鈴鹿サーキットでは今年で一区切りとなるFormura 1の日本グランプリ。
フジテレビ、F1 GRANDPRIXより |
ランキングトップのフェラーリ、シューマッハがエンジンブローという不運なトラブルに見舞われてより37週目でリタイア。日本でのラストランを不完全燃焼で終えた。
その結果、5位スタートながら2位にまで上がっていたルノーのアロンソが優勝を遂げてチャンピオンシップの形勢を一気に逆転。最終戦のブラジルGPではディフェンディングチャンピオンらしく王手をかけた状態で、シューマッハを迎え撃つ事になった。
凱旋戦で気合の入るSUPER AGURIも佐藤琢磨が15位、山本左近が17位と二人揃って完走。順位はともかく、1年前には影も形もなかった小さなプライベートチームが、多くの困難を乗り越えて終盤戦まで全戦出走して戦えるチームになってきた事を喜ぶべきだろう。
1995年の日本GPの予選アタック中にS字コーナーでクラッシュしてしまい、病院でF1ドライバーのキャリアを終えた鈴木亜久里としては、鈴鹿に置き去りにしてきた忘れ物をようやく取りに来れたような感じなのかもしれない。そういう意味からも鈴鹿最後のシーズンに滑り込みセーフで参戦を果たす事ができたのも何となくドラマチックだ。
トップカテゴリーのモータースポーツはメーカーのバックアップがあるワークスチーム中心に回っている事は否定しないが、志しあるプライベーターがあってこそモータースポーツが文化として成り立つと思う。そういう意味で、ようやく日本にもFormura 1が文化として定着し始めたと言えるのでは無いかと思う。
ところで今年もウィリアムズのマーク・ウェーバーが40週目の最終コーナー立ち上がりでタイヤバリアに突っ込む激しいクラッシュがあり、ヒヤッとさせられた。日本のモータースポーツ史を刻んできた鈴鹿サーキットと言えどもセンチメンタルに浸ってばかりはいられない。レギュレーションの縛りにも関わらずスピードが上がり続けている現状を踏まえて、ランオフエリアの場所や広さを重視した大胆なコース見直しの必要性を感じた一瞬だ。
せっかく20年の時を経て市民権を得て更に文化として定着させる為にも、「モータースポーツは命懸け」のイメージを払拭するよう死亡事故は防がなければならないと思うので、来年から日本グランプリを引き継ぐ形になる富士スピードウェイ関係者各位にはより一層の安全性確保を期待したい。
【参照】
●鈴鹿サーキット http://www.suzukacircuit.jp/
●フジテレビ http://www.fujitv.co.jp/ >> F1
┣「F1グランプリ」中継20周年スペシャル
┣ホンダ第3期初優勝スペシャル
┗第17戦日本グランプリ
●Yahoo! F1 http://sports.yahoo.co.jp/f1/
┗2006年第17戦日本グランプリ