まもなく開港一周年を迎える新北九州空港だが、JALの名古屋(小牧)線が2007年度中に廃止になりそう、という報道が流れている。
2006/11/17 福岡空港付近にて |
まぁ元々新幹線というライバルが相当に手強いのはわかっていたことなので致し方なし。中国南方航空の上海便が週5往復に増便へという話もあり、企業の論理としては健全である消費者・ユーザーとしてそれなりに理解できるモノだ。
今回JALは他にも合わせて8路線を2007年度中に廃止する方針をリークしているが、社員計約2万2000人の基本給10%カットも明らかにしており、背景にある切実な御家事情から来ているのかと思いきやさにあらず。
昨年秋に沖縄離島便をごっそり休止したANAも、先立って9日に大幅な路線再編を行う方針を表明済みだったりして、大手二社の再編計画がそのまま認可されると来年の今頃には羽田・関西便以外の地方を結ぶ路線が激減する事が予想される。
一方でJALもANAに倣って国内幹線へのファーストクラス導入を用意しており、空路も幹線と地方の間で厳しい格差が生じている事を如実に示している。
福岡観点でもJALの青森、花巻便が廃止、ANAの富山、小松、新千歳などが減便か期間運航となりそうなので、タダでさえ行きづらい北陸や東北への足が遠のく事が予想され、不便極まりない話である。頭ごなしに方針を否定して「損してまで飛ばせ」等と無理を言うつもりもないが、有名観光地や観光シーズンを避けて多くの人と少し違った旅を善しとする者にとってはとても残念な事だ。
そんな中、2009年には茨城空港と富士山静岡空港が開港する予定。航空自衛隊百里基地にある百里飛行場を民間共用にするという事で、コスト的にはリーズナブルに済むと思うが、この厳しい地方路線の状況を考えると果たして運用コストだけ見ても採算ベースに乗るだけの路線を確保できるかどうか心配である。
ちなみに需要予測は茨城空港が80.7万人で、富士山静岡空港は国内線106万人、国際線32万人を見込んでいるが…はてさて。
【参照】
●読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/ >> 旅ゅーん
┣全日空が国内7路線を廃止 2007年1月9日
┣日航、国内8路線廃止…顧客離れで収益悪化 2007年1月13日
┣日航、国際線の再編計画 2007年1月17日
┣日航が基本給を10%カット 2007年1月18日
┗ファーストクラスの概要を発表…日航が公開 2007年1月18日
●読売新聞(九州発) http://kyushu.yomiuri.co.jp/
┗北九州~上海週5往復に増便へ…中国南方航空 2007年1月18日
●全日空(ANA) http://www.ana.co.jp/
●日本航空(JAL) http://www.jal.co.jp/
●富士山静岡空港 http://www.pref.shizuoka.jp/kuukou/contents/
●茨城空港 http://www.pref.ibaraki.jp/bukyoku/kuko/
●人生(たび)のつれづれ http://sakura.way-nifty.com/tsuredure/
┗茨城空港は2009年開港予定 2007年1月19日