1月のノートブック向けCore™ Duoに続いて、Conroeというコードネームで呼ばれていたデスクトップ向け
インテル® Core™2 Duo プロセッサーが正式に発表された。
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http://www.intel.com/core2duo/より |
今回のプロセッサーの売りは、Pentium 4系の「NetBurstマイクロアーキテクチャー」からノートブック向けに新しく開発された「Coreマイクロアーキテクチャー」に変った事で、ぶっちゃけた話が消費電力や発熱が押さえられているという事だ。今まで「速かろう、熱かろう」と揶揄されたPentium 4とは一味違う期待の新人である。
発熱量が下がると言ってもさすがに完全にファンを無くす事は難しいが、大して仕事をさせていない時に回転を止めさせる事くらいは期待できるし、耳ざわりな排気音が押さえられるだけでもメリットは大きい。何よりファンの負荷を下げる事は、故障のリスクを下げる事に繋がる。
ちなみに常に回転しているファンとハードディスクは最も壊れ易いパーツの一つだが、ファンはCPU以外にもケースや電源・チップセットなどいくつも付いていて、ファンが裏支えしているリスクは意外と高い。冷房温度が2℃あがった昨年夏には電源から火を噴くトラブルが激増したのだが、これはファンの回転数や稼動が上がる事で綿埃が溜まって故障し、そこから一気に温度が上がって発火しているものが典型的だ。気をつけろ!
インテル® Core™2 Duo プロセッサーの場合、デスクトップ向け製品で最速の「E6700」にしても2.66GHzに過ぎず、Pentium 4(Supporting Hyper-Threading)の3.8GHz、Pentium Dの3.2GHzよりもかなり低い。
インテルによると「最大4割処理性能を向上しつつ消費電力を約4割削減した」という事なので、「E6700」はPentium 43.8GHz並の性能という事になる。最大発熱量の目安となるTDPは65W。これはシングルコアのAthlon 64(Venice)と同じで、89WのAthlon 64 X2を一歩リード。だがこれは後発としては当然で、これからTDPの引き下げ競争を期待したい。
さて気になる価格面。2.40GHzの「E6600」が36,660円(1000個オーダー時の単価)と初物にしてはかなり戦略的な値付けだ。対するAthlon 64 X2も対抗値下げの結果、2.66GHzの「5000+」が$301。参考までに120円/ドル換算で28,800円。L2キャッシュの量で勝る「E6600」とクロック数で勝る「5000+」、勝負は如何に!?
ノートブック向けの新コアMeromも同じくインテル® Core™2 Duo プロセッサーとしてラインアップされているが、こちらは8月下旬のリリースという事だ。
Core™ Duoとの違いは「Intel 64」(旧EM64T)と呼ばれる64bitsサポートに対応した事くらい。逆にTDPは31Wから34Wに増えている事からバッテリライフは厳しくなってると思われ、
Core™ Duoの存在価値は無くなっていない。
なおプロセッサーインデックスを見ても明らかなように、Pentiumブランドは主役の座を下ろされ、まもなく歴史の1ページに綴じられる事になる。プロセッサーもいよいよ処理能力至上主義から、処理能力と消費電力・発熱量とのバランス重視へ。まさに「インテルも変らなきゃ」。パラダイムシフトの象徴的な出来事として記憶に留めたい。
【参照】
●日経ITPro http://itpro.nikkeibp.co.jp/
┣【映像付き】インテルがCore 2 Duoの優位性を力説 2006/07/27
┣Pentiumシリーズが終幕,インテルのパソコン向けプロセサはすべて「Core」に移行 2006/07/27
┗Intel,新型プロセサ「Core 2 Duo」「Core 2 Extreme」計10モデルを出荷 2006/07/28
●日経デジタルARENA http://arena.nikkeibp.co.jp/
┗インテル、「Core 2 Duo」「Core 2 Extreme」を発表。ノートPC向けの「Merom」も 2006/07/28
●インテル http://www.intel.co.jp/
┗世界で最も優れたプロセッサーを発表 ~新製品ラインは記録的な性能向上と低消費電力化を実現 ~ 2006/07/28
◆インテル® Core™2 Duo プロセッサー http://www.intel.co.jp/jp/products/processor/core2duo/