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Last-modified: 2024-04-08 (月)


[一語一絵/IT系]

住基カードを手にする / 2004-03-08 (月)

遅ればせながら[External]住民基本台帳法第三十条の四十四に基づく、いわゆる住基カードを手にする事にした。なんで今頃かというと、他人による成りすまし発行を未然に防止する意味もあるのだが、最大の要因は住基ネットによる基盤アプリケーションの一つである「公的個人認証サービス」が1月末から始まった事にある。

ちなみに平成16年3月31日までその電子証明書の発行手数料500円無料になるという行政としては珍しいキャンペーンを展開中。500円というのは元祖長浜屋博多ではラーメンに替え玉2玉、宮武琴平ではしょうゆ大にゲソ天に野菜天まで付いてくる金額だだけに、そういう経済的な事情も多分に影響していると思われる。

ま、前置きはこれくらいでいいか。

しがない雇われの身ゆえ、金にならない雑用はさっさと終わらせて出勤せねばならないので、朝9時の業務開始直後を狙って東区役所へ。

番号札発行機の横に鎮座するカードリーダー
何気に置いてあるカードリーダーとキーパッド
福岡市東区役所にて

インフォメーションで「住基カード作りたいんですけどぉ…」と尋ねて「住民基本台帳カード申請書」を入手。用意しておいた証明写真をペッタンコと貼って必要事項をサラサラと記入して市民課で受付番号札をGet。「さて何分待たされる事やら…」と覚悟したところ5分ほどで人の良さそうな職員さんに呼ばれた。

先ほど記入した「住民基本台帳カード申請書」を提出すると身分証明書を求められたので、用意しておいた運転免許証を渡した。一部自治体では免許証のコピーを採られるという報告があったが、福岡市の場合は3情報を確認した後に免許証番号を申請書に書き写されただけだった。

「カードを作りますので椅子にかけてお待ち下さい」と言われ、「さて何分待たされる事やら…」と覚悟を新たにしたものの、たかだか10分ほどで再び呼ばれる。昔に比べるとレスポンスタイムは随分と良くなったようで、遅さを競っていた病院は圧倒、場合によっては銀行よりも早いだろう。良い傾向だ。

黄金色に輝く接点がいかにもサイバーな気配を醸し出すICカードだが、印字部分の滲みが「いかにもカラリオで印字しました」的な雰囲気で圧倒、手ざわりも含めて全体的にかなり安っぽい。まぁ10分でできるのならば致し方ないところだ。職員氏に言われた通り、何気なくカウンターに置いてあるカードリーダーライターに通して数字4桁の暗証番号を入力する。

普通の人はキャッシュカードやクレジットカードを含めて同じ番号を使っちゃうんだろなぁ…。

しかしこのキーパッド、ちゃんと指示通り確認ボタンを押したかどうか職員さんから見えるようにする為なんだろうか、目隠しが全然目隠しの役を成してない気がする。取り合えず大丈夫、周囲に覗き見するような人はいない…。と思ったら受付番号札のすぐ側で人通りがあるんですけど!?

まぁ福岡県警に悪人はいても、市民に悪い人はいないという事だろう。ちなみに昨年の6月に起こった一家四人殺害事件の現場はここから僅か数百mだけどね。

暗証番号を設定し終えたところで手数料の500円を支払い、住基カードの手続きは完了。「あれ?電子証明書は?」と尋ねたら「別途申請が必要なんですよね…」という事で、再びインフォメーションからやり直し。ここまでなんだかんだで30分を経過していた。

住基カード
住民基本台帳カード

今度は「電子証明書発行申請書」に記入して再び市民課で受付番号札をGet。またまた5分ほどで窓口に呼ばれた。

今度はなかなかキュートな女性だ。ラッキー(*^^*)。記入済みの「電子証明書発行申請書」と出来立ての住基カードを渡すと、「住基カードのコピーを採らせて頂きますが宜しいですか?」と言われたので「よございます」と快諾。ちょっとウケた。

また5分ほど待たされて窓口へ。残念今度は男性にバトンタッチだ。再び住基カードを渡され、指示通りカードリーダーに挿入。先の暗証番号を入力して本人確認はOKとなったものの、住基情報との接続でエラーが発生したらしい。3回ほどトライしたもののダメ。

暗証番号を設定しなおしても同様となったところで、上長と思しき年配の職員さんまでお出ましに。もう一台の機械を使っても状況変らずという事から「住基ネットのトラブルか?」と思ったものの、そもそも住民登録してある同じ自治体での処理だけに住基ネットを経由する必要は無く、住基経由の問合せ処理自体も問題無いらしい。そういうわけで「ICカードの固体不良かもしれない」という疑いから取り敢えずカードを再発行する事に。

また5分ほど待たされた後、新しい住基カードに暗証番号を設定。今度は問題無く住民情報が取得できた模様でめでたしめでたし。続いて窓口から離れたところにある「鍵ペア生成装置」へ。一見汎用パソコンじゃなくて頑丈っぽい専用機だが、中身はWindows 2000らしい。こちらは開放的な窓口のそれとは違ってコンビニATM程度のセキュリティが確保されている雰囲気。津市と同等で、つくば市ほどの機密性はない。隣の窓口に並んだ人からは見えないと思うが、ジャイアント馬場が後ろに並んだら楽勝で覗けるハズだ。もちろんそんなのっぽさんはそうそういないので、通路に面して多少人通りが多くても大丈夫だ。

何度も言うようだが、福岡県警に悪人はいても、福岡市民はみな善良なのだ。小学生に灯油かけて火をつけるような極悪な輩はもういないハズだ。

「鍵ペア生成装置」に住基カードを挿入してメニューから「鍵ペアの作成」を選択。するとキーボードっぽい画面が表示されるので、職員氏の指示に従って全員共通の初期パスワード「1234」を入力する。さすがお役所、市民は一人残らず平等なのだ。続いて鍵ペア用のパスワードを設定する。職員氏はしっかり「4桁以上、16桁以内の英数字が使用可能です」と説明してくれ好印象だ。

福岡市の場合 住基カード 電子証明書
発行手数料 500円 500円
有効期限 10年 3年
失効要因 市町村から
転出する場合
氏名、生年月日、
性別、住所が変った場合
パスワード制限 数字4桁 英数字16桁
パスワード変更 窓口でのみ可能 窓口で申請するか、
クライアントソフトで可能
ロックアウト 3回連続NGでロック
窓口にて解除申請
5回連続NGでロック
窓口にて解除申請

再び、開放的な窓口に戻って住基カードをカードリーダーに挿入。電子証明書の記載内容(氏名と住所)を確認した後、福岡県の認証局から電子証明書を発行してもらい、住基カードにダウンロードして手続きは終了。再発行とパスワード変更手続きに関して口頭で説明を受けつつ、[External]「公的個人認証サービス利用者ガイド」とクライアントソフト(CDROM)など一式を頂いて窓口を後にした。

というわけで、住基カードと電子証明書について簡単にまとめると表のような感じだ。ちなみに[External]福岡市の住基カードメディアは[External]NTTコミュニケーションズのコンビネーション型カード[External]eLWISE(1MB)

ここまで1時間10分の間、東区役所で住基カード関連の手続きを行った人は一人もいなかった事を記しておく。

PS.会社帰りにヨドバシでICカードリーダーを買って帰ろうと思ったのだが、売ってなかった....。というわけで、まだ住基カードは使っていない。

【参照】
●INTERNET Watch http://internet.watch.impress.co.jp/
ビックカメラ、公的個人認証サービスの体験コーナーを開設 2004年1月28日
公的個人認証サービススタート〜一部で電子証明書が発行できない不具合も 2004年1月29日
公的個人認証申し込み体験レポート〜足立区の場合 2004年2月2日
●高木浩光@茨城県つくば市 の日記 http://d.hatena.ne.jp/HiromitsuTakagi/
住民基本台帳カードをゲット 2003年8月25日
公的個人認証の証明書をゲット 2004年1月31日
●ビックカメラ.com http://www.biccamera.com/
公的個人認証サービスについて
●公的個人認証サービスポータルサイト http://www.jpki.go.jp/
公的個人認証サービス利用者ガイド
●福岡県 http://www.pref.fukuoka.jp/
公的個人認証サービスについて
●総務省 行政管理局 法令データ提供システム http://law.e-gov.go.jp/
住民基本台帳法