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大隅へ 2000年11月24日(金)

素晴らしロード

朝7時過ぎに目覚める。南国宮崎とはいえ意外と寒いじゃん、福岡と変わらないかな?とか思ってたらこの秋一番の冷え込みという。なるほど納得。朝食も無いので、顔を洗って身仕度を整えたあと、7時40分にさっさと旅立ち。今日は平日ということでR220も車が多い。

市街地の混雑を辛抱しR269を右に見送ると、ゴキゲンな宮崎南バイパスに突入。宮崎ICを過ぎたところでワシントニアパームの街路樹が中央分離帯に並ぶ風景はマイアミのようで(もちろん行った事は無いが)、青空と織り成すコントラストははるばる南国宮崎まで来て良かったと思わずにはいられない。5年前は豪雨に虐げられた事も思い出して、感涙モノの絶景にテンションが一気に高まる。

ちなみにこういうゴキゲンロードで止まる事はYANO的に許されないので、残念ながら写真は無い。

日南フェニックスロード(dscn0036.jpg)
8時58分 宮崎県日南市日崎にて

青島を過ぎ、堀切峠を越えると目の前に見渡す限りの青い海が広がる。それと同時に大きく右にカーブする道路は、思わず見とれて海に飛び出しそうになる危険地帯であり、いつもジレンマを抱えるところでもある。

ここから先のR220は日南海岸沿いに快走する、通称日南フェニックスロードと呼ばれるゴキゲンロード。パームやしやビロウの街路樹も雰囲気満点で、今日のように天気が良いと空の青と海の蒼がさらに美しく、やまなみハイウェイミルクロードと並ぶ九州3ゴキゲンロードと言えよう。昨日・今日で一気に九州3ゴキゲンロードを制覇するなんて贅沢かも....。(*^^*)

低速車に詰る度に脇に外れてやり過ごし、達郎サウンドを口ずさみながらゴキゲンロードを快走する。ここも5年前は大雨でゴキゲンどころではなかったっけな....。

8時半、テンションが平常値に落ち着いたところでサボテンハーブ園手前の荒岬鼻で最初の休憩。太平洋の潮騒をBGMに、途中のローソンで仕入れたサンドイッチとコーヒーで朝食。天気晴朗なれど波高し。

8時50分に再スタート。南郷町都井岬方面のR448と別れるが、今日は佐多岬優先なのでR220を直進し、内陸部を串間市へ抜ける。

10時前串間駅前に到着。ここからR448都井岬方面に向かい、串間温泉に足を延ばす。ここはまだ無名だが毎回立寄るお気に入りの温泉で、ヌルヌルするいわゆる美人湯が気持ち良い。山鹿、菊池、龍神温泉よりもヌルヌルする感じがした。という事は実は日本一かも?

串間温泉 湯ったり館 \400 TEL.0987-75-2000(MAP)

いざ、佐多岬

岸良の浜(dscn0051.jpg)
12時46分 鹿児島県内之浦町、岸良にて

10時50分に再スタート。再び串間駅前まで戻り、R220(R448と重複区間)を西へ。志布志を過ぎて大崎へ入ったところで道の駅「大崎」で休憩。去年の2月に一度泊って好感触だった錦江湾サウスロードYHに電話し、今宵の宿を確保したところで再スタート。

交通量が非常に少ないR448を快調に南下。12時15分内之浦町の海を見渡す高台でバイクを止め、コンビニで仕入れておいたおにぎりでお昼とする。

あちこちの道端に「第14回銀河マラソン、ようこそ宇宙の里ウチノウラへ」の看板が立っていた。内之浦と言えば文部省の宇宙空間観測所(MAP)が有名だが、ここは5年前に行ったし今回はパス。あくまでも佐多岬優先である。

そういえば、あの時はたまたま逆方向から来たSERROWの女性と雨の中相憐れむという感じでなんとなく一緒に周った事を思い出した。愛知県内のナンバーだったと思うけど元気にしているかなぁ?(*^^*)

田代町から県道68号線で山の中へ。現在整備中の道路でもあり道路工事が所々であるが、全般的には捕まったら最後一発免停というスピードで豪快に走れる。こんな山の中の県道なら白バイやネズミ取りの心配も無いしね。佐多岬を目前にして否応なしにテンション盛上がり走法で、程なく佐多町に。

佐多岬灯台を望む(dscn0061.jpg)
14時18分 鹿児島県佐多町、佐多岬にて

県道564号線からを経て県道68号線に戻る。このあたりにくるとだんだん周囲の木々も見慣れない亜熱帯風の植物に変り、何とも言えない南国情緒を醸し出す。

14時佐多岬ロードパーク入口に到着。いよいよ本土最南端まで8.5kmとなり、胸高鳴る。

さすがに佐多岬ロードパークはちょこちょこ止って写真を撮りながら、20分ほどかけて、14時20分に駐車場に到着。ちょうど先客の京都ナンバーのSR氏が展望台から戻って来たところで、少し話をして見送る。

さて展望台まで徒歩20分程との事。デイバッグを背負って行くと汗だくになるのは目に見えているが、無造作に置いて行くのはあまりに不用心。ちょうどバイクのホイールにかけるチェーンロックがあったので、それでバイクと一緒にロックしてちょっぴり安心。

佐多岬ロードパーク 二輪車 \400
佐多岬遊歩道 \100

亜熱帯植物に囲まれた遊歩道を15分程歩いて展望台に到着。絶好の天気ではあるが、少し霞んで残念ながら見通しはあまり効かず、24km離れた開聞岳もうっすらと見える程度。東シナ海から吹く風が心地好く顔を撫でる。しばし目の前に広がる水平線を眺めてぼーっとする。

告発

おバカの落書き(dscn0070.jpg)
14時47分 鹿児島県佐多町、佐多岬にて

こういうとこでは例外無くある壁の落書きが意外に少ないなぁと思ってよく見ると、全て最近書かれたものだと気がつく。せっかく白く塗り直した上に、また最近書いたようだ。

それにしても中学生程度の悪ガキならいざ知らず、大学生がご丁寧に氏名と学校名まで書いているところをみると、ちょっと呆れて言葉が出ない。ここまで堂々としているというのは悪い事をしているという認識がカケラも無いのであろうが、同志社大、京産大という有名大学にしてこの程度とは....。

写真の落書きは中でもまともな方だったけれど、せめて一般大衆の目にさらすのならばもう少しキレイな字を書いてくれ。恥ずかしくないんかな....。

20分ほどゆっくりして展望台を後にする。さすがに南国。歩くと暑いほどで、ジャケットを肩にかけて駐車場まで歩いて戻る。

陽も傾きかけた15時半に駐車場を出発。佐多岬ロードパークを写真を撮りながらのんびり戻り県道68号線へ。

確信犯

佐多岬ロードパーク入口(dscn0081.jpg)
15時48分 鹿児島県佐多町、佐多岬ロードパーク

県道68号線は山の中を走るが、最近整備された2車線の立派なバイパス道路で、ヤバいくらいに豪快に走れる。で、島泊を経て佐多の街を抜けるとR269R269は錦江湾のシーサイドのこれまたゴキゲンなルート。うっすらと開聞岳を左に見ながら快調に北上する。時折現れる集落部分ではスローダウンしながらも、人気が無く見通しの良いところではハイペースで飛ばす。

大浜の集落を過ぎると根占まであと3km程。16時15分、大きく右へカーブしたところで前方で赤旗を振る作業員発見。「なんだ、また工事かよ〜」と思い減速すると、「こっち、こっち」と道路わきの駐車場へ手招きする。そこにはルーフに赤色回転灯を載せた白黒の車が駐めてあった。そういえば警備会社の制服じゃないね....

「あっちゃ〜、なんでこんなとこで、しかもこんな時間にネズミ取りやってんの?」真面目に夢か幻かと思い、受け入れるまでに30秒ほどかかった。自分では気付かなかったが、きょとんとした顔をしていたのだろう。若い巡査が少し心配そうに近づいて来て「速度超過です」と声を掛けて来た。「んな事、わかっと〜わい」とは思いつつも、「やばっ、何キロオーバーかな?」とどきどきしながらワゴンに案内される。

「64km/h出てましたねぇ。40km/h規制区間なので24km/hオーバーです。」

言ってみれば確信犯であるので、もはやジタバタしない。過去の経験から定点取り締まりはせいぜい15時で店終い。しかもこんな辺境の地(1時間に1台くらいしか捕まってない)ではやっても観光シーズンくらいだろう、という思い込みから来る油断。逆に言うと裏をかいた鹿児島県警の勝利と言わざるを得ない。2点減点に反則金\12,000、持ってけ鹿児島県警!!

10分ほど時間をロスし再スタート。道路には燦然と立ちはだかる40km/h規制の標識にテンションはガックリ下がる。何も急ぐ必要は全然無かったのに…。あとの祭り、後悔後を断たず、である。

しかし39000km近く走っていれば1回くらいやられるさね。
取り敢えず、免停(30km/h超)にならなくてよかった…f(^^;;

歓談

極めて大人しく走って僅か5分ほど。16時半錦江湾サウスロードYHに到着。1999年2月以来2度目の宿泊となる。周囲も含めて変ってないなぁ…と思ったのだが、橋を渡ったところにローソンができた事を後で知る。都会化の波がここにも…、というのは大袈裟。

食後のひととき(dscn0084.jpg)
鹿児島県根占町、錦江湾サウスロードYHにて
左から SERROW嬢COBRA氏YANO

近くにネッピー館という温泉施設もあるが、今回はパス。逆にYHのお風呂に入った事がなかったので入ってみる。汗を流した後は談話室でノートなどを読んで夕食まで暇を潰す。残念ながらPHSは圏外なのでホームページの更新は断念。

夕食で同宿の2人と初顔合わせ。一人は大阪からSUZUKIのCOBRAで来たライダー。もう一人は東京から来た女性。今回はスケジュール的に飛行機となったが最初はSERROWで来る事を考えていたという事で、彼女もライダー。しかも3人とも今日の午後入れ替わりに佐多岬に行ったという事で盛上がり楽しい夕食だった。もちろん料理の味もボリュームも相変わらず◎で、満足。

夕食後SERROW嬢は温泉へ行き、COBRA氏とウダウダ話を続ける。彼も夕方佐多岬へ行って来たという事で、よ〜く話を聞くと帰り道の佐多岬ロードパークで写真を撮ってた時にピースを交わしたライダーのようだった。実はあの時は逆の佐多岬方向にバイクを向けて写真を撮ってたので、たぶん後から来ると思われてるだろうなぁ…と思ったが、やはり「いつまでたっても来ないなぁ…」と思っていたそうだ。(笑)

温泉から戻ったSERROW嬢を加えて、23時頃までツーリング談義で盛上がり、楽しい夜は更けて行った。

この後、COBRA氏は明夜の宮崎発フェリーで帰投。SERROW嬢は明朝のフェリーで指宿に渡って、明後日には屋久島に行くそうだ。天気が下り坂なのがちょっと心配だが、明日一日は大丈夫だろう。

錦江湾サウスロードYH 1泊2食\4500 TEL:09942-4-5632(MAP)

本日の走行距離 285km



帰投 2000年11月25日(土)

一目散

雨に煙る桜島(dscn0088.jpg)
9時23分 鹿児島県垂水市にて

7時に目覚める。やけに暖かい。と思ったらカーテンを閉めてなかったのに外が薄暗い。薄い雲からは霧雨のような小雨が降り始めていた。新聞の予報では午後から本格的な雨になりそう。

朝食は和食だったが、食後にペアレントさんがコーヒーを入れてくれた。和食でも朝のコーヒー一杯は嬉しい。

内之浦経由で宮崎へ向かうCOBRA氏に別れを告げ部屋を出る。表でアイドリングを始めたらSERROW嬢がわざわざ見送りに出て来てくれた。チャーミングな笑顔に見送られ8時半にスタート。名前も知らない間柄ではあるけれど、たまにはこういうシチュエーションもいいねぇ。(*^^*)

空は一面の雲に覆われて回復の期待は出来そうにない。ただそれほど雨脚が強くなる気配もなくこのまま小康状態で推移しそうなので、雨が酷くなる前に走れるだけ走っておく。R269からR220と繋いで、9時20分垂水に到着。

トイレ休憩だけでR220をさらに錦江湾に沿って北上。国分市を目指す。10時福山町に入ったあたりで空が暗くなると共に雨脚が次第に強くなった。

安めのスタンドを発見し飛び込む。給油(13.6L \98/L)のついでに雨の装いに…と思ったがカッパは持って来たものの、デイバッグを入れるビニールが無い事に気付いた。慌ててピットアウトし再びR220国分市に向かう。

えびの高原、足湯(dscn0092.jpg)
11時29分 宮崎県えびの市、えびの高原にて

亀割峠を越えると国分市国分ICの手前でスーパーを発見し飛び込む。と、雨あがる....。

出発時程度の明るさを取り戻した空に「このまま小康状態で推移」と読み、霧島経由を決断。県道60号線へとステアリングを切る。

霧島神宮からR223を経て霧島スカイラインに入る。途中遅いワゴンに塞がれたものの、写真撮影でやり過ごし11時半えびの高原へ。

雨は相変わらず降ってるのか止んでるのかわからない程度の小康状態だが、このあたりは朝から比べると回復傾向にあるらしい。という話を聞いたとこで気を良くして霧島バードラインを一気に下り、12時えびの市街地を抜けR221に入ると完全にドライコンディション。まさにしてやったりな展開に思わず笑みがこぼれる。

加久藤トンネルを抜けると、手のひらを返したように雨に煙った風景。思わず「ウソやろ」と呟く。雨脚はそれほど強くはないが、路面は完全にウエット状態で前車からはウォータースクリーンの攻撃を喰らうほど。

人吉市街地の手前にあるJUSCOに飛び込み、福岡ではゴミにしかならない人吉市認定のゴミ袋を\240で購入。ジャケットはオールウェザーなのでカッパのパンツだけ出して衣装替えし、13時にリスタート。

あとは一目散に帰るだけと割り切って、人吉ICから九州道に入る。坂本PA北熊本SAでのんびり休憩を挿みつつ80〜100km/hで淡々と移動に徹し、16時前福岡市箱崎の自宅に帰宅。

九州自動車道 人吉IC〜太宰府IC 軽自動車等 \3,350

熊本以北は晴れてたのでどこか寄ってくれば良かったかな?と思いつつも、欲張って失敗するのは世の常と自らを戒め、雨で汚れたCBを洗車してこの旅を締めくくった。

本日の走行距離 353km

全走行距離 1000km

撮影:NIKON COOLPIX 800

終わり



Copyright (c) 2000 by Yoshihisa Yano