今ではあたり前に使われるLANなんか気配すら無く、パソコン同士を接続するのはRS-232Cやプリンタポート同士をケーブルで直結するのが常套手段であった古き良き時代。1ビットずつ順番に送受信するシリアル通信よりも、多数の信号線を持つ太いケーブルで複数のビットを同時に送受信するパラレル通信の方が速いというのは誰一人として疑う事の無い常識であった。
しかし、GHzのクロックが当たり前になりつつある昨今、コンピュータ装置間の通信プロトコルにおいてシリアル通信がパラレル通信を駆逐しようとしている現状は、高速通信の主役の座が取って代わられた事を表わしている。
これはまさにプトレマイオスの天動説がコペルニクスの地動説に取って代わられたように、ほとんど神話の如く未来永劫に不変だと思われていたシリアルとパラレルの概念や価値観ですら限定的なモノでしかなかったという事だ。
手打ち神話にしてもまたしかり。『山越』の魔法の水で輝くうどんは機械製麺だ。ウマさの秘訣は状況に応じた塩加減、水加減。いかに名人と言えども最高のうどんを毎日大量に打ち続けることは難しい。機械に任せるところは機械に任せ、機械で最高のうどんが沢山打てるように知恵を絞る。わずかなうどんを高く売るより、ウマいうどんを多くの人に食べてもらいたい、という愛情に裏打ちされた珠玉の逸品は一歩たりとも手打ちにひけをとるモノでは無い。肝要なのは作り手の気持ちなのではないかと思う。
そういう意味でも不変的な価値は無いのかも。安易な思い込みはしないようにしないとなぁ。
【参照】
●ITmedia http://www.itmedia.co.jp/
┣パラレルからシリアルへ――なぜインタフェースは転機を迎えたのか 2004年3月18日
┣4倍速のDVD-RWディスク、低速記録ドライブには対応できず 2004年3月18日
┣リコー、2層記録対応「DVD+R DL」ドライブをCeBITに参考出展 2004年3月18日
┗4倍速DVD-RWディスクに、1〜2Xドライブとの互換性問題 2004年3月18日