったり排除する傾向があると思っているので、その布教活動の象徴でもある教会を喜んで観て周る気にはなれない。確かに建築物としての様式美や歴史的価値は認めるものの、特にステンドグラスには古来より宗教的メッセージの意味合いが込められており見た目の鮮やかさを単純にキレイと受け入れられない気持ちがある。
これは多様な価値観を認めない経典 や思想を強制する布教活動 が受け入れ難いという個人的な信条に反する のだと自己分析している。言い換えると、個々の信者が悪いとか嫌いとかいう事ではない事から、故人や不遇の時代を堪え忍んだ祖先を偲ぶ墓碑に関しては素直に受け止められ思わず魅入ってしまったような気がする。
また時計周りに走って三井楽 の中心部を抜け、R384に復帰。**岐宿(きしく)**で給油した後、県道162号河務福江線にスイッチ。
橋を渡ってすぐ右折。少しダートを走って14時35分にドンドン渕 へ。バイクを駐めても水の音がしないので「どれくらい歩くんだろうなぁ…?」と不安を抱えたまま山道を歩き始めたが、ものの5分も歩けば行き着いてしまった。しかも、水はチョロチョロ。これじゃ音もしないわけだ。確かに渕そのものは深そうなので、夏に泳ぐのにはいいかも。でも泳ぐんなら海行くだろうなぁ….(笑)。
五島市三井楽町濱ノ畔 にて
14時50分リスタート。再び県道162号河務福江線に復帰して時計周りに福江 を目指したのだが、狭い道 をやってきた久々の対向車に15時を過ぎて傾いてきた陽射しと苔むした路面のリスクを感じ、勇気ある撤退を決める。
R384に戻って三井楽 方面へ向かい、15時11分に岐宿 の城岳展望所 へ寄道。標高216mの山頂にはDoCoMoのアンテナを利用した展望台があり、なかなかの眺めだ。
15時45分に五島唯一の「道の駅」 、遣唐使ふるさと館 着。空腹を炭酸飲料でごまかし、大休止。
そういえば今夜の宿、民宿スギモト は既にこの近くだが、集落の中だけに正確な場所がよくわからない。置いてある案内図を見ても民宿スギモト は載ってない。案内所のおねえさんに訊ねようと思ったのだが元おねえさんしかいなかったので、何気においてあった情報端末っぽいノートPCで検索。道順はわからなかったが、位置的に中学校の裏にあるらしい事だけはわかったので、取り敢えず陽の明るいうちに行ってみる事に。
結局、中学校脇に案内板がありその道を登っていくと難無く着いた。16時15分。
まだくつろぐにはちょっと早い時間なので身軽モードで三井楽 の山側を探訪。ピークの京ヶ岳 には西部航空警戒管制団第15警戒隊が設置されている。2基鎮座しているレーダードームの脇を抜けて西側へ下って、中腹の一周道路をぐるり。無事、夕焼けハンティングを済ませて17時半帰着。
民宿スギモト にて JavaScript有効時,画像クリックで単品表示
民宿の部屋は畳の6畳間。TVとエアコン付き。風呂も4~5人が入れる程度の大きさで、良くも悪くも想像通りで普通の民宿だ。
夕食は昨夜程ではないが結構豪勢。カンパチの刺し身はぷりぷりの肉厚がガッツリ10切。大きなサザエは何と活造り。天ぷらもウマい。ステーキも150g程度の結構なボリューム。五島牛という事だったが…、脂はウマかったけどね。料金を考えれば充分ウマかったと言えるでしょう。
こんなに連夜喰ってたら医者に怒られちゃうよなぁ。昼メシ、抜いといて良かったかも。(笑)
民宿スギモト 1泊2食**\6,300**
TEL:0959-84-3582 五島市三井楽町濱ノ畔1535番地1 (MapFanWeb )
翌5日は6時半起き。ちょうど朝焼けがイイ感じだったのだが、顔を洗っている間にピークを逃してしまった。7時半に朝食を済ませ、8時にスタート。
三井楽 から福江 まで普通にR384を真っ直ぐ行くと1時間もかからないので、やっぱり遠回り。
逆回りで高浜ビーチと頓泊ビーチを周ってみたが、潮は満ちているものの太陽高度が低く入射角が足りず、やっぱり眠い色しか出ない状態。まぁ今回は運が無かったという事だが、ケラマの海を観てきた後だけに果たして条件が良かったとしてもどうかなという気がしないでもないな。