4/7 広島県廿日市市宮島にて |
能登と三重の地震における緊急地震速報に対する記事。いずれも最も揺れが大きかった地域では間に合わなかったようだが、震源の浅い直下型地震では間に合わない事は最初からわかっていた事だ。
また記事では「実際に緊急地震速報のシステムを利用しているユーザーが受信した値ではない。」と書いてあるので、気象庁の算出時間とS波の到達時間とを比較した結果でしかない。言い換えれば実際の伝達時間を考えれば場合によっては間に合わない可能性もあるわけで、今後そのあたりまでフォローした続報を期待したいところだ。
ちなみに、これまでに発表された緊急地震速報が「平成18年8月以降の緊急地震速報の発信状況」として列挙されているのだが、個人的にはタイムラグよりも「緊急地震速報の第1報で推定した最大震度」が若干低めに出る傾向がある事や、4回の誤報が出ていた事に目が止った。
新しいシステムは多かれ少なかれ漏れがあるもので、最初から完璧に機能することはあり得ないのだが、誤報なんてマスコミに嗅ぎつかれると格好の餌食にされるところだ。これらの誤報は職員のチェックにより発表される事はなかったそうだが、敢えてこのようなエラー情報も含めて包み隠さず公開する事は裏返しに警報の信頼性を高めるものであり、お役所にしては珍しい気象庁のあっぱれな心意気には敬意を表したい。これからこの緊急地震速報システムが磨かれて、世界的に機能していくようになる事を期待する。
なお「緊急地震速報て何よ?」という御貴兄には政府インターネットテレビの51ch 防災チャンネルでオンエア中の『10秒でできること~緊急地震速報で命を守る』という番組を観ておく事をオススメする。
【参照】
●日経ITpro http://itpro.nikkeibp.co.jp/
┣【能登半島地震】「あと5秒で地震」能登町で緊急速報、輪島は間に合わず 2007年3月26日
┣宮城・関東で判明,緊急地震速報の実用度 2007年3月30日
┗三重の震度5強、亀山は間に合わずも桑名は揺れ5秒前に警報 2007年4月17日
●気象庁 http://www.jma.go.jp/ >> 緊急地震速報について
┣平成19年3月25日09時42分の緊急地震速報 2007年3月25日
┗平成19年4月15日12時19分の緊急地震速報 2007年4月15日
●政府インターネットテレビ http://nettv.gov-online.go.jp/
┗51ch 防災チャンネル