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Last-modified: 2024-04-10 (水)


[一語一絵]

TSLは今? / 2007-06-28 (木)

日本の歴史上最大の銀山、国指定史跡の石見銀山遺跡[External]世界文化遺産に決定というニュース。

蒸暑い空気が澱む夏の百道浜
6/27 福岡市早良区百道浜にて

5月12日には諮問された国際記念物遺跡会議から「延期勧告」が出されていただけに登録は断念したものとばかり思っていたのだが、[External]文化庁や地元[External]島根県大田市[External]反論書を提出して登録に向けて頑張っていたそうだ。見事な逆転勝利にはあっぱれをあげたい。

世界遺産と言えば、今年暫定一覧表へ記載された小笠原諸島。世界で一番遠いニッポンへのアクセスを改善して観光の起爆剤となる事を期待されたものの、就航目前にあっさり頓挫してからはや幾とせのテクノスーパーライナー(TSL)。約115億円もの巨費を投入して建造され、45ノット(83km/h)の速度を達成して計画通りの性能を発揮させているものの、いまだに用船先の目処すら立たず、三井造船玉野事業所に係留されたままだそうだ。

一方で、2003年に経営破綻した[External]東日本フェリーは無事に再建が進み、この9月から函館青森半分以下の1時間45分で結ぶ高速フェリー[External]ナッチャンRera(レラ)の就航を発表しているのが何とも対照的。

航海速力は36ノット(67km/h)とテクノスーパーライナーには一歩譲るものの、旅客800名と普通車350台のキャパを持つ約一万トンの大型フェリーは、オーストラリアのインキャット社で建造されたもので、建造費は約80億円という話。良くも悪くもお上の号令の元、テクノスーパーライナーに賭けざるを得なかった国内造船大手も悲劇と言うしかない。

モーダルシフトのかけ声と共に開発が始まったはずのテクノスーパーライナーだが、国策であったが故にモーダルシフトとは外れたとこで宙ぶらりんとは可哀想過ぎる。国交省のお役人はしっかり反省して、もう一度逆転復活を狙って頑張っていただきたいものだ。

【参照】
●山陰中央新報 http://www.sanin-chuo.co.jp/
特集・石見銀山 見出し一覧
【PDF特報】石見銀山 登録決定(396KB) 2007年6月28日
●島根県大田市 http://www.iwamigin.jp/ohda/
世界遺産 「登録延期勧告」について
●温泉津町観光協会 http://www2.crosstalk.or.jp/yunotsu/
●産経新聞 Sankei WEB http://www.sankei.co.jp/
高速も燃費の悪さケタ外れ 就航頓挫「テクノスーパーライナー」とは 2007年4月12日
石見銀山、世界遺産登録 「登録延期」から大逆転 2007年6月28日
●造船ブログ http://zosen.blog70.fc2.com/
"テクノスーパーライナー"を含む記事
●定期船ブログ http://teikisen.blog84.fc2.com/
小笠原TSL スーパーライナーオガサワラ
●東日本フェリー http://www.higashinihon-ferry.com/
ナッチャンRera