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Last-modified: 2024-04-08 (月)


[一語一絵/IT系]

Oh! ミステーク / 2005-12-09 (金)

昨日のジェイコム株騒動の原因は「61万円で1株」の売り注文を出そうとして「1円で61万株」と打ち間違えたという何ともお粗末なミスだったそうな。たく、マンガでも「あり得ん!」と却下してしまうような背景には思わず失笑してしまった。

DHC-9
10/29 波照間空港にて

ところで、持株数を越える売り注文が出せたり、発行済み株式総数を越える売買注文が通ってしまうようなシステム欠陥でもあったのかと思ったら、どうやらそもそもがチェックは掛けても規制はしないという仕様らしい。

これは仲介による取引をする証券会社や価格幅が大きい株式市場ならではの独特な要因に因るものだろうが、それにしても常識的には信じ難い仕様だと思う。証券会社や東証のシステムを作ったエンジニア達が、万が一の時には相手側のチェックで救済されると思っていたとしたら、「甘いんじゃないの?」と言わざるを得ない。

夏に羽田空港で起こった航空管制システム障害も、原因は警報を誤解して簡単に無視した人間のミステークと言われている。今日も新千歳であったらしいが、閉鎖中の滑走路へ誘導してみたり、離陸前の識別番号のやり取りを忘れたりするのもみな思い違いによるミステークだ。

毎日同じような事をしてても(してるから?)人が間違いを起こす事は不可避であり、「オペレータは間違うもの」という前提に立ってデザインするというのがモダンなシステム設計のセオリーなのに、未だに旧態依然としているシステムが多過ぎる。

[External]MSN毎日インタラクティブの記事

東証での誤発注は過去にもあった。01年11月30日に欧州系のUBSウォーバーグ証券(現UBS証券)が、東証1部に上場した広告代理店、電通株を「1株61万円で16株」とすべきなのに「1株16円で61万株」と注文して一部売買が成立し、買い戻した。
と書かれているように、全く同じ前例を4年経っても活かせなかったというのは、余りに情けない。

システムの根幹たる基本思想に問題があると言う意味では、建築基準の15%の強度しかない構造設計でも通ってしまう建築確認審査にも通じるものがあるような無いような。

【参照】
●MSN毎日インタラクティブ http://www.mainichi-msn.co.jp/
ジェイコム株:単純ミスで大損失 東証「安全装置」なく 2005年12月9日
●みずほ証券 http://www.mizuho-sc.com/
●ジェイコム株式会社 http://www.jcm.co.jp/

●日経ITPro http://itpro.nikkeibp.co.jp/
東証ダウン、運用体制の不備が根本原因 本番機でバグ修整、ミス発見の機会失う 2005年12月7日
特集「ユーザビリティ」 >> (1) 人はなぜ失敗するのか 2005年12月5日
●Aircraft Accident in Japan http://www.eonet.ne.jp/~accident/