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美ら島 2001冬

2001年12月15日(土)

旅立ちの朝

輪行状態(dscn0119.jpg)
輪行袋に納めたMTB

いつもと同じく7時過ぎに目が覚める。心配した雨は上がったようだが路面はヘビーウエット。空港まで自走して汚れちゃうのもイヤなので、着替えたあとMTBを分解し輪行袋に詰め込む。

前後輪と両ペダルを外すだけで良かったのだが、何年ぶりかも思い出せない程久しぶりなので案の定手間取り、いらん事サドルまで外したりしてしまう。リアディレイラーも忘れないようにと早めに外したのが裏目に出てチェーンが完全に外れてしまったりして難航を極め、結局小一時間を費やしてしまう。ふぅ。

慣れれば10分程度でできるはずなのに....余裕を持っておいて正解であった。

さて一番問題なのが服装。ジャンバーを宮古島に持って行ったところで荷物になるのは目に見えている。かといって、長袖シャツ一枚では福岡では辛い....というわけで、妥協策として安物フリースを一枚だけ上に羽織って行く事にする。夜は寝間着にも使えるししね。そして、着替えとデジカメと工具などその辺にあるモノを適当にデイバックに放り込んで出発。我ながら沖縄に向かうとは思えないほど手軽なお散歩気分である。

箱崎駅からタクシーで空港へ向かう。珍しく贅沢しているようだが箱崎からだとたかだか1300円程なので、JR+地下鉄でもMTB用に手廻り品切符を買わなければならない事を考えれば経済的なのである。この時期に長袖シャツの上にフリース一枚という服装で行けるのもタクシーならでは。(^^)

後部座席にMTBを抱える形で鎮座する事15分程で福岡空港に到着。

右往左往

那覇行き搭乗券(dscn0001.jpg)
初めてのスーパーシートf(^^;;

JALの自動チェックイン機にクレジットカードを投入しチェックイン。那覇までのチケットしか出て来なかったが、那覇で改めて宮古行きの発券かな?と思い、取り敢えず先のテロ事件以後厳しくなったX線チェックへ。

係官嬢にいきなり「これは自転車ですね?」と聞かれて、飛行機での輪行は珍しい手段ではないんだという事を思い知る。特に宮古島はトライアスロンで島起しをしているわけだから当然か。傍らからモニターをちらりと除くと輪行袋の中のMTBがはっきりくっきり映っていたが、なんとなく自分のレントゲン写真を見ているみたいでこそばゆかった。f(^^;;

X線チェックをパスし手荷物預りカウンターへ。「宮古まで乗り継ぎなんですが…」と告げると「宮古までの搭乗券も見せて下さい」と言われた。自動チェックイン機では発券されなかった事を告げると、しばし待たされた結果「窓口の方で発券してもらって下さい」と言われ、自動チェックイン機を挿んで反対側の発券カウンターへ。

窓口嬢に「那覇発宮古行きの…」と告げて発券してもらうと今度は「チェックイン手続きも行いますので、那覇までの搭乗券を…」と言われる。「それは手荷物預りカウンター嬢に…」という事で、窓口嬢と共に再び手荷物預りカウンターへ。JALカウンター前を文字どおり右往左往。あぁ忙しい。f(^^;; 最後に万一の破損時に備えた免責誓約書にサインをして、結局15分ほどで手荷物の委託手続きを終了。

ウェストバッグ一つの身軽な姿となり、意気揚々と2Fの出発フロアへ上がると手荷物検査場には長蛇の列が!! 出発時刻までにはまだ30分程あるが、今までにこれほどの列に並んだ例が無いのでちょっと不安になる。どうやらこの混雑は検査の強化だけに起因するわけでなく、運悪く修学旅行の団体とかち合って捌けてないのが原因のようだ。高校生の団体くらいノーチェックで通してやってもいいんじゃないか?と思うんだけどなぁ。

15分程で手荷物検査場をパスし8番搭乗口へ。今回は幸か不幸かスーパーシートになってしまったので「さくらラウンジ」にも入ってみようと思っていたのだが、生憎と搭乗口とは反対側で時間もさほど無くなってしまった為に偵察を断念した。残念無念。

さて初めてB767-300。先月乗ったJASのMD-81と同じくらいの機体だと思ってたんだけど意外と幅広いのねぇ〜。ていうか、スーパーシートまである幹線区間の機体だから当然か。で肝心の初めてのスーパーシートに座ってみた感じは、無駄に広い感じで貧乏性のYANOには落ち着かない。更におしぼりや軽食等のサービスはまだしも、離陸して暫くするとチーフ客室乗務員が仰々しく挨拶に来るのにはちょっと参った。JASのような誕生祝いならまだしも、レギュラーシートがとれずにやむなくスーパーシートに座っている身分のYANOに「客室乗務員責任者の○○でございます。本日はスーパーシートにご搭乗ありがとうございます。なにかお気づきの点などございましたらご遠慮なく申しつけくださいませ」とか言われても、こそばゆいだけで困るっちゅうねん。(笑)

朝メシも喰ってなかったので軽食でサンドイッチを貰えたのはちょっと嬉しかったが、\3200の差額を考えるとやっぱりレギュラーシートをチョイスするな....。

JAL923便福岡10:55→沖縄12:35\10200(スーパーシート:バーゲンフェア)
JTA511便沖縄13:20→宮古14:05\8500(前売り21)

トランジットin那覇

間接照明で落ち着いた雰囲気のロビー(dscn0123.jpg)
那覇空港搭乗ロビー

那覇空港には定刻に到着。18年ぶりの沖縄だが特に感慨はなく、青空と何よりも暖かさが嬉しい。

そういえば生まれて初めてのトランジットである。どうやって暇を潰そうかと思っていたが、都合により福岡空港でできなかった宮古行きのチェックインをロビー内のJALカウンターで済ませる。その後は土産物屋を物色しようと思ったが、搭乗ロビーにあるショップはもうひとつ大した事が無い。かといって搭乗ロビーを出てしまうと面倒な手荷物検査場を通らなくてはならないのが難儀だ。今回はあと30分も無いので搭乗ロビーを大人しく徘徊する。今となっては珍しくもないのだが取り敢えず地域限定商品をチェックしてしまうのは悲しい性か。

まず沖縄ソバでも食べようかと思ったが、その前にブルーシールのアイスクリームが目に留まり食指を延ばす。サトウキビのシングル\250をチョイス。ソフトクリームと違ってあっさりしているが、そこはそれで美味。さとうきびの素朴な風味とも相まってクセになりそう。ここで今夜の宿を確保していなかった事を思い出し、慌てて宮古島ユースホステルに電話。難なく2泊分を確保してひと安心。まぁこの時期からすると当然と言えば当然。と思っていたからこそ、ここまで予約をしていなかったのだが。f(^^;;

B737 スカイマンタの外観(dscn0003.jpg)
JTA B737-400 スカイマンタ

気が付くと搭乗開始の時間となっていたので、28番搭乗口を抜けてバスに乗り込む。バスがゆっくりとエプロンを周り込む間にマジマジと機体を眺める。ん〜、間近で飛行機を見られるこの時間が男の子にはたまらないねぇ。

そうこうしている間にタラップに到着。外気温は23℃。バスから降りると琉球の風が心地好く肌を撫で、青空からもまた優しい陽射しに包まれる。やっぱり気象条件さえ良ければボーディングブリッジよりもバスだな。

宮古行きJTA 511便の機材はB737-400。これも初搭乗の機体だが3+3シートと思ったより広い。事前座席指定で確保した甲斐あってちゃんと窓側を確保して万全である。この機体にもビデオは無くCAによる救命胴衣のガイダンス実演が始まり、思わず見入る。しかしちゃんと見ている人は何人いるのだろうか? 一度見れば充分と思うかもしれないが、逆に見るだけでなく実際にやってみないと役に立たないような気もするが。

程なくタクシーウェイを経て滑走路へ。海上自衛隊、航空自衛隊、海上保安庁の飛行機がずらっと並ぶシーンもまた軍民共用の那覇空港ならではのマニアックな楽しみである。いくつかの珊瑚礁を見下ろした後は、エメラルドグリーンの海は無粋な雲に隠されてしまう。まぁいいや、宮古島でたっぷり堪能してやる!!

結局沖縄ソバは帰りの楽しみに。そういえばサーターアンダギーも見かけなかったなぁ....。

南風

琉球様式の建物(dscn0005.jpg)
宮古空港ターミナル

30分ほどで降下開始。再びエメラルドグリーンの海が見え始めた。と思ったらもう宮古島。高度が高すぎないか?と思ったら降下しながら島の反対側まで出て、来間島上空で旋回。おぉ〜、来間大橋前浜ビーチが美しい〜!!と、デジカメ使いたい衝動に駆られるがやはり命あっての物種なので、じっと我慢の子であった。

定刻にどおり宮古空港に着陸。タクシーウェイが無い宮古空港では滑走路の端でUターンして戻ってくるのがなんとなくユーモラス。2つのボーディングブリッジがある立派な空港ターミナルは予想外。タラップに出た瞬間に夏を思わせる陽射しを見上げるシチュエーションをイメージしていたYANOとしてはかなり残念だが。f(^^;;

荷物受取所で係員からMTBを難なく受領し、さっそくターミナルビルの外へ。

小さな神社にもシーサーあり(dscn0011.jpg)
下地町の赤名宮にて

思ったより暑くない、っていうか薄曇りじゃん。まぁ文句を言ってもしょうが無いので取り敢えずMTBを組み立てる。分解さえ出来れば組み立ては難しくなく10分ほどで完了。

ロックをして再び空港ターミナルへ戻り、観光ガイドブックやらマップを入手する。何しろ今回は地図を一切持たずにやってきたのだ。

何やらかんやらで15時前にやっとスタート。取り敢えず海に向かう事にしたが、やっぱりさっき空から見た来間大橋へ行ってみたい。ちゅうわけで、何の裏づけも無く本能の赴くままにMTBを走らせる。周囲には一面のサトウキビ畑が広がり、風はそこはかとなく琉球の香りを感じる。

青い海とキレイな道(dscn0019.jpg)
来間大橋から宮古島を望む

だいたい福岡の気象状況でいうところの10月頃の雰囲気。ちょこちょこと写真を撮りながらのんびり走っていたが、やはりデイバッグを背負った背中が暑くなり長袖シャツからTシャツ一枚に脱皮。とはいえデイバッグもすでにいっぱいいっぱいなので、シャツは腰に。ちょっと邪魔だけどしょうがないなぁ。

下地町に入って程なく、15時半来間大橋到着。

!!! 美しく輝く青い海と、誘うように延びる一本の道。シンプルだがこれ以上無いそそられる風景である。ブラボ〜なシーンにしばし佇んで感激に浸る....。いや〜、思い切ってやってきて良かったなぁ。(^o^)

ちょこちょこ写真を撮りながら1690mの来間大橋を渡り、15時55分来間島龍宮城展望台へ。

エメラルドグリーンの海と前浜ビーチの白い砂浜が織り成すコントラストが絶妙に美しい絶景ポイント。薄曇りの為にガイドブックの写真のような鮮やかさではないのがちと残念だが、この時期にそれは贅沢というものだろう。

橋と海と砂浜とMTB(dscn0030.jpg)
前浜ビーチにて

再び来間大橋を渡り、16時25分今度は前浜(まいばま)ビーチへ。

ここは宮古島トライアスロンのスタート地点に設定されている観光名所でもあるが、この時期に訪れる人はまばらでピークの喧騒を微塵も感じさせない非常に静かなビーチであった。いつまでも佇んでいたいと思いつつも、暗くなる前にユースに入らないと迷子になってしまうので、10分ほどでビーチを後にする。

約10kmを30分ちょいで走り、見込みどおり17時過ぎ平良市街地へ。近くまでは来ているものの結局迷ってしまい、地元のおじさんにユースの場所を教えてもらい無事に宮古島ユースに到着。

ユース建物(dscn0035.jpg)
宮古島ユース

仕事の長期滞在グループはあるようだが、やっぱりホステラーはYANO独り。独りで気兼ねの必要が無いのはいいのだが、広い8人部屋にたった独りというのは寂しさもひとしおである。

夕食は刺身と唐揚げと煮物。独りなので元々豪勢なメニューを期待していなかったのだが、煮物の豚肉が辛うじて沖縄らしさを醸し出していたくらいなのはちょっと残念。逆にたまたま北海道の知人からホタテを頂いたという事でホタテの刺身が出たのにはビックリ。確かにうまかったんだけど、ゴーヤチャンプルーくらいは欲しかったなぁ。。f(^^;;

しかし前日から急に冷え込むようになったとはいえ、今シーズンの最低気温が16℃。夜になっても建物の中ならTシャツ一枚でいける。飲み物の自販機でHOTを滅多に見かけないし、寝具も毛布一枚っきりというのも肯けるわけである。

というわけで、退屈な夜は早く寝るに限る。

撮影:NIKON COOLPIX 800

明日への扉


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