旅人の朝は早い。目覚まし無しでほぼ6時起床。TVの天気予報をチェックしながら、ローソンで仕入れておいたおにぎり3つで朝食を済ませ、7時にチェックアウト。
尾道市浄土寺山にて |
まずはアンニュイな朝の街をゆったり流して、浄土寺下へ。駅前以外は殆ど変っていないようだ。変らないのがいいのか悪いのかはさておき、『転校生』の一夫クンの家となった鵤邸も、浮き桟橋のとこの魚売りも健在でひと安心。
続いては千光寺公園をも見下ろす尾道随一のビュースポット浄土寺山へ。標高178mの浄土寺山頂展望台へは浄土寺右横の登山道を歩くのが王道だが、怠け者と自嘲してはばからないYANOさんは裏ルートを10分ほどXLR125Rで走り、7時45分に到着。尾道水道を渡って吹く風がなんとも心地好い。初めて来てもなぜか懐かしいフェリーや列車の行き交う景色を俯瞰。いつまで見ていても見飽きない景色に30分ほど見とれる。
さて、本日の…というか、今回のツーリングのメインイベントである「しまなみ海道」へ。
まずはお隣の向島(むかいしま)へ。原付では新しく開通した新尾道大橋が通れないので、昔からある尾道大橋を渡る。以前自転車で渡っているだけに新鮮味は無いものの、右側に同じ様な橋が並行している風景というのは他に思い当たるところが無いので貴重かも。渡った後で10円を払って料金所を通過。8時20分。
島に渡ってから気が付いたが、向島町も2005年3月から尾道市に編入されたそうだ。海を隔てているとは言え、元々尾道市とは切っても切れない関係だっただけに、これは自然で納得のいく合併だ。
岩子島にて |
この連休中で一番の話題が、日立造船向島西工場跡地の大和ロケセット(500円也)。戦艦大和の全長263mの艦首から190m部分を実物大で再現した巨大なモノだが、そもそも映画『男たちの大和/YAMATO』も観てないし、現代兵器ならともかく骨董的な兵器にはさほど興味ないので素通り。
いよいよ5月7日で公開を終えるタイミングということもあって「勿体ない」と言われたが、セットの肝心な部分は浄土寺山からも見えたので、見たには違いないという事でf(^^;;。ちなみに連休後半の4日以降は入場に4時間以上かかってるらしい。合掌。
しまなみ海道ではないものの、向島大橋を渡って岩子島へ。『ふたり』のロケ地巡りして以来だが、自転車だった時には体力的に周れなかったリベンジとばかり、およそ30分程で島をぐるりと一周。
向島に戻って、津部田(つぶた)の坂道へ回り道した後、9時半に因島大橋へ。
因島大橋にて |
この因島大橋は上段が自動車専用道路、下段が歩行者・自転車道という2層構造になっているユニークな吊橋。橋長1270mは関門橋よりも長く、向島や岩子島から見える優美な姿が美しい。原付の通行料は50円。尾道大橋以外では係員の常駐する料金所は無く料金箱に投入する形となる。要するに、お釣りは貰えないので予め計算した上で小銭を用意しておく事が肝要だという事だ。
9時40分に因島に上陸。因島市と生口島の瀬戸田町も2006年1月から尾道市に編入されたという事で、これで広島県尾道市が愛媛県今治市との県境を接する事になったみたい。へぇ。
さて取り敢えず「何とかと煙は高い方へ上る」というセオリーに従い、白滝山へ登る。が、大した景色でもなかったので9時48分にそのままターン。ここでも自転車では周れなかったルートを旨に、鏡浦から椋浦を経て因島南岸を遠回り。
11時過ぎに生口橋へ。全長790mの斜張橋で、自動車専用道(対向2車線)の南側に歩行者・自転車道。北側に原付専用道が併設されている。原付は南側の眺望を楽しむ事ができないが、因島大橋と違ってオープンエアの開放感はなんとも気持ち良い。
生口島では南岸を走るR317ではなく、島で一番栄えている沢でお昼にありつこうと考えて北岸ルートの県道をチョイス。
眩しいばかりの青空の下、そろそろ暑くなってきたな~と思い始めたところでおあつらえ向きのジェラートショップ「ドルチェ」を発見。11時17分。売り出し中のデコポンと甘夏をダブルで所望320円。ダレ始めた気持ちに喝を入れる甘夏独特の甘酸っぱさもウマかったが、温州みかんを甘く濃厚にした様なデコポンがメチャウマかった。
ジェラートショップ ドルチェ ダブル320円 シングル260円
10~17時 年中無休 TEL:0845-26-4046 尾道市瀬戸田町大字林20-8 (N/E:34.183547/133.065797)
漁師の店 しま一にて |
11時35分、鹿田原の「漁師の店 しま一」でお昼。
魚貝中心にメニューはそこそこ豊富だが、やっぱり看板の「タコ飯定食」880円を所望。タコのブツ切りを炊き込んだご飯がベタっとしていたのが残念だったが、味はしっかりしててウマかった。刺し身も甘みとコリコリした歯応えでさすが地物。おぼろ昆布の吸い物もなかなか。
空いていたので漁師の大将が店内でたばこを吸いながら将棋を指してたりしてたが、その辺は良くも悪くも気兼ねの無い漁師のアバウトさ。観光地のレストランとして捉えるとクレームが出兼ねないと思うが、この店ならば「店のカラー」と言えるだろう。潮の香りに満たされたランチだった。
漁師の店 しま一 タコ飯定食 880円
11~17時 火曜休 TEL:0845-27-3166 尾道市瀬戸田町鹿田原1-35 (N/E:34.183547/133.065797)
生口島といえば耕三寺、平山郁夫美術館、シトラスパーク瀬戸田といった観光スポットがあるが、取り敢えず1回は行っているのし、今回は橋がメインなのでパス。
多々羅大橋にて |
12時37分に多々羅大橋へ。この橋も生口橋と同じ斜張橋で、南北に歩行者・原付道が併設されているのも同じだ。全長1480mは斜張橋としては2006年現在世界最長。デカい。
橋を渡って大三島は愛媛県。13時5分に道の駅「多々羅しまなみ公園」着。ここから見上げる多々羅大橋がまた素晴らしい。天気がいいと映えるねぇ。
さて冷たいコーヒーで一息、と思ったがビタミン補給を考えてデコポン6個200円を査収。取り敢えず一個喰ってみたけど、やっぱ濃厚でウマい。残りをデイバックへ放り込み、13時半リスタート。
大三島にも国宝8件、重文75件を有する大山祇神社があるが、ここの宝物殿もやっぱり行ってるし特別展をやってるでもなさそうだったので、パス。
伯方・大島大橋にて |
R317を流して、13時47分に大三島橋へ。この橋はしまなみ海道唯一のアーチ橋で、続く伯方・大島大橋と共に暫定2車線で未使用の半分を歩行・原付道として供用している。もし自動車の交通量が増えて4車線供用されるようになると歩行者・自転車・原付は通れなくなりそうな気がするが、まぁ今の交通量を見ている限りは数十年は要らぬ心配だな。
伯方島は海岸線長53.5kmの小ぢんまりとした島なので、遠回りに島を一周。
14時25分に伯方・大島大橋へ。パッと見は一つの橋にしか見えないが、見近島まで325mほどの桁橋が伯方橋で、奥に見える吊橋が大島大橋らしい。ちなみに見近島は無人島だが、キャンプ場があり橋から島に下りれるそうだ。気付かなかったなぁ。f(^^;; 参考
来島海峡大橋にて |
入口を見失って無駄足を喰ったものの、15時10分に亀老山展望台へ。頂上の展望台からもちょい下の展望台からも来島海峡大橋が見下ろせる。CMやポスター見覚えのある絶景は観ておかなければならないだろう。特に夕景が美しいだろう事は想像に難くない。
しかし、こう靄ってしまっては夕方まで頑張る甲斐は無さそうなので15時40分リスタート。15時50分に来島海峡大橋に入り、15分ほどで通過して四国に上陸。
尾道からトータルの通行料金は僅か510円。自動二輪だと3,500円以上かかるところなので、いかにリーズナブルかという事だ。ちなみに自転車でも通行料金は同じ510円なので、原付のお得感は高い。
勘任せでまたしても入口を見失ったものの、16時26分に近見山着。ここからは亀老山展望台とは逆方向から見る形になるが、この時間は順光なのでこちらの方が見栄えするはず。と思ったが、靄ってるんであまり変んないかなぁ。
近見山にて |
16時51分、R196に復帰。夕方のラッシュと戦いつつ、4月からめでたく無料となった東予有料道路へスイッチし、18時にイオン新居浜ショッピングセンターに到着。
併設の出光セルフで給油128/L円したあと、今治にトマト&オニオンがあったので新居浜にもあるかも…と思いレストランを物色。と、予約しているホテルマックスビジョンのすぐ近くにトマト&オニオンを発見。お昼が軽めだったので、300gのとろけるオニオンBigハンバーグを所望。豚汁セットを合わせて1,270円だったが、まぁ値段なりに普通だったかな。
19時にホテルマックスビジョンにチェックイン。3,675円也。値段からかなり部屋は狭いと覚悟してたのだが、普通に広くて設備的にも必要にして充分。客室でのネット接続はできないもののパソコンを設置してあるOAルームがある。シャワーを浴びた後に部屋を出る気にならなかったので使わなかったが、自分のパソコンでネット接続する事もできるみたいだ。
本日の走行距離はちょっと軽めの205km。のんびりとしたXLR125Rの旅だったが、それにしても暑かった。f(^^;;
PHSでネット接続して天気予報をチェックしながら明日の行動を再検討。香川県方面は午前中雨の予報。傘が要らない小雨くらいならば良いが、それなりの雨が降ると止まってメットを脱ぐのも億劫になるのが一番心配なところ。午後から回復といわれても、うどん屋を攻めるのに午前中が使えないと意味が無い。
逆に前線がかからない愛媛県地方は「曇りの晴れ」程度で治まりそうなので、うどんは諦めどこぞの林道で遊んで四国カルストでのんびりする事に。
【参照】
●尾道市 http://www.city.onomichi.hiroshima.jp/
┗シトラスパーク瀬戸田 http://www.city.onomichi.hiroshima.jp/kanko/data_setoda/citruspark/
●尾道観光協会 http://www.ononavi.jp/
●尾道観光ナビ どこでも博物館 http://www.dokohaku.net/
●SHIMAP しまなみ海道観光マップ http://www.go-shimanami.jp/
●しまなみ海道のおすすめ観光情報「しまなみ.tv」 http://www.shimanami.tv/
●瀬戸田 ドルチェ http://www.setoda-dolce.com/
●新居浜ホテル マックスビジョン http://www.hotelmaxvision.co.jp/