日の丸スパコンは本四架橋の夢を見るか?

9月14日に独立行政法人 理化学研究所が10ペタFLOPSを目指す次世代スーパーコンピュータのシステム構成を決定したのを受けて、ガートナー ジャパンが**「日本政府および国産ベンダーは、次世代スーパーコンピュータ・プロジェクトの在り方を今一度点検することを推奨する」**という辛辣なレポートを発表している。

来島海峡大橋

2006/5/1 今治市吉海町亀老山展望台にて 本文と画像はたぶん関係ありません

総額400億円の巨費を投じて35.8テラFLOPSの性能を実現し、鳴り物入りで登場した地球シミュレータからはや5年。「4~5年先を見越してもこの地球シミュレータが実効性能では世界最高速のレベルを保てるだろう」と言っていたのもつかの間、2004年秋には70テラFLOPSの性能を実現したIBMのBlueGene/Lに抜かれてしまった。

2007年6月現在も地球シミュレータは両手両足で何とか指折り数えられる20位に留まっているが、トップのBlueGene/Lが280テラFLOPSまで進化しているのを見せつけられると、「世界最高速のレベル」と言うのは少し難しい。

また500傑リストをベンダー別に見るとHPが202、IBMが192システムが導入されているのだが、NECはたった4システムしか入っておらず、世界最高水準の性能を誇る地球シミュレータの成果が全く活かされていない。

IBMのBlueGene/Lだけに限っても34システムが入っているのに対して、技術立国を謳いながら国産ベンダーHitachi/Fujitsuを合わせてもわずか15システムに過ぎない現状はもはや事業として成り立っていない情けない状態であり、国家戦略として3社連携プロジェクトを立ち上げるというのはわからんでもない。

しかし、昨年理研は10億円でBlueGene/Lの3倍のMDGRAPE-3を開発しており、さらに5年間で約1000億円を投じると言われているプロジェクトにどれほどの意味があるのだろうか。

公費を使った膨大な開発投資を行ったにも関わらず、それに見合う成果を広く商用サーバーにまで展開できないようならば税金ドロボーと言わざるを得ないのだが。

何の為の、誰の為のプロジェクトなのか。それが問題だ。

参照

日経ITPro http://itpro.nikkeibp.co.jp/

ガートナー ジャパン http://www.gartner.co.jp/

TOP500 Supercomputing Sites http://www.top500.org/

独立行政法人 理化学研究所 http://www.riken.jp/