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2日目 2000年 8月12日(土)

忘れ物に注意

7時頃に目覚める。エアコンが入りっぱなしでちょっと肌寒かったが、爆睡してたんで気分は爽快。空いていたベットもいつの間にか埋って3人増えている。そういえば話し声がしていたような気もする....。f(^^;;

顔を洗ってさっぱりしたところで外に出て、あくまでも穏やかな宍道湖を眺めて思い出した。絶景として名高い宍道湖の夕日を見忘れた....。YHからでは方向的に湖面に沈む夕日とはいかなかっただろうが、ここまできて見逃すとはまさに「なんてこったい」である。

松江城(dscn0050.jpg)
9時07分 島根県松江市

過ぎた事はしょうがないので、気を取り直して朝食。外国人が圧倒的多数だというのに、どういうわけか極めて伝統的な和食。洋食にしてあげればいいのにねぇ....。同部屋のダッチマン(オランダ人)も器用にお箸を使って御飯を食べているが、残念ながら味噌汁は口に合わないらしい。その代わり食後にインスタントコーヒーを貰っていた。

寝ている間に増えた3人の日本人もやってきた。一人は同じく福岡からでJRで来たらしい。バイクで日本海沿いに一気に走ってきたと言ったら驚いていた....。もう一人のポニーテールの兄ちゃんはバイク乗りで、これから福岡に帰るところらしい。カワサキに乗っていたんだっけかなぁ....。忘れちまったぃ。

まずはダッチマンが出発。「Have a nice trip.」と握手を交わして見送る。道中の安全はもちろん、日本でいい思い出に残るような旅をしてほしいと心より願わずにはいられない。残った日本人も互いの無事を祈りつつエールを交わして9時前に出発。見上げる空は相変わらず碧く高い。絶好のツーリング日和である。

まずはR431を東へ走り、松江市内で給油(9.1L \98/L)。取り敢えず松江城(MAP)へ寄ってみる。有料駐車場だったので入口で躊躇していたら、係員が近寄ってきて「バイクは城内に入ったところの駐輪場に置いて下さい。無料です。」と親切に教えてくれたので安心して寄り道する事にした。しかし、肝心の観覧料が思ったより高かったので天守閣へは登らず、下から写真撮影のみ。(\800は高いと思って止めたが、実は小泉八雲記念館との共通券の値段であって、天守閣の入園料は\500だったらしい)

限りなく青く、限りなく広い

美保関の海(dscn0052.jpg)
10時19分 島根県八束郡美保関町

まだ9時だというのに陽射しは刺すような暑さ。ちょっと階段を登り降りしただけで汗が噴き出していた。おあつらえ向きな事に駐輪場の側のPETボトル対応の自販機を発見し、空っぽになっていたボトルに冷たい爽健美茶を補充。残りを飲み干したところでいざ出発である。

バイク乗りの慢性病『先っぽ症候群』に導かれるように再びR431を東へ。右手に干拓事業の存続問題で渦中の中海を見ながら快走。陽射しは熱いものの海沿いのワインディングを吹く風は心地好い。地図では有料となっている灯台道路も無料化されていて嬉しい限り。ちょうど10時美保関灯台(MAP)へ到着。

とてもキレイな海と、はるか彼方にぼんやりと隠岐島も見えて、トンビものんびりと飛んでいた。思わず時間を忘れてしまいそうな、そんな空気に包まれている場所。白い灯台も青い海と空に映え、珍しく喫茶店まで併設されていてデートポイントしては申し分なしである。あと足りないのは相手だけ....だね。

結局30分近くのんびりして、美保神社まで戻り今日の晴天と安全を祈る。まぁ晴天は間違い無いだろうが、できれば夕立も勘弁してね。

涼を求めて…

やっぱり暑くなってきたので、これからは涼しい山間部へ逃げる事にする。で、今宵の宿を確保しようと日本原高原YHへ電話する。…が、応答無し。中途半端な時間帯なので留守かもしれないと思い、またお昼時に電話してみる事にして再スタート。

大山道路(dscn0058.jpg)
11時39分 鳥取県西伯郡大山町

R431を西へ戻って境水道大橋を渡ると、CB400SFでの37府県目となる鳥取県に突入。水木しげるの出身地として妖怪をテーマに売り出し中の境港市である。

しかし、信号で止まるとかなり暑く感じるようになったし、走り出したら止まらないぜ!モードに入っている事もあって、そのまま一気に米子市へ移動。県道24号線に入ったところでダンプを追い越し、大山へ全開アタック開始。

直列4気筒のホンダエンジンはすこぶる快調。緑の木々に囲まれた真っ直ぐな道を、53馬力のパワーを頼りに一気に登りつめ、12時前大山寺(MAP)に到着。自然科学館の前にバイクを駐め、ヘルメットを脱ぐと涼しい高原の空気が歓迎してくれた。いゃ〜、爽快とはこういう事さ。

さて、ちょうどお昼時でもあるのでYHに電話をしてみようと自然科学館に入ってみるが、公衆電話が無かった。しょうがないので外の土産物屋で探そうと2,3歩歩き出したら隣に駐めてあったドラッグスターに跨っていたおじさんから「ちょっと、ここは駐輪場じゃないよ」と注意を受けた。

ワイシャツ姿だったのでたぶん自然科学館の職員なんだろう。「あんたも駐めとるやん」とは思ったものの「すいません、ちょっと電話する間だけ駐めさせてもらえますか?」と頼んで了解してもらった。荷物もリアシートに全部積んだままでその上メットとグラブすらハンドルにかけてあるのに、数時間駐めるとでも思ったのだろうか? ダメと言うだけじゃなくてどこに駐めればいいのか教えてくれればいいのに、ちょっとお役人的な威圧感があって感じワルッ。

大山の山懐を走る

鬼女台の由来(dscn0063.jpg)
13時13分 岡山県真庭郡川上村、鬼女台

そういうわけでYHに電話してすぐに再スタート。肝心の公衆電話は近くに見つからなかったが、実はPHSが使えた(冬はスキー客が多いからアンテナがあるようだ)のであった。でも結局電話は応答無しで予約はできなかったので、困ったちゃんである。

大山寺からは県道158号線県道45号線と反時計周りに大山を周回。小さなアップダウンとコーナーが連続して先行車のペースが上がらず、かといって追い越すにも追い越せず、のんびり観光ペースを余儀なくされる。

途中、森の中の山小屋風のお店で休憩。木陰をそよぐ風が実に気持ちいい。取り敢えず軽く素麺を食べたが特産の椎茸を使ったと思われるツユが美味しかった。

鏡ケ成からは県道114号線蒜山(ひるぜん)高原へ向かうが、途中の鬼女台(MAP)でアイス休憩。ここからは広大な大山のすそ野遠望が素晴らしい。何となく地名の由来を読んでいたが、納得いかないので思わず写真に撮ってしまった。なんで鬼やねん?

程なく蒜山高原へ。標高500mの高原地帯を軽快に走って塩釜の冷泉(MAP)で休憩。

塩釜冷泉(dscn0064.jpg)
13時40分 岡山県真庭郡八束村、塩釜冷泉

日本百名水にも選ばれているという由緒正しき塩釜の冷泉は伏流水である為に水温11℃と冷たく、非常に澄みきったクセの無い味で美味しかった。

木陰で少し涼んだ後はR482から、美作2号林道へ分け入って津黒高原(MAP)を抜ける。人気の無い夏のスキー場を過ぎると、道幅の狭い山間部に入ってゆく。標高が上がるにつれて次第に雲行きが怪しくなってきた。

やばいよ、やばいよ、と思いながら慌てず急いで慎重にコーナーを一つずつクリア。14時半大谷峠を通過し岡山県奥津町に入るとイヤな雲もなくなった。こうなったらこっちのもの。ホントに下界に下りられるんだろうな?と気味悪く思うほど交通量が少ない豪快な山岳ダウンヒルを楽しんで、15時過ぎにR179にぶつかり右折。津山(MAP)に向かう。

久々にだらだらとした車の隊列に挟まれてR179を南下していると猛烈な眠気に襲われ、慌てて休憩を摂る。そういえば結局今夜の宿は確保できていないので、津山周辺のビジネスホテルとならざるをえない。となると、まだ時間はかなり余裕があるので、もう少し寄り道できるな....。ツーリングマップルを開くとR179を戻ったところにおあつらえ向きな奥津温泉(MAP)があった。しかも無料の露天風呂あり? こうなれば行くしかないでしょう。というわけで進路反転、R179を北上する。

快感の露天風呂

河原の露天風呂(dscn0073.jpg)
16時14分 岡山県苫田郡奥津町

反転するも結局だらだらとした車の隊列からは逃れられなかったが、15時半奥津温泉に到着。公衆浴場がどこだかわからなかったが、橋の袂に露天風呂を発見。予想より全然キレイだったのでわからなかった。写真のとおり見事にまる見えだが、その分開放感はバツグン。

学校のプールの更衣室のような奥の建物が内湯と脱衣場である。内湯には熱め、温め、さらに温い洗濯用と3つの湯船がある。

橋の傍にバイクを駐め、早速温泉へ。内湯も程よい熱さではあるが、真夏の昼間に入るのはちょっとしんどい。なんと後から入ってきたおじさんは躊躇せず一番温い洗濯用にドッポン。いいのかなぁ?

露天は少し温めで、何と言っても川面を渡る風が火照った体に実に気持ち良い。単純泉という事だが意外に肌ざわりはヌルヌル感がある。天ヶ瀬温泉によく似た匂いも◎で、かなり好感触。足を延ばした甲斐があったというものである。

程なくおじさんも露天にやってきて、どっちからともなく話を始めた。ここの名物足踏み洗濯の話とか詳しく教えてくれたのでてっきり地元の人だと思ったが、実は香川県からの観光客だった。只者ではないなぁと思ってたら筋湯の岩ん湯にも行った事があるというかなりの温泉フリークで、妙に意気投合。数年前までバイクに乗ってた話とか、讃岐うどんの話とか、延々と風呂端会議を繰り広げた。

楽しい温泉タイムを過ごしたあとは再びR179を南下。途中、トイレ休憩のついでにもう一度日本原高原YHへ電話してみた。やっと応答があったが残念ながら今夜はイベントの為に満員だとの事。地理的に考えてもそう人気があるところとも思えないので、よほど縁が無いのかもしれないなと諦め、津山(MAP)のアルファーワンを確保する。詳しい場所を聞かなかったがまぁアルファーワンなら何とかなるだろう。

津山へ

R179から広域農道までは快調だったが、津山の中心部に入ると渋滞にハマり身動きが取れなくなった。全然知らないくせに色気を出して裏道から周り込もうとするが、一方通行が多く思ったように走れず揚げ句の果てに転回時に立ちゴケをしてしまう体たらく。心身ともに疲労困憊したところでようやく駅前の大通りに出る事ができた。で、予想通り津山駅前にホテルアルファーワン津山を発見。ローソンで軽く買い物をしてから17時40分にチェックイン。

軽く汗を流した後しばらくTVを見ながらくつろいで、19時過ぎに併設のファミレス「TOMATO&ONION」へ。驚いた事に入口でメニューを眺めていると中から手を振るオッサンが…奥津温泉で意気投合した温泉フリークなおじさんにあった。お互いに今夜は津山のビジネスホテルになりそうとは話していたものの、まさか同じホテルになるとは…

肝心の夕食はオニオンサラダと大盛りのガーリックチャーハンを所望したが、あわせて\860と安くてうまかった。福岡にもできないかな?>「TOMATO&ONION」

ホテルアルファーワン津山 シングル1泊\5830+バイク駐車料\310 TEL:0868-24-7733

食後は天気予報と相談しながら明日の行動を練る。が、見事に帰省のピークと重なっているし、台風も去ったとはいえまだ余波が予想される。取り敢えず、阪九フェリーで15日の泉大津→新門司を予約しておく。他にも心配の種は尽きないが、今さら悩んでもしょうがないので開き直って、とっとと寝る。

本日の走行距離 223km

明日への扉

撮影:NIKON COOLPIX 800


Copyright (c) 2000 by Yoshihisa Yano