またジェットフォイルによる衝突事故。YOMIURI ONLINEによると、
9日午後6時ごろ、鹿児島県・佐多岬の北西沖約3キロの錦江湾入り口付近を航行していた鹿児島商船(鹿児島市)の高速船「トッピー4」(赤瀬強一船長、乗員5人、乗客103人)から、「何かに衝突し、多数のけが人が出ている」と第10管区海上保安本部に118番通報が入った。
10管によると、49人が負傷し、うち重傷者は12人。赤瀬船長は「船後方部にクジラか何かがぶつかってきたようだ」と話しているという。
南日本新聞より |
指宿港を入港を控えた錦江湾入り口付近という現場が、浮上状態にあったのかどうかは微妙だが、船体が自力航行できる程度のダメージで済んだのに乗客の半数が負傷したという事はシートベルトを外していた人が多かったのではなかろうか。
今年に入ってから日韓航路でも頻発しており、JR九州高速船によると平成16年12月から去年まで2件だった衝突事故が、今年はすでに2月6日,3月5,17,19日と4回を数えている。
ちなみに新潟~佐渡航路にジェットフォイルを運航する佐渡汽船でも1977年の就航以来29年間で計16回に過ぎず、今年の九州沿岸における衝突事故が異様に多い事が伺える。
なおJR九州高速船の「ビートル」にはクジラが嫌がる音を出す衝突防止装置を付けているそうだが、期待通り1km先まで届いたとしても時速70km/h以上で走ってこられては1分弱しかかからないわけで、その程度の短時間ではクジラならずともそこそこの大きさの船だったら避けきれないんじゃないだろうか?
一連の事故を受けてJR九州高速船の「ビートル」は最高速度を10km/h落した70km/hで航行しているそうだが、こういった海洋生物の行動が今年に限ったものであればまだしも、来年以降も続くようだとジェットフォイルによる高速運航そのものを見直さなければならなくなるかもしれない。
【参照】
●YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/
┗高速船トッピー「クジラ?に衝突」49人負傷…鹿児島 2006年4月9日
●NIKKEI NET http://www.nikkei.co.jp/
┣日韓結ぶ高速船で衝突事故多発・クジラ?対策妙案なく 2006年3月25日
┗高速船、クジラと衝突か49人けが・佐多岬沖 2006年4月9日
●南日本新聞 http://373news.com/
┗クジラと衝突? トッピー49人重軽傷/佐多岬 2006年4月9日
●鹿児島商船 http://www.toppy.jp/
●JR九州高速船 http://www.jrbeetle.co.jp/