http://www.soreboku.jp/より |
昨日のレイトショーで『それでもボクはやってない』を観てきた。あっという間の147分だった。
痴漢冤罪の体験記『お父さんはやってない』をきっかけにした社会派作品だが、「えん罪が生まれる経緯」という深刻なテーマを基盤に「現在の刑事裁判が抱える不公平」と「一般市民の無知・無責任」を絶妙なバランスで描いた会心作と言えよう。単純な制度・体制批判に終ってないところが周防正行の周防正行たる所以かな。あっぱれ。
一般的なサラリーマンが拘束された場合には会社や家庭との関わりを描かざるを得ないが、そうなるとリアリティを担保する代わりに肝心の事件や裁判のインパクトがぼやけてしまう。その点で、主人公を社会のしがらみとは一線を画すフリーターとした事で無理なく焦点を事件に絞ったのはナイスな選択だったと思う。
強いて言えば瀬戸朝香扮する女性弁護士の位置づけに少し曖昧な印象が残る。容疑者 室井慎次の田中麗奈並みの役割が与えられているのかと期待していたのだが…
なにはともあれ「勇気」を無くさないようにしたいね。
【参照】
●ユナイテッドシネマ キャナルシティ13 http://www.unitedcinemas.jp/canalcity/
●それでもボクはやってない http://www.soreboku.jp/
●新作映画情報「映画生活」 http://www.eigaseikatu.com/
┗それでもボクはやってない