複数回線を束ねて通信速度を飛躍的に向上させるクラウドサービス「Switchboard」がkickstarterで資金募集中との事。
kickstarter.comより |
Connectifyとしては昨年発表しているDispatchというプロジェクトがあり、どちらも遅延耐性ネットワーク(Delay Tolerant Networking:DTN)という類の通信技術になる。
昨年発表された「Dispatch」は状態の良いリンクを1つだけ選んで通信する仕組み("Channel Dispatch")なので電波状態が悪くなっても通信エラーになりにくい事から結果的に早くなるという印象だ。
複数キャリアのLTE回線を束ねて最強のモバイル回線を構築できる「Dispatch」を試してみたというレビューもあるが、"Combined utilized bandwidth"が20~31Mbpsの速度になっているだけで実際の転送速度(スループット)では無い。記事にも
自動的に最適な回線を選んでくれますとか
自動的にエリア内かつ最速の回線を常に利用する事も可能と書いてあるとおり、実際には最速回線の通信速度を超える事は無いはずだ。
対して、新しい「Switchboard」はクラウド上の仲介サーバに対して複数のリンクで並列通信する仕組み("Channel Bonding")で(飛躍的かどうかはともかく)通信速度は合算される事になるが、今度はレイテンシ制御などのオーバーヘッドも増えてくるので、合計帯域幅の95%が出せるというのはかなり試験的・限定的なシチュエーションと思われる。アプリは言うまでも無く、TCP輻輳制御との相性等の落とし穴も多分にあるので、そのあたりをどう実装しているのか注目したい。
【参照】
●GIGAZINE http://gigazine.net/
┣複数の無線LAN・3G・4Gネットワークを束ねて爆速でインターネットに接続する「Dispatch」 2012年8月31日
┣複数のモバイルルーターや無線LANを束ねて安定した高速インターネット接続を実現する「Dispatch」を使ってみた 2013年2月14日
┣3G/4G・無線LANなど複数回線を束ねて安定した通信を実現する「Dispatch」の威力を確かめるために実測レビュー 2013年2月15日
┗複数回線を束ねて通信速度を飛躍的に向上させるクラウドサービス「Switchboard」 2013年5月15日
●ガジェットショット http://gadget-shot.com/
┗複数キャリアのLTE回線を束ねて最強のモバイル回線を構築できる「Dispatch」を試してみた 2013年2月25日
●TechCrunch http://techcrunch.com/
┗Connectify Dispatch Lets You Combine All Your WiFi Connections Into One Super Connection 2012年8月8日
●Engadget http://www.engadget.com/
┗Insert Coin: Connectify Switchboard bonds all your internet connections into one 2013年5月14日
●Connectify http://www.connectify.me/
┗Connectify Dispatch
●Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/
┗遅延耐性ネットワーク