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北海道 2001夏

2001年8月10日(金)

最後を飾る大ピンチ

天狗山に見送られて…(dscn0150.jpg)
10時03分 北海道小樽市、ニューあかしあ船上にて

翌朝は7時頃にすっきりと目覚める。空も昨日とは打って変わってゴキゲンな青空。昨日もこうであったら…と思わないとは言わないがこればっかりは時の運。最後まで降られるよりはマシと思ってCBも軽く水洗いする。

カッパをシート下の定位置にしまい込んで、シートバッグと寝袋と銀マットを装着。結局寝袋と銀マットを持ってきたけれど出番ナシだったなぁ。

8時ちょい前に友人宅をスタート。昨夜までは無難に高速で一気に行ってしまおうと思っていたのだが、小樽10時発のフェリーで乗船手続きまで済んでいる事から9時半に港に着けば良い。混むといってもたかが知れているので1時間半あれば行けるだろうというわけで、北海道の余韻を楽しむ意味もあって一般道でのアプローチをセレクトした。

友人が途中までクルマで先導してくれるというので(初めて走ると言っていたのが不安だが)お言葉に甘える。R12からR337へと繋いで石狩市へ向かう。

が、ここで不安的中。新石狩大橋を渡るはずが一つ手前の石狩大橋を渡って道道139号線に入ってしまう。すぐにクルマの横に並びかけ「間違ってない?」と確認するが、「大丈夫」だと言うので「次で左折すれば良いしね…」と思って後を付いて行く。しかし次の交差点では逆に右折し、田園地帯を太陽の方向に向かい始める。ここで完全にヤバいと思ったので白バイのようにクルマの前に出て止める。「逆だ、逆!!」

反転して西へ向かい、なんとか予定のR337に復帰するが今度は予想外の工事渋滞。クルマの友人を置いてすり抜けして行くわけにもいかずちょっと苛々してしまうが、程なく工事区間を抜け札幌大橋の手前で友人と別れる。

水平線に沈みゆく夕日(dscn0161.jpg)
18時52分 ニューあかしあ船上にて

やっぱり無難に高速をセレクトしとけば良かったと思うが、まさにあとの祭り。明日のフェリーの空きはあるかな?と弱気も顔を見せはじめる。

行きがけに通った幅広3車線のR337を注意120%で激走し、9時過ぎ銭函へ。なんとか9時半小樽港到着。図らずも北海道Final Runを楽しんだ形となった。

ローソンでしっかり買出しを済ませた後フェリーに搭乗し、友人に電話して無事に間に合った事と世話になったお礼を伝える。ブランチを済ませた後は電話したり、頭上に夏空が広がるデッキでまどろんだりして出港を待つ。それにしてもいい天気だ。昨日も…以下同文。

船室に戻ると向かいの上下ベッドのライダー2人が談笑していてさり気なく話に加わる。方やGB250 CLUBMANと方やDJEBELと系統も全然違うのに何で盛上がってるの?と思ったら、フェリーターミナルで偶然出逢った2人だが、実は互いに知らぬ同僚だったという話。ありそうでなかなかない話である。

3人で交互にどこからどう周った、どこそこのライダーハウスは良かった、どこそこのユースは良かった、どこそこの温泉は混浴で××だったと話は尽きる事なく続き、おかげで翌日まで退屈する事はなかった。

北から帰る旅人は饒舌になる。

日本海に沈む夕日が切なすぎるほどに美しく、目に染みた....。

本日の走行距離 72km

2001年8月11日(土)

Midnight Run

帰還…(onishi3.jpg)
17時過ぎ 京都府舞鶴市、前島埠頭にて
DJEBEL氏提供

東北沿岸では少し荒れるかと思ったが、ホントに動いているのだろうか?と思うほど揺れもなく、至って穏やかなクルージングに終止する。ただ着実に暑くなってきた風が南下している事を如実に物語っている。

定刻通り17時舞鶴港前島埠頭に入港。下船したところで3人揃って記念撮影をして、相生へ向かう2人とはお別れ。またいつの日か旅の空の下で会いましょう。

帰って来た〜という感慨と、これから九州まで徹夜のロングランを前に妙な気合いが入ってるのに気付いたので実家に電話。母親の声でクールダウンしたあとゆっくりとスタートする。まずはR27を西へ。

舞鶴市街地は交通量は多いものの至って順調。舞鶴港から10分程。西舞鶴なか卯の牛丼で腹ごしらえ。ここのおすすめは「こだわり卵」\60。黄身が濃くてコクもあり吉野屋のそれとは一味違う。この卵を使ったという親子丼も食べてみたいと思わせる逸品であった。

さて腹一杯になったところで、本格的にスタート。R175,R178宮津まで快走。これで2往復目、もう目をつぶっても走れるかもしれないな。

給油(\106*8.7L)の後、天橋立の側を素通りし野田川町へ。ホームセンターファミリーに立寄ってクリアファイルと強力マグネットを購入し、タンクバッグ代わりの簡易マップケースを作成する。が、開口部が閉まらないケースだった為、加減速する度に地図が動いて落ち着かない。結局久美浜まで試行錯誤しながらセッティングを繰り返す事となった。やっぱりガムテープを持ってきておいて良かった。

R312久美浜町へ抜け、再びR178に合流。豊岡市香住町浜坂町へと快調に距離を稼ぐ。香住町では真っ暗だったが有名な余部鉄橋の下をくぐった。1997年以来2度目だがまたしても肉眼でもうっすらと鉄橋がある事がわかる程度。今度は昼間に来なくては。

「SAFTY SUMMER HOKKAIDO 2001」フラッグと「日本最北端給油証明書」(dscn0165.jpg)
北海道の戦利品

浜坂町からは温泉町の湯村温泉まで足を延ばして文字通りの温泉タイムと洒落るつもりだったが、意外と時間がかかっているように感じたのでまっすぐ鳥取に向かい、海岸沿いの但馬漁火ラインに入る。

しかし国道とは言え田舎道だけに街灯など無く真っ暗闇。幸いにもいい具合に飛ばすノアに追い付いたので、一方的に露払いの役目を申しつける。時折木陰から垣間見える、海上で揺れる漁火がファンタスティックであった。

岩美町に抜けたところでノアが駐車帯へ逃げると、「苦しゅうない、大儀であった」と労をねぎらって再び孤独な闇夜との戦いを覚悟した。が、程なくR9に抜け隊列の一員となる。

R9鳥取バイパスを快調にパスし、21時25分白兎セイコーマートの看板に誘われてコーヒーブレイク。噂どおり関西圏にもセイコーマートが進出していたのだった....。

リスタートした後、おあつらえ向きに飛ばすS13シルビアを発見。2代目の露払いを申しつける。「苦しゅうない、良きに計らえ」

しかし期待を裏切って15分程で倉吉方面に離脱してしまい、また大型トラックに付かず離れずな退屈な走りを余儀なくされる。バイパス区間も多く快適なスピードがキープできるのだが、それも続くと退屈なスピードになり、裏を返すと危険なスピードとなる。車間距離だけは普段の5倍ほどに空け、時折ペースを上げ下げして気を紛らわす。

眠気覚ましのガムを噛みながら、米子バイパス松江バイパスを経て、23時半宍道湖畔のスタンドで給油(\95*9.1L)。もちろん真っ暗で湖面など見えやしないので、湯ノ川温泉を控える道の駅「湯の川」まで行ってみる。が、残念ながら温泉施設どころか、立寄り温泉情報すら無い。トイレを済ませて休憩所に出てくると地図を広げている青年を発見した。聞くところによると今朝大分県の中津を発って下道をここまで走ってきたと言う。門司港ではGLAY Expo後の大渋滞に巻き込まれたと溢していた....。今夜はこれから道の駅「出雲」まで行ってビバークするとの事。地図を観ながら15分ほど話をして別れたが、アドバイスが役に立ったかどうか....?

それにしてもこんな深夜にこんなところで旅人に出逢うとは。これも旅の面白さかもしれないな。

出雲市を過ぎて、午前1時半に大田市のポプラで夜食。温かい「どん兵衛」が疲れた体に凍みるぅ。

温泉津町江津市浜田市を過ぎて、午前3時道の駅「ゆうひパーク三隅」でトイレ休憩。ちょっと眠気もあるのだが、バイクを降りると不思議と眠気を感じなくなってしまうので、そのままR9に復帰し、ひたすら西へ向かう。

益田市からは海岸線に別れを告げ内陸部へ入る。午前4時を過ぎると交通量も急激に減り、寂しさ急上昇。標高が上がるに連れて気温が下がり、幻想的な朝靄に包まれ始める。

津和野に入っても何がなんだかちっともわからない。赤い大鳥居をくぐって野坂峠を駆け上がると更に靄が濃くなってきた。しかも寒い寒い。孤独と寒さとの戦いを繰り広げるが、午前5時道の駅「長門峡」でダウン。しかし、横になって「ダメだ!寝つけない」と思った時には30分程経っていた。あれ?

なわけで、30分の仮眠でだいぶリフレッシュ。再びCBに跨がり路上の民となる。山口市内で勤め人風のDJEBEL200と一緒になる。このおっちゃんがなかなか速くいいペースで飛ばして行く。しかも同じ方向でR2まで先導してもらう。「露払い3代目、大儀であった」

ここまで来れば帰ったも同然。下関のセブンイレブンでコーヒーブレイクを挿んで、関門トンネルを経て北九州の実家に8時到着。600km以上を一気に走り切ってさすがに疲れたが、なんとか暑くなる前に帰り着いて目論みは達成した(と思った)。朝メシを喰ってのんびりしていると帰りのフェリーで一緒になったCLUBMAN氏から入電。ナイトランを心配してくれての電話。ありがたい事である。

結局、母親の「ゆっくりして昼メシも喰って帰れ」攻撃に屈し、実家を出たのは最も日が高くなった正午過ぎ。自宅に帰り着いて汗ぐっしょりのシャツとムレムレの革パンを脱いで、九州に帰って来た事を実感した。

あ〜、寒かった北海道に戻りたい〜!!(と書いているのは11月末なんだが…)

本日の走行距離 695km

給油データ

日付時刻場所トリップ給油量単価金額元売
516:22京都府宮津市403km15.2\106\1,611出光
708:15北海道留萌市300km11.0\109\1,199JOMO
714:10北海道宗谷岬216km7.7\106\816出光
809:56北海道弟子屈町373km15\106\1,590ホクレン
817:37北海道釧路市360km13.7\103\1,411出光
914:22北海道新冠町299km10.95\105\1,150ホクレン
1118:00京都府宮津市237km8.7\106\922出光
1123:30島根県松江市259km9.1\95\865出光
1214:35福岡県新宮町391km14.5\89\1,291出光
合計2838km105.85\102.55\10,855

撮影:NIKON COOLPIX 800

おしまい


Copyright (c) 2001 by Yoshihisa Yano
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