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Last-modified: 2024-03-20 (水)


[一語一絵/IT系]

G20とフィンテック / 2019-06-09 (日)

福岡で昨日~今日と開催された[External]G20[External]財務大臣・中央銀行総裁会議

フィンテックで「金融システムに混乱も」
[External]ロイター記事より

フィンテックの代表例とも言えるビットコインなど分散型台帳技術による新しい金融システムが、2018年アルゼンチン・ブエノスアイレスにて開催されたG20において「通貨」としての特性を欠く「暗号資産(Crypto-assets)」と呼ばれる事になった後の金融当局の動向に注目していたところ、今回開催された「デジタル時代の未来」をテーマにした「技術革新にかかるハイレベルセミナー」、「セッション2:分散型金融システムのガバナンス」でディスカッションが行われた模様。

さっそく[External]ロイター記事

こうしたイノベーションは金融市場の近代化につながるかもしれないが、数社のハイテク大手が支払い・決済システムを支配するようになれば、金融システムは脆弱になりかねないと警告した。
と出てて驚いたが、ちょっとミスリードな印象。

ちなみに当事者の[External]クリスティーヌ・ラガルド専務理事は基調講演で[External]フィンテック分野の国際協力における次のステップと題してこう述べている。

テクノロジーは常に金融におけるイノベーションの進展を促してきましたし、今後もそれは変わらないでしょう。問題は、こうしたイノベーションから誰もが恩恵を得られるのか、それとも選ばれし少数の人だけが得をするのかという点です。フィンテックを適切に扱えば、金融ツールの利用コストを削減でき、何百万人もの人々がより良い生活を築くという願望をかなえられるようになります。

だからこそ私は、犯罪に濫用されないように保護された、安全かつ健全で、持続可能で、包摂的な金融システムを創ることが私たちに共通の責任だと信じているのです。
そして
フィンテックの潜在力を活かして金融の包摂性を高め、一層の発展を実現しようとするならば、暗号資産、ノンバンクのフィンテック仲介機関、データ・ガバナンスの面で、国ごとに異なるアプローチを調和させることが非常に重要です。その一方で、金融の安定性と健全性を保ち、消費者を保護し、金融リテラシーを向上させていく方法も見つけなくてはなりません。
と結んでいて、フィンテックをポジティブに受け止めて国際協調を計ろうとしている印象を受ける。

分散型[External]ガバナンスの例としては、セッションの冒頭に発言した遠藤金融庁長官の言葉にあった「インターネットの仕組みが参考になるかも」というのがズバリ的を射ている気がする。

それにしても「分散型金融システムのガバナンス」について[External]金融安定理事会(FSB)に問題提起した金融当局の危機感、スピード感はなかなか。

【参照】
●G20 財務大臣・中央銀行総裁会議 https://www.g20fukuoka2019.mof.go.jp/ja/
概要
会議・セミナー等 2019年6月8日
●G20 FUKUOKA https://www.g20fukuoka.city.fukuoka.lg.jp/
●日本銀行 Bank of Japan https://www.boj.or.jp/
暗号資産(仮想通貨)とは何ですか?
【挨拶】黒田総裁「デジタル時代の未来」(G20技術革新にかかるハイレベルセミナー) 2019年6月8日
●金融庁 https://www.fsa.go.jp/
暗号資産(仮想通貨)の利用者のみなさまへ
[PDF]G20「技術革新にかかるハイレベルセミナー」における麻生大臣挨拶について公表しました。(6月8日) 2019年6月8日
[PDF]G20「技術革新にかかるハイレベルセミナー」における遠藤長官講演について公表しました。 2019年6月8日
●岩下直行 公式ホームページ https://www.iwashita.kyoto.jp/
福岡G20セミナーでのIMFラガルド専務理事の発言報道を巡って 2019年6月9日
●ロイター https://jp.reuters.com/
フィンテックで「金融システムに混乱も」、IMF専務理事が警鐘 2019年6月8日
●仮想通貨 Watch https://crypto.watch.impress.co.jp/
財務省がG20声明を公開、「暗号資産の基礎となるものを含む技術革新は、金融システム及びより広く経済に重要な便益をもたらし得る」「しかしながら……」 ~ 2018年7月23日
フェイスブック独自の仮想通貨、詳細発表は6月18日予定か──TechCrunch報道 ~コードネーム「リブラ」はFacebook Messenger等で送金可能なステーブルコインと予想 2019年6月7日
FATFの仮想通貨に関するガイダンスと解釈ノートとは? ~「仮想通貨」と「仮想通貨サービスプロバイダー」の定義と国際的な規制基準 2019年6月10日
●コインデスク・ジャパン https://jp.reuters.com/
金融規制・監督体制のアップデートが始まるか──分散型テクノロジーの不都合に挑む 2019年6月11日
●国際通貨基金(IMF) https://www.imf.org/ja/
フィンテック分野の国際協力における次のステップ 2019年6月8日
●Contacting the Financial Stability Board https://www.fsb.org/
FSB report considers implications of decentralised financial technologies 2019年6月6日
[PDF]Decentralised financial technologies Report on financial stability, regulatory and governance implications 2019年6月6日
●Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/
ガバナンス
国際通貨基金
金融安定理事会(FSB)
クリスティーヌ・ラガルド