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美ら島 2001冬

2001年12月16日(日)

11番目への道

ハイビスカス?(dscn0037.jpg)
県道78号にて

昨日は30kmほどしか走ってないんだが移動の疲れも手伝ってか熟睡したようで、あれ?っと思ったらもう7時過ぎだった。窓からは柔らかい朝日が差し込み、今日も天気の心配は要らないようだ。軽くMTBの調整をして朝食を済ませ、8時半にスタート。

今日は宮古島を縦断するような長丁場なので気合充分。3枚あるフロントギアもアウターに入ろう(つまり重いギアを回してハイペースで走れる)というもの。

まずは宮古空港を横目に県道78号に抜け、東平安名崎を目指し東へ。サトウキビ畑に挟まれた道を淡々とペダルを踏む。少し向かい風があるものの、まだ気力・体力共に充分な状態では気になるほどでもなく、逆に長袖姿にはちょうどいいくらい。

写真を撮るにはイマイチの薄曇りだが、紫外線も弱くて走る分には最高のコンディション。願わくば撮影ポイントだけスカッと晴れてね、と思いながら20〜30km/hのいいペースをキープして距離を稼ぐ。

島唄が響く

人力車(dscn0042.jpg)
車夫の島唄が潮風に響く

いつものようにところどころで写真を撮りながら、10時前東平安名崎入口に到着。

残念ながら太陽は大きな雲に覆われていて、撮影ポイントを定めた後しばらく天気待ち....。と思ったが、雲の流れから当分は雲が晴れそうに無いので、撮影ポイントをチェックしたあと岬へ急ぐ。

平安名崎公園の駐車場の東屋の下にMTBを駐めて岬へ。途中、人力車の車夫が三線(さんしん)を手に唄う嘉納昌吉の『花』が耳に入り、思わず足を止めて聴き入ってしまう。穏やかで深く蒼い東シナ海の風景と琉球のソウルミュージックが切なく響き渡っていた....。

右に東シナ海、左に太平洋を望む(dscn0043.jpg)
平安名崎灯台にて

じんわりとした感慨を胸に、日本で11番目の参観灯台である平安名崎灯台を参観。実は先島諸島の数ある島の中で宮古島を選んだ裏にはこの灯台を訪れるという隠された目的があったのである。

いちお10番目までは全てクリアしているのでいわゆる見残しである。が、これでパーフェクトかというとそうでもなく、12番目に山口県豊北町の角島灯台、13番目に沖縄本島読谷村の残波岬灯台が参観灯台に加わっている。

右に東シナ海、左に太平洋を望む絶景の地に立つ平安名崎灯台。さすがに風が強いものの、念願の灯台からの眺めはまた格別である。

平安名崎灯台(dscn0048.jpg)
平安名崎灯台

駐車場に戻ったところで天気待ちもかねてひと休み。空は雲に覆われているがやはり暑い。

気温はとっくに20℃を越えているだろう。おあつらえ向きにブルーシールの移動販売車が駐まっていたので、今度はマンゴーのシングル\200をチョイス。

やっぱりウマいねぇ〜。那覇空港より\50安いし。(^^)

東平安名崎を望む(dscn0052.jpg)
東平安名崎を望む

相変わらず空は雲に覆われたままだが、そうのんびりもしていられないので11時にスタート。

取り敢えず目をつけておいた撮影ポイントに寄るが、しばらく眩しいほどの陽射しは期待できそうに無いので何枚か試しに撮影しただけでリスタート。

夏の強烈な陽射しだったら海の色がメチャメチャキレイなんだろうなぁ....もう10分早く着いていれば良かったのに…残念無念。

インナーで行こう

西平安名崎まで33km(dscn0041.jpg)
東平安名崎入口にて

ここから県道83号を海岸沿いに北西に、35km先の池間大橋を目指して走り出す。2時間あればお釣りがくるかと見込んだが、スタートしてしばらくは小さなアップダウンを繰り返しながら少しずつ標高が上がっていく。さすがにペースは20km/h前後の低調で推移し、いつしかフロントのギヤはセンターを経てインナーに....。

宮古島でも一番海がキレイと評判の吉野海岸に寄ろうと思い県道83号から脇道に入ったが、オーシャンリンクスの間を抜けて少し行くと急で長い下り坂が待っていた。

吉野海岸(dscn0055.jpg)
吉野海岸にて

下る時はまだいいとしても、当然戻る時には登りとなって疲れた体から更に体力をむしり取ってゆくのは自明の理。

何より陽射しもイマイチだという大義名分を掲げてここは体力温存を優先して海岸まで下りる事を諦める。

新城海岸もまた同じように下り始めたところで写真だけ撮ってUターン。また来た時の為のお楽しみに残しておこう、という言葉には説得力を感じる事はできないだろう。

急ぐと言いながらもペースは一向に上がる気配を見せない。テンションが上がらないのは薄曇りのせいでもあるのだが、逆にピーカンだったら暑くてやっぱり大変なハズ。今日はここまで30km強、この程度で足にきているとは....悲しいかな運動不足は火を見るより明らかである。

とまぁどういう言い訳をしようが、自らの力でペダルを踏まない事には先に進まないという事実は変わらないのだ。

開き直る

西平安名崎方向を望む(dscn0061.jpg)
比嘉ロードパークにて

12時比嘉ロードパーク到着。1時間で10kmちょっとしか走ってない事になる。という事はあと2時間か....。少し凹んできたところであり爽健美茶で一息入れる。それにしても海も空も青く澄んでいて、しかも広い。ぼんやり水平線を眺めていると那覇から飛んできた飛行機が頭上を通って行った。

そういえば、昨日の飛行機でわざわざ福岡から来たんだよねぇ〜、せっかくの宮古島を楽しまないと。遠くをよく見ると西平安名崎から池間島まで見えている。なんだかんだ言いながらも1/3を走ってきたんじゃん!!、ここまで来たら戻るにせよ走っていくしかないんだぞ!!と思い直し、飴を頬張ってリスタート。ファイト、いっぱ〜つ。

一息入れてリフレッシュしたおかげか、久々に30km/h台を記録する。ギアもセンターを快調に回せるようになって、奥田民生『さすらい』を口ずさみながらアップダウンもペースを落さずクリア。

池間大橋(dscn0081.jpg)
池間大橋にて

概ね30km/h台をキープする快調なペースでガンガン距離を延ばし、12時40分県道230号との分岐点に到着。ここまでの10km強を30分で走破する見事な復活劇であった。まだまだやれるじゃん。(^^)v

ここまで来れば池間大橋まであと少し。喉が渇いても走りながらPETボトルから給水し、ゴキゲンなペースをキープして県道230号をガツガツとひた走る。昼メシをどうしようかな?と思いながら、結局13時池間大橋に到着。

美しい海と真っ直ぐに延びる橋。昨日の来間大橋に負けずとも劣らぬブラボーなシチュエーションに大感激。またしてもあちこちで写真を撮りながら時間をかけて橋を渡る。

池間島に渡った後は島の反対側にある池間島灯台へ直行。そこには思ったより高く立派な灯台が堂々と、そして静かに佇んでいた。が、雑木に囲まれており土台からの展望はダメダメであった。

宮古ソバ(dscn0082.jpg)
宮古ソバ

腹も減ってる事なので集落の方にへ。漁港に行くと広場でイベントがあってるようで、おじ〜おば〜を中心に賑わっている。しかし漁協の向かいにある食堂らしき建物は逆に閉まっている雰囲気。やっぱりこういう日は店のおば〜も仕事どころではないのだろう。

14時、再び池間大橋に戻ってきたところで橋の袂の土産物屋でお昼にありつく。ゴーヤチャンプルーが食べたかったが生憎とご飯が切れてしまったという事なので、宮古ソバ\500をチョイス。

出汁が効いていながらもサッパリしたスープと、うどんを細くしたようなモチモチっとした麺が良く合っててなかなか美味かった。が、やっぱり主役はネギの下に隠れようとしている豚の角煮だった。

よく見るとサンゴ(dscn0084.jpg)
砂浜ならぬサンゴ浜

ここまで60km以上走ってきたのでやっぱり甘いものが欲しくなり、またまたブルーシールのアイスに吸い寄せられる。今度は紅イモを所望するが、これもあっさりしていてなかなかイケルぞ。ここも\200

浜辺に降りて少し散歩する。ひとりちゅうのがなんだけど、まぁそこはそれ。で、ふと砂浜だと思っていた足元が、なんと砂にあらず。うわぁという感じのサンゴの死骸でできた浜辺だった。素足で踏むとちょっと痛そうだなぁ....

ボチボチ戻ろうかとしたところでサトウキビジュース\200にそそられてしまう。

サトウキビジュース(dscn0087.jpg)
ジュースというよりサトウキビ汁

昔の脱水機のような代物でサトウキビを絞り出したジュース…というより汁は、青汁っぽい色からイメージするまんまの臭み…というか苦みというか渋味がある。とはいえ甘みは想像以上で、確かにジュースと明言できるだけの甘みがあった。これだけの甘味は昔の人にとっては貴重なものであったろう事は想像に難くない。

良くも悪くもナチュラルな味であった。ちなみにサトウキビの収穫シーズンは冬のこれからだという事だ。

どうも雲行きが怪しい気がしてきたので、15時を周ったところで重い腰を上げる。とは言えあとはユースのある平良市に戻るだけなのでのんびり。

池間大橋をゆっくり渡り、取り敢えず西平安名崎に行ってみるが何て事も無くすぐに折り返す。風力発電の風車がガンガン回っていたのだけが印象的。東シナ海を渡る風は強いぞ。

石敢當(dscn0094.jpg)
家の壁に見掛ける「石敢當」

さてここまで宮古島の家々を見ていて気になったのが、ところどころ壁にある石敢當(いしがんとう)という文字。写真の位置だと「表札かしら?」と思わなくもないんだが、家によっては足元辺りにあるところもある。また宮古島に限った話ではなく沖縄県内でよく観られるらしい。

というわけで、何かしらの魔除けめいたものであろう事は容易に察しがついたのだが、実はこれ三叉路の突き当たりにあたる壁に置く魔除けで、魔物が突っ込んでくるのを防ぐ意味があるそうだ。ちなみに沖縄の魔物は角を曲がる事が苦手で、三叉路を曲がれず突っ込んでくるという話もまたなんとも面白い話である。

16時50分平良市街地に到着。宮古神社で道中好天のお礼と明日は更なる快晴をお願いする。

西里通りの風景(dscn0099.jpg)
西里通りの風景

そして平良市のメインストリートとも言える商店街をお散歩する。が、やはりここ宮古島でも地場商店街を歩く人影はまばらで、一抹の寂しさを感じる。

適当にウロウロしたところで西里通りの「はまもと」にてまたしてもブルーシールアイス\150を食す。今度は沖縄を代表する素材ゴーヤをチョイス。意外や意外苦みはカケラも無く、後味サッパリでもうひとついけそうな感じだった。

その後はユースに戻って、シャワーを浴びてひと段落。本日の走行距離は135km。自転車で100km以上走ったのは何年ぶりだろう?バイクもいいんだけど、やっぱり自分の力で走った後の充実感は格別だ。

撮影:NIKON COOLPIX 800

明日への扉


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