気象台発表の最低気温は22.9℃だが観測された時間は9時近く。今朝7時現在での気温は25.9℃に過ぎず事実上10日連続の熱帯夜。やっぱり寝苦しいのは相変わらずだったが、日中は過ごし易くなりそうだ。
national.jpより |
先週発覚したパロマの瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故。家庭用設備での一酸化炭素中毒事故と言って思い出すのは松下電器のFF温風機事故。「死者2人、重体を含めて8人が治療を受ける深刻な事態」にも関わらず初期対応を誤った事から全15万台回収というかつてない規模でのペナルティを余儀なくされ、昨年末に大騒動を巻き起こした事が記憶に新しい。
店頭のみならず年末に同社の全CM枠を使ってお詫びを流したり全戸宛にはがきを送るなどで結局200億円以上の対応費用がかかっていると言われているが、それでも計15万台中の約5万台の所在が掴めていない事からこの夏も回収プロモーションを続けており、世界に誇る大企業といえども相当に大きな痛手を受けていると言えよう。
さて今回のパロマの件。「不正改造」だけが直接原因だとしても、その遠因に「安全装置の劣化や不具合」が想定されるわけであり業者への指導を含めてメーカーとして必要な改善策を施す余地は多分にあったんじゃないかと思う。にも関わらず「メーカーに責任は無い」と言わんばかりのスタンスは、つい先だって起ったばかりのシンドラー社製エレベーター事故を思わせる不誠実さが眼に映った。
そして経済産業省が指摘していた17件以外に、昨日までの社内調査で10件の事故と5人の犠牲者が確認された模様。しかも「計27件のうち不正改造が原因とみられるのは14件で、残る13件は改造の形跡がなかった」という事なので、「我々メーカーに非は無い」と言い切っていたパロマとしては形勢逆転。数日で事態が一転して窮地に追い込まれた形に、お粗末を通り越して最悪な対応だったと言わざるを得ない。
事故情報を集めるだけで終わっていた経済産業省も早速「製品安全対策に係る総点検委員会」を設置しており、まずは36万台の浴室換気乾燥暖房機について各メーカーに点検要請された模様。
さて、欠陥放置で品質保証部長ら書類送検されても「落ち度はなかった」と強気のコメントを打ち出した世界のトヨタ。お手並み拝見といきましょうか。
【参照】
●読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/
┣松下、年末商戦に打撃…温風機事故 2005年12月8日
┣シンドラー社製エレベーター「怖くて乗れない」 2006年6月8日
┣トヨタ欠陥8年放置して事故、品質保証部長ら書類送検 2006年7月12日
┗パロマ事故、死者20人に…品質劣化も認める 2006年7月18日
●経済産業省 http://www.meti.go.jp/
┗パロマ工業(株)製瞬間湯沸器による一酸化炭素中毒事故の再発防止について 2006年7月14日
●松下電器産業 http://national.jp/
●パロマ http://www.paloma.co.jp/
┗経済産業省の「半密閉式瞬間湯沸器による事故」報告命令に関する対応について 2006年7月19日
●トヨタ http://toyota.jp/
┗熊本県警発表に関するコメント 2006年7月12日