九州'96

1996年4月28日(日)

6時半に目が覚める。旅立ちの朝は早い。

コーヒーを片手にパンを頬張り、ダウンロードしたNiftyのログに目を通す。ふと気がつくと7時を過ぎていたので、慌てて着替えてバイクに火を入れる。荷物(といってもデイバック一つだけ)をリアシートに括りつけ、バイクに跨る....おっといけない。普段の靴のままだ。部屋に戻ってブーツに履き代えて、さあ出発…

R3から福岡南バイパスに入るが、意外なほど車が少なく少々拍子抜け。小栗峠までノンストップ(赤信号はちゃんと止まったけど)で福岡県を一気に走り抜けて、山鹿熊本も一気に通過して宇土で給油の為小休止。ここまで130kmを3時間。久々のツーリングにしては順調。バイクもライダーも好調。

八代からはR3に別れを告げて、R219へ入る。球磨川を横目に、適度なアップダウンとコーナーの連続でまるでジェットコースターの様な道を快適に走る。桜も終わり新緑が目映く、川面を渡る風も爽やか。シールドを開いて4月の風を全身で感じる。

球泉洞

道の駅「坂本」で昼食を済ませて、人吉ループ橋を目指してR219人吉方向にひた走ると、目前に「九州最大の鍾乳洞 球泉洞」の看板が目に入る。洞窟フリークとしてはやっぱり見逃す訳にはいかないので、バイクを止めてメットを脱ぐ。

規模こそ秋芳洞龍泉洞には及ばないものの、今まで見たことがない鍾乳石もあり、なかなか見応えがあった。何よりも保存状態が良くて鍾乳石の汚れが少ないのが嬉しい。オプションの探険コースにも心魅かれたが、ここは次回のお楽しみに残して、先を急ぐことにする。

球泉洞 入洞料 大人1000円 探険コース600円
問合せ先 球磨村森林組合 Tel.0996-34-0211(代)

人吉R219からR221に入りえびのを目指す。程なく人吉ループ橋加久藤トンネル加久藤ループと抜ける。いざ走ってみると期待していたほどの感動も無く、これも拍子抜け。さっさとえびの市に入り、えびの高原へ向け景気良くどーんとアクセルを開く。

えびの市街からの道は北海道のような畑の中の一本道を思わせる風景、またある時は那須のような林の中の一本道だったり、多様な風景を見せてくれる。

市営露天風呂

えびの高原に入り、まさしく地獄を思わせる賽の河原を抜けると、程なく九州最高地点のえびの市営露天風呂に到着.... ところが、湯温36度で入浴には不適当ということであえなく入浴は断念。(;_;)

さぁて、次はどこへ向かおうか?と地図を広げると高千穂河原という文字が目に入ったので、そちらへ行ってみる。確かに立派な駐車場はあるが、周囲を見渡しても特に興味を魅くモノが無かったので、そのまま素通りして国分に向かうことにした。

千里の滝

しかし、少し走り「千里の滝」という案内板が目に入るやいなや、思わずUターンして脇道へ外れてしまう。駐車場にバイクを止めて10分ほど階段を降りると、目前に見事な滝が現れた。豪快さは無いが繊細でかつ優雅。美しい女性的な滝である。『8月のラプソディ』に出てきた滝にそっくり…というよりそのもののような気もするが、記憶もあやふやで正確なところは分からない。

滝には満足したが、階段はまだ下に続いている.... 気がつくと、千里の滝を示す看板の類も見当たらない。という事はこの滝は前座で本当の千里の滝はもっと下にあるに違いない。ということで再び階段を降りて行くと、九州電力の施設があった。なんだここで行き止まりか…と思いきや、良く見ると川を渡って対岸まで道が続いている。今度は対岸をどんどん登って行く。しかしこの道も少し登ったところにある水場で終わっていた.... お察しの通り、骨折り損のくたびれ儲けである。がっくり肩を落して、今来た道をとぼとぼ戻る。

九州電力の施設まで戻ると、途中で追い抜いた家族連れが降りてきてたので「この先は何も無いですよ」と声を掛けて、一緒に駐車場まで戻った。結構な運動量でかなり汗をかいたが、残念ながらここには自販機が無い。(;_;) 幸いご一緒した家族連れからジュースを勧められたので、素直に好意に甘える事にした。

少し話をしていると「時々点検にみえるのですか?」と言われて「はて?」と首を傾げてしまったが、『九州電力の作業員と思われている』事に気がつくまでそれ程時間はかからなかった。

『NTTの次は九州電力か…f(^^;; 参ったね、こりゃ』

ジュースをご馳走してくれた人を騙してしまうのは忍びないので、きちんと「ツーリングで福岡から来ている」と説明した。ま、恰好を見れば判りそうなモノだと思うが....(?_?)

その後、16時国分市から桜島YHに電話し宿泊を申し込む。左に煙たなびく桜島錦江湾を眺めながら、R10鹿児島へ。鹿児島市内で夕食を済ませてフェリー桜島に上陸。今夜は桜島温泉で疲れを癒す。

1996年4月29日(月)

YHのTVは午後から雨になると呟いて、三々五々集まってくる旅人達の心まで曇らせていく。近くに居た何人かに聞いたところ、話を合わせた様に「屋久島に行きたいんだけど天気がねぇ…」という答え。屋久島ブームはまだ治まる気配が無い。世界遺産に指定される前に行っておけば良かった…

桜島

まずは湯ノ平展望台へ。ここは桜島北岳・南岳を目前に一望できるところで桜島では絶対に外せないところ。残念ながら路線バスが無いので、定期観光バスかレンタバイク等でないと来られない。レンタサイクルだとキツイだろう。

昔はもっと先の植生限界付近の尾根まで登れたという事だが今はここまで。いつもに増して桜島は活発に噴煙を上げている。耳を澄ませていると時折「どーん」と地鳴りのような音まで聞こえる。おかげで島内の道路は灰だらけで、コーナーでは後輪が時々滑ってしまう程。注意、注意。

垂水で給油した後は、右手に錦江湾を眺めながら、R220R269を快走。天気さえ良ければ綺麗な海が広がっているんだろうけど…

10時を周って根占の街に入った頃、ついに雨がシールドを濡らし始めた。小雨だが予想より随分早い。佐多岬までもまだ距離があるし、雨でペースが落ちる事を考え佐多岬を諦め、今日のゴールの都井岬へハンドルを切った。うーん、今日も移動日か?(;_;)

時折シールドを拭いながらR448を走っていると、右手にとても綺麗な入り江を見つけた。長さ500mに満たないけど、砂浜もとてもキレイで、鳴き砂ではないかしら?と思われるほど。なんか意外な発見が妙に嬉しくて一人佇んでにこにこしてしまった。今度は夏に泳ぎに来たいな。

鹿児島宇宙空間観測所

ウェットコンディションではあるが、どんどん整備されているR448を快適に走っていると鹿児島宇宙空間観測所に出た。一旦は通過したものの、雨の中を走りっぱなしというのも味気ないので戻ってみる。政府(文部省)の機関でありながらGWも見学が出来るようなので、バイクを止めて受け付けで見学を申し込む。受付けを済ませば、所内は車やバイクのまま周る事になる。

手続きをしていると反対側からセローに乗った女性がやっぱり一旦通過して戻って来た。同病相憐れむというところか、どちらからともなく声を掛けてちょうど逆方向なので情報交換をしつつ一緒に周った。ふっふっふ。v(^_^)

パラボラアンテナや発射台、整備塔の間を走っていると気分はもうウルトラ警備隊。まさにワンダバ気分である。山の上なので天気が良ければ眺めも期待できそう。

気がつくと雨も上がっていた。

鹿児島宇宙空間観測所 見学無料
鹿児島県肝属郡内之浦町 Tel 0994-67-2211

都井岬灯台

再び降り出した雨の中をひた走る。寒さに負けて途中のラーメン屋に飛び込んだだけで、都井岬まで一気乗り。15時過ぎに無事に到着。生憎の天気に野生の都井馬も心無しか寒そう…

お約束の都井岬灯台に上り、7ヶ所目をクリア。

このまま日南海岸まで行こうかと思ったが、明日は晴れた都井岬を見られるかも知れないと思いを断ち切れずに、都井岬YHに電話して宿を確保。

串間温泉

YHにチェックインしたが夕食まで2時間近くあるので、雨の中ラーメン屋のオヤジから聞いた温泉に行ってみる事にした。都井からだとR448串間方向に15km程戻ると国道沿いに市営の「湯ったり館」という施設がある。

オヤジいわく「名前こそ無名だが日本で5本の指に入る泉質の折り紙付き」という事なので、地元びいきという事もあり話半分で承っていたが、実際に入ってみると無色透明なお湯はスベスベツルツルしていて本当に気持ちいい。湯上がりもさっぱりしていて、それでいてしつこくない。(笑) いわゆる美人湯というのはあちこちにあるが、ちょっと同列で語れない程レベルが違うなぁ!という感じがする。う〜む、ラーメン屋のオヤジ、侮り難し。

何しろ出来て1年足らずということで、内湯・露天とも非常に綺麗で申し分なし。ほとんどの地図にも載ってないので穴場中の穴場。オススメです。

串間温泉「湯ったり館」 大人400円 小学生300円
串間市大字本城字道場1258−1 Tel 0987-75-2402

YHの夜

今夜はライダー6人とサイクリスト1人の7人部屋。みんな宮崎から鹿児島に向かう途中で、逆方向。フェリーが別府・日向・宮崎に着く事を考えると当然と言えば当然か。関西の漫才コンビ、岡山の漫才コンビのおかげで、昨夜の桜島YHとは打って変わって都井の夜は大盛上り大会で更けていった。

雨はまだしとしと降っている。恨めしや…

1996年4月30日(火)

屋根を打つ雨音で目が覚める。窓の外に眼をやると「あちゃ〜、昨日よりひどいや....」という言葉しか出ない。(;_;) 天気予報は淡々と宮崎県全域に大雨注意報が出ている事を告げる。

恨めしそうに空を見上げても始まらないので、意を決してヘルメットを被り同室の旅人に別れを告げて一番にYHを飛び出す。

Mの国宮崎

幸島日南海岸サボテン公園青島と名立たる景勝地・観光地に目もくれず、川の様になった道路をひた走る。まるでウォータースライダーの様に…2時間ほど走って宮崎南バイパスで給油&トイレ休憩。

雨足は全く衰える気配はない。既にこの時点で吊り橋行きも諦め、ただ一目散に高千穂を目指して突っ走る事に決めた。再びR10日向に向けて北上する。

途中の美々津で「リニアモーターカー実験線」、日向で「景勝地・馬ヶ背」の案内板に誘惑されるが、後ろ髪を引かれる思いで北上を続け、お昼にうどんを食べた後、門川からR388で山間部へと入る。

干支の町・北方

県道を経て、北方町からR218に入ったらあとは高千穂までまっすぐ。北方町というと日本で唯一の十二支の地名がある町として有名だと去年高千穂鉄道の車内で一緒になった地元の先生が言っていたが、その時まで地元以外では全く知られていない事をその先生は知らなかったようだ。何しろ延岡の人に聞いても知らなかったのだから…

確かにR218干支大橋という橋もあり、また国道沿いにはそれらしき看板がある。去年『ETOランド速日の峰』というレジャー施設もオープンしている。雨さえ降ってなければ立寄って調査したいところだが、春の雨とはいえさすがに肌寒くなって来たので、日之影温泉へ急ぐ事にした。

雨の日之影バイパスを快調に走る。時折、対向車の巻き上げる水しぶきを浴びながら....(;_;) 晴れてさえいれば、高千穂の峰々を望み、五ヶ瀬川の渓流を眼下に素晴らしい風景を堪能できるであろう事を考えると、残念で残念で仕方が無い。

日之影温泉

青雲橋を過ぎた次の信号で日之影バイパスから旧道に降り、案内板に沿って走ると高千穂鉄道の日之影温泉駅に出る。最近流行の駅舎の中にある温泉センターで、内湯・露天・ジェットバス・サウナ等あり、休憩室ではカラオケ大会の様相ですっかり地元の社交場としての地位を確立している様である。

一時間ほどゆっくり温まり、湿った服も乾いたところで高千穂YHに電話して今宵の宿を確保。まだ3時前だが、再びずぶ濡れのブーツに足を突っ込み、雨の中に飛び出してYHに向かう。

日之影温泉駅 大人400円 中300円 小200円
西臼杵郡日之影町大字七折3235−5 Tel 0982-87-2690

1996年5月1日(水)

今朝の目覚しは小鳥のさえずりと、鉄橋を渡る列車の音。飛び起きて食堂まで行くと、窓からは久々に目映いばかりの朝日が差込んでいる。天気待ちで連泊した連中も、昨日とは打って変った笑顔で起きてくる。

天岩戸神社

朝食を済ませ、しっかり乾かしたブーツを履いて出発。まずは1年ぶりの天岩戸神社にお参り。1年間の無事故に感謝して御守りを納めて、本殿へ。あと2日間の晴天と道中の無事、それと「むふふ」な願いを胸にしばし合掌。

いつも旅先で神社にお参りする時は一番に天気の事を願う事にしているが、そういえば今回は初日は霧島神宮を素通りしてお参りしなかった。今回は天気が思わしくなかったのはその為かなぁ....

天安河原

ご神体の『天岩戸』は昨年の定期観光バスで周った時に参拝したので今回はパスし、逆にその時に周れなかった天安河原へ。天岩戸神社から岩戸川沿いの遊歩道をぶらぶら歩いて10分ほどで到着。

写真やパンフレットでは洞穴に社がある程度にしか思えなかったが、実際に目の当りにすると霊感のかけらも無いYANOですらちょっとびびってしまうほどの荘厳で圧倒的な威圧感があり、畏敬の念という言葉を身体で実感する。

ここまで来て洞穴の前で怯んでしまっては男が廃るので、奥の社まで行き手を合わせてきたが、まさに八百万の神々に見つめられているような、そんな感じがした。他に観光客がいて少しは賑やかならばばそれほどでもないのかもしれないだろうが、他には誰も居なくてラッキー。これも神の御導きか....

再び天岩戸神社へ戻って新しいお守りを賜わり、バイクにしっかと張り付けて出発。国見ヶ丘に立寄るがまだ阿蘇方面の展望は効かなかったので、早々に天孫降臨の神話の里に別れを告げ、五ヶ瀬町から熊本県の蘇陽町へと入った。

桜吹雪

薄い雲に包まれて柔らかな5月の陽射しの中、R265を軽やかに走る。高森峠を抜けると、九十九曲の旧道へハンドルを切る。この辺りは森林公園として整備されていて桜が有名なのだが、今年は4月が寒かったせいでまだまだ花を付けている桜が残っている。この時期に九州で桜が見られるなんて思ってもみなかったので、非常に得した気分に浸る。時折桜の下にバイクを止めて見上げたりしながらゆっくりと下り、高森の街を過ぎて阿蘇の東側へ。

左に、或は正面に根子岳を見ながら快走。この辺りにもまだまだ桜が残っていて、それが少し風に吹かれるとパーッと散って見事な桜吹雪。まさか桜吹雪の中を走るなんて想像もしていなかったので、大自然からの心憎いばかりの素敵なプレゼントにウルウル感激しつつ、一の宮町へ。

仙酔峡

ミヤマキリシマの群落で名高い仙酔峡へ。今年の塩梅はどうかな?と見てみると、まだまだのよう。この時期に来る事自体が初めてなので例年のそれと比較してとやかく言う事は出来ないが、まだ桜が残っている事を考えても1〜2週間ほど遅れているのでは…と思われる。例年なら5月の中旬が見頃と言われているのだが、果たして今年は....

古閑の滝

阿蘇町で高菜ラーメン+餃子でお昼を済ませ、バイクにもお昼ご飯。さて中岳へ…と思いきや、あいにく雲の中。というわけで一の宮町で見掛けた「古閑の滝」の案内板が気になってしょうがないので、少し戻る事にした。

駐車場にバイクを止めて歩き出すが、歩けど歩けど水が叩きつける豪快な音は聞こえない。イヤな予感を抱きながら歩く事約10分で滝に到着。そこには落差100mもあろうかと思う大きな滝が2つもあった…が、水は申し訳程度にチョロチョロと岩肌を伝って流れ落ちるだけ.... 滝壺がある訳でもないのでいつもこの程度の水量なのだろう。落差だけでは九州でも最大級だと思われるだけに、この水量は残念。

帰り道、駐車場までの足取りは重かった。それもその筈、初日の千里の滝といいブーツで結構歩いているので踵に靴擦れが出来てしまったのであった。(;_;)

大観峰

今夜の宿を瀬の本YHにキープして大観峰へ。ラジコングライダーが優雅に阿蘇の曇り空を舞っている。中岳は生憎とまだ雲の中。しばし佇んでお約束の牛乳を飲んだ後、明日の晴天を期待して今日は早々に退散。

1996年5月1日(水)

昨日と同様の曇り空…と思いきや、次第に雲が晴れていって朝食を済ませた頃には久々の青空が広がっていた。今日は北九州の実家まで戻る事は決めているが、それ以外は全く未定。取り敢えず、もう一度阿蘇を見に大観峰まで戻る事にした。

大観峰

風は少し冷たいが、行き交うライダーとのv(^_^)サインも軽やか。久々のお天気に寒さは感じない。昨日に引き続いて2度目の大観峰。バイクを降りて、展望所まで歩く足取りも軽やか…といきたいところだが、やっぱり痛いものは痛い。(;_;) 展望も昨日よりはいいが、残念ながら阿蘇五岳が拝めるまでには晴れていなかった。頭の上は晴れているのだけれど....

久住高原

再び瀬の本まで戻り交差点を右に。今度はR442久住高原へ向かう。ここはやまなみハイウェイほど名が売れてないが、負けず劣らずの気分爽快なルート。途中、桜の綺麗な並木道を見つけた。何度か来ているハズなのだが、季節によって天気によって全然違った趣を見せてくれるのが嬉しい。些か陳腐ではあるが『爽やか』以外の言葉が浮かばない、そんなルートである。

やまなみハイウェイ

みたび、瀬の本まで戻って今度はいよいよやまなみハイウェイへ入る。いまさら解説する必要も無いほど有名なドライブルート。今日は天気も文句無し。形容する言葉さえ見つからないほどの景色に包まれ、悪夢のような宮崎の大雨をも許してしまえるほど。(^_^)

牧ノ戸峠でひと休みしていてふと思う。今回で何度目だろう? バスで来た事もあったし、去年は実家の車だった。10年前には阿蘇から自転車で登った事もあったなぁ。とうことは今回のバイクで乗り物系はひととおり制覇!

天ヶ瀬温泉

昨日も夜はYHから黒川温泉まで入りに行ったので、結局毎日温泉に入っていた事になる。ならば最終日の今日も温泉に入って帰ろう…ということで、ちょっと遠回りになるが水分峠からR210日田方面へ向かい、天ヶ瀬温泉に寄る事にした。

国道から温泉街に入ると、かねてからの噂通り玖珠川の川縁に点々と湯気が立ち上っている。川縁に7ヶ所の公共露天風呂があり、整備協力金100円で入る事が出来る。温泉街の真ん中で川の向こう岸には旅館が立ち並んでいる割には脱衣所も含めてちょっと目隠しが少なく、あまり女性にはお薦めできないかもしれないが、その分だけ露天風呂の醍醐味を心行くまで満喫できるので、玖珠川のせせらぎを眺めながら、5日目の温泉を満喫できた。

Goal

その後は日田夜明宝珠山添田香春北九州と一気に走り抜け、5日間延べ1300kmの旅は無事に終わった。

天気こそ波乱万丈だったが、終わり良ければすべてよし。何よりも鍾乳洞あり、滝あり、火山あり、灯台あり、神社あり、桜あり、高原あり、森あり、温泉ありと九州の美味しいとこてんこもりで、何度行っても違った景色を見せてくれる雄大な自然を再確認した旅だった。

今度は晴れた宮崎に行こう!と心に誓う今日この頃である。



1996年5月5日 NiftyServe観光フォーラムにアップした文章を再構成しています。


YANO