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Last-modified: 2024-04-10 (水)


[一語一絵/IT系]

FONキタ / 2007-01-27 (土)

個人の無線LANを共有するサービスを行っているスペインの[External]FONが、昨年12月に[External]日本で本格稼働した。

Model:FON2100E
[External]FONルーター FON2100E

[External]ITmediaの記事等を読んだりネットの先駆者の情報をチェックして「ま、悪くは無さそうかなぁ」という感触を確認し、[External]FON Shopでルーター「La Fonera」を申し込んだのが昨年の12月25日。忘れかけていた今週21日になってようやく手元に届いた。ちなみにこの「La Fonera」本体価格は1,980円だが、送料630円と代引き手数料315円を合わせて2,925円となる。

さて、最も気になるのがセキュリティの問題。既存の有線LANと無線LANに加え、FON無線LANにもパブリック(公開用)とプライベート(自家用)のネットワークが構築されるので、しばらく設定をごにょごにょしていたのだが、基本的に「La Fonera」は初期設定のままブロードバンドルーター配下に繋ぐだけで問題なかった。

ちなみに「La Fonera」のパブリックネットワークはオープン認証で暗号無し。ネットワークアドレスは192.168.182.xで、SSID以外変更不可。プライベートネットワークはWPA2認証AES暗号に対応済み。ネットワークアドレスは192.168.10.xで変更可能。「ファイアウォール機能」によりセグメント間でパブリック→プライベート(×)、パブリック→WAN(×)、プライベート→WAN(○)のアクセス制限がかけられる。

ちなみに、WANと表記が意味するネットワークはブロードバンドルーターとの間で構成されるローカルネットワークであり、パブリック→WANを「拒否」にしてもインターネットへはアクセスできる。対して自宅LAN向きのNBTなどはブロックされるので、自宅LANの共有フォルダが外から丸見え~というような事はない。しかし全てのパケットがDROPされるのかというとそうでもなく、ICMPやSSH等の一部プロトコルは通ってしまった。というわけで、用心する人はブロードバンドルーター側でも192.168.182.xからLAN側へのパケットは破棄するようなフィルタリングをしておいた方が良い。

パブリック→プライベートではICMPも通らないので安心だが、同じパブリック内セグメントでは互いに共有フォルダが見えてしまう関係になるので要注意。但しこれは使う側の問題であり、[External]FONに限らず[External]FREESPOT等の公衆無線LANを使うにあたっては共通するリスクである。

さてひとつ気になるのがISP側のスタンス。第三者のタダ乗りを歓迎するようなISPは皆無だと思うが、明確に第三者の便乗利用の禁止を謳っているところも多いらしい。ちなみに[External]コアラ[External]「コアラADSLサービス会員規約」では第3章の「サービスの提供・利用」として

第10条(ADSLサービスの提供)
1 ADSLサービスの種類、内容については、別途定めます。
2 当社は、理由の如何を問わず、会員に事前の通知をすることなく、ADSLサービスの内容の一部または全部の変更、追加及び削除をすることができます。

第11条(加入サービスの変更)
1 コアラ会員は、当社所定の手続により、加入しているADSLサービスの種類等の変更を申し込むことができます。なお、加入サービスの変更については、別途料金をいただくことがあります。
2 前項の申込がなされた場合、当社が承諾をした上で、当社が指定した時点より、ADSLサービスの種類等が変更されます。なお、ADSLサービスの種類等の変更申込後といえども、ADSLサービスの種類等が変更されるまでは、コアラ会員は従前どおりの料金を支払うものとします。
3 第1項の申込がなされた場合であっても、当社は、技術上その他の理由により、当該変更を承諾しないことがあります。また、一部サービスについては、変更ができない場合があります。

第12条(サービスの利用)
1 コアラ会員は、本規約及び個別規約その他当社が随時通知・連絡等する内容に従い、ADSLサービスを利用するものとします。
2 コアラ会員は、第三者に対し、有償でADSLサービスを利用させることはできません
3 前項の他、当社は、ADSLサービスの種類等に応じ、その利用にあたって別途制限事項を設けることがあります。この場合、コアラ会員は当該制限事項に従うものとします。
4 コアラ会員は、ADSLサービスを通じて発信する情報につき一切の責任を負うものとし、当社に何等の迷惑または損害を与えないこととします。
5 ADSLサービスの利用に関連して、コアラ会員が他の会員もしくは第三者に対して損害を与えた場合、またはコアラ会員が他の会員もしくは第三者と紛争を生じた場合、当該会員は自己の費用と責任で解決するものとし、当社に何等の迷惑または損害を与えないものとします。
と謳っており、有償でなければ第三者のトラヒックを流しても構わない事になっている。つまり無償のLinus会員がアクセスする分には全く問題ない。

裏返すと有償のAliens会員にアクセスされると抵触する可能性が無きにしもあらずだが、文面を素直に読む限り自分Bills会員として代価を得ない限り問題無いはずだ。そもそもAliens会員って、Linusのソーシャルルーターにアクセスできるのかなぁ。

それはそれとして、「当社は、理由の如何を問わず、会員に事前の通知をすることなく、ADSLサービスの内容の一部または全部の変更、追加及び削除をすることができます」という客を見下ろした一方的な条文はなんとかならんものかねぇ?

【参照】
●ITmedia http://www.itmedia.co.jp/
個人の無線LANを開放、世界中を“サービスエリア”に──「FON」が日本進出 2006年4月11日
コミュニティー発の低価格なWi-Fi接続サービスが開始 2006年12月4日
開放、共有、そして幸せになる――「FONジャパン La Fonera」 2006年12月8日
●@IT http://www.atmarkit.co.jp/
個人の無線LANに相乗り、「FON」が日本で本格展開へ 2006年4月11日
無線LANルータも無償配布! 「FON」が日本で本格稼働 - @IT 2006年12月4日
●日経ITPro http://itpro.nikkeibp.co.jp/
グーグルとスカイプが出資した公衆無線LANベンチャー「FON」が上陸 2006年4月11日
欧州発公衆無線LAN「FON」が始動,ただし問題視するプロバイダも 2006年12月4日
キーワード FON 2007年1月23日
●FON http://jp.fon.com/