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Last-modified: 2024-04-08 (月)


[一語一絵/ツーリング/2005]

Phenix Express 1th - フォースの加護の下に - / 2005-05-02 (月)

寝ついて暫くした深夜1時24分頃、大きな揺れで目が覚めた。この時間に震度4の余震は堪える。その後寝付けず、目が覚めたのはなんと10時前。クルマの行楽客で混む前に先抜けしようという目論見を根底から覆す失態だ。

三愛ドライブイン
5/2 13:54 南小国町瀬の本にて

せっかくおニューのテントを下ろそうと思っていたのにこの時間ではとても日が高いうちに宮崎周辺のキャンプ場まで辿り着けない。相変わらずスッキリしない…というより、もしかして降りますか?という雰囲気の空模様と相まって一気にテンションダウン。

しかしこのまま腐ってしまっては「飛ばない豚はタダの豚」という座右の銘が泣くというものだ。旅仲間、ツーリング仲間とメールをやり取りしたり、[External]みねさんのブログを見たりして「フェニックスロードに行くぜ!」な気合を補充。

こうなればテントのデビューは後回し。暗闇でも設営できる使い慣れたロゴスのソロテントと、取り敢えず必要そうなものだけをアクアザックに詰め込み直して11時前に慌ただしくスタート。浮羽町三春ラーメン屋大望でチャンポンを放り込み、日田からファームロードへ。フル装備を止めたおかげでいつもと遜色無いペースで快走して14時前瀬の本着。連休中とはいえ暦上は平日なので混雑は普段の週末並みというのも幸いした。

猫バス!!
5/2 15:18 佐伯市ととろ地区にて

土手ロードでは陽射しが射していたものの、ここにきて再び降りますか?という雰囲気の空模様。しょんぼりしたい弱気な気分をトイレに流してリスタート。R442を流して竹田市R502にスイッチし、三重町…は合併したので豊後大野市三重町R326にスイッチ。R10のバイパスとして知られる山間の快走路は取締まりが多い事でも知られているので豪快かつ慎重に。

思いの外順調に距離を稼げたのと雲行きが微妙に良さげな雰囲気なので久々に寄道してみる事に。15時15分に宇目町…が合併した佐伯市ととろ地区に到着。週末でもよほど運が良くないと見かけない観光客がいる。しかも他県ナンバーというのがGWならではだ。

田舎が無い人でも「田舎のばあちゃん家」と言えばイメージするような由緒正しい田舎には違いないが、「ととろ」という地名でさえなければ取り立てて何て事のない集落だ。ただ昨日まで降っていた雨に濡れた木々の緑も濃くてどことなく神秘的で、ホントにトトロが棲んでそうな気がしないでもない。

ととろのバス停
5/2 15:23 佐伯市ととろ地区にて

さて5年ぶりくらいの気がするが、道幅も拡張され4〜5台は駐められる駐車場もできていた。また以前はバス停の横にあった猫バスは100mほど離れたところに設けた「トトロの森」に設置してあり、今回利用はしなかったのでうろ覚えだが公衆トイレもあったと思う。良い意味で観光スポットとしての機能は必要充分になった気がする。

さすがに「トトロ饅頭」やジブリのビデオシリーズとか売り出したりすると一気に現実的になって幻滅するので、このままの雰囲気を大切にして欲しいと願うばかりだ。

再びR326に戻り快速モードで南下。宮崎県に入ってまもなくR10にスイッチ。16時道の駅「北川はゆま」着。一息入れたあと延岡市の中心部は難無く抜けたものの、旭ヶ丘土々呂は例の如く渋滞。夕方のラッシュにはまだ早いと思うのだが、取り敢えずすり抜けでクリア。

その後も門川町日向市都農町川南町高鍋町佐土原町R10を淡々と南下。すり抜けモード全開でないとどうにもならないような渋滞ではないが、時間的に通勤時間帯なので市街地ではペースは上がらない。

特に日向市を過ぎてからは「数時間前まで降ってましたよ!!」みたいなウエット路面が多く、雨に追いつかないようコンビニ休憩を挟んだこともあり、延岡からおよそ2時間半で宮崎市内へ。佐土原バイパス北バイパスを快速で流して、おぐら瀬頭店には19時前に到着。

チキン南蛮
5/2 19:15 宮崎市おぐら瀬頭店にて

昨年6月以来になるおぐら、ちゅうわけで迷うことなくチキン南蛮950円をオーダー。チキン南蛮にして950円という価格は決してリーズナブルとは言えないと思うが、それを躊躇させない魔力が秘伝のタルタルソースに隠されている逸品だ。

だが残念ながら主役であるハズの鶏肉が薄っぺらくてパサパサしててイマイチ、いやイマサンくらい。朝霧でも過去何度か同様の感触があったが、去年の鳥インフルエンザ騒動がまだ尾を引いているのかなぁ?

まぁそれはそれとして20時前にリスタート。R220南バイパスのセルフスタンドで、一日走ってお腹を空かせたCBにも給油。しかしレギュラーにして124円/Lというのはちょっと…、福岡ではハイオクの価格だし。宮崎市内はガソリンが高いのは今に始まった事では無いが、日向市あたりで入れとけばよかったと後悔するのもいつもの事だ。

さて今夜は青島でビバークのつもりだが、公共の場所を無断借用してのビバークなので一般利用者の迷惑にならないよう20時過ぎの設営〜7時前の撤収が自らに課したポリシーだ。ちゅうわけでがらっぱ湯南バイパス店で汗を流した後、闇に包まれたR220青島バイパスを疾走。

21時過ぎ青島のとある広場に到着。濡れた芝生にブルーシートを敷いてテントを設営しようかと思っていたのだが、おあつらえ向きな東屋を発見。向かい合わせになったイスの間の微妙な隙間にもしれっと設営できるのがソロテントの真骨頂、新しい二人用テントでは到底無理な芸当だ。

いるか岬の朝日
5/3 06:10 日南市、いるか岬にて

予定通り朝早く出ていたら降られていた公算が高い事を考えると、余震後の寝不足による出遅れも含めて何かの因縁を感じつつ、いつしか広がった星空の下で22時前に就寝。

翌3日5時半起床。軽い興奮状態もあってか途中何度か起きてしまい、自宅のように熟睡とはいかなかったが、気持ちの良い朝の空気と期待充分の青空に目覚めすっきり。東屋の下だと夜露や結露に見舞われなくてすむのも撤収に有利。さっさと撤収して6時前にスタート。

バイパス工事が進むR220堀切峠を抜けると待ってましたとばかりにブラボーなオーシャンビューがお出迎え。宮崎で最も混雑する観光道路だが、さすがにこの時間はクルマもほとんどなく快適。フェニックスドライブイン改め道の駅「フェニックス」も素通りだ。

日南海岸!!
5/3 07:00 日南市R220にて

水平線近くには無粋な雲があるものの、左から朝の柔かい陽射しを浴びてゆったり流す。6時20分サボテンハーブ園着。ここはR220がトンネルで抜けるようになった事からひとり静かに海を眺めてまったり出来るお気に入りの場所なのだが、営業面ではR220に取り残されたのが致命傷となって3月末で閉園となった模様。

先のフェニックスドライブインと同じく親会社の[External]宮崎交通が産業再生機構の支援を受けているだけに致し方ないところ。かくいう自分も家族旅行で訪れた幼少の頃以来サボテンハーブ園には入園した事がないので偉そうな事を言える身分ではない。

フェニックスロード
5/3 07:54 宮崎県串間市にて

買ってきたおにぎりで腹ごしらえをした後リスタート。日南市油津からはR448にスイッチ。R220より気持ち寂しいマイナーな雰囲気だが、こちらも都井岬を経て本土最南端佐多岬へ誘うアプローチとしてフェニックスロードの一翼を担うゴキゲンロードだ。

だいぶ陽が高くなってきたのでところどころでカメラを構えながらぶらぶら。都井岬はパスして串間市の市街地へ。串間温泉にも入りたかったのだが、10時のオープンまで1時間も待ってられないのでパス。コンビニで一息入れた後、都城へ向けてリスタート。

おび天
5/3 09:55 日南市飫肥こだま屋にて

しかしR220から都城方面へ抜ける県道へのスイッチにことごとく失敗し、結局日南市に戻ってしまったので城下町飫肥へ。九州の小京都と呼ばれる城下町の風情が人気で、去年は朝の連ドラ「わかば」の舞台としても脚光を浴びた街だ。

が、個人的にはそんな事はどうでもよく、小腹が空いたところで名物おび天を所望。鶏卵大の大きさで一つ80円也。飫肥独特の味は黒砂糖入りでちょっと甘め、おやつ代わりにもいける郷土食だ。

ここまで戻って再び都城へと向かうのも癪というものだ。せっかくの好天、フェニックスロードを堪能し尽すのも悪くないので、今度は撮影にウェイトを置いて宮崎へ折り返す事に。

時間を追う毎に宮崎方向からの交通量が増えてて、なんと道の駅「フェニックス」を先頭にR220青島バイパスの入口まで断続的に続く渋滞が発生していた。どうやら道の駅となって最初の連休は知名度が上がった事も手伝って大人気らしい。道の駅になっただけでこの人気とは恐るべし。

R220南バイパス
5/3 11:22 R220南バイパスにて

逆方向は至って快調。もちろん快走というほど思う侭には走れないものの、この絶景の中で敢えて視野を狭めて走るのは愚の骨頂だ。気温は30℃近くまで上がっているものの、真夏のそれとは違って吹く風は爽やかで走っていると気持ち良い。

流れに乗って宮崎市街地をパスし、佐土原町おぐらおぐらランチ1,280円を堪能。ハンバーグもウマい。

佐土原町からはほとんど走った事のないR219熊本県湯前町へ抜けようと目論み、一ツ瀬川を渡って県道18号線にスイッチ。クルマの流れもよく快適なスピードに身を任せ、そのままいい気になって地図を確認せず走ってたらR219ではなく日向灘沿岸北部広域農道に入って木城町に抜けてしまうミスコース。

しばし熟慮の末、西都市まで戻るのも勿体ないので県道19〜22号線南郷村を目指す事に。久々のタイトな山道はワクワクドキドキ。小丸川の川面を渡ってくる風は冷ややかで心地好い。しかし油断は禁物。山間部でのミスコースはモティベーションを無惨に削いで余計な疲労だけを残すので、枝道分岐ではいちいち地図を広げてルート確認を忘れずに。

ここで南郷村から山越えするにはガソリンの残りが心細い事に気付いた。100km以上は走れる計算なのですぐにピンチというほどではないが、何しろ観光地でもない山里故にただでさえ少ないスタンドも連休の真っ只中では閉まっていても不思議ではない。万全を期して南郷村ではなく東郷町に出ておけば、最悪日向市へ逃げる事ができる。

諸塚スカイライン
5/3 15:12 諸塚村
倉の平展望台にて

無事R446に抜けた後、快走2車線をクルーズして東郷町の中心部へ。14時10分に見事道の駅「とうごう」側にある農協のスタンドに飛び込んで給油。言っちゃ悪いが田舎だけに120/L円という価格はやむを得ないところ。ここより高い宮崎市内の方がどうかしているだけだ。

さて昨年秋の台風被害による交通規制が気になり、スタンドのお兄ちゃんに「高森方向はどう行けばいい?」と訊ねたところ「高森ってどこですか?」という答え。おぃおぃ。県外だし高校生のアルバイトならしょうがないか。もちっと歳いった人にも訊いてみたものの、R327椎葉村松尾で通行止めが続いているというくらいで、あまり役に立たない。ん〜、使えないじゃん。

14時半にリスタート。取り敢えずR503五ヶ瀬町へは抜けられるという事はわかったのでR327諸塚村へ。タダでさえマイナーロードがこの先通行止めになるという事でクルマは皆無。誰にも邪魔されることなく、耳川に沿いを気分良く快走。

諸塚村からは諸塚山スカイライン六峰街道へ繋ぎたかったのだが、大規模林道宇目須木線の案内板があったのでそちらへ進むと程なく諸塚山スカイラインの案内板がお目見え。結果的には狙っていたルートの遠回りだったが、快適なワインディングを楽しめたので◎だ。

六峰街道も含めて本線は拡幅(2車線化)を進めている最中で、それはそれで走り易くなってよいのだが、タイトでテクニカルなワインディングが楽しめなくなると思うとちょっと残念。それよりところどころに舗装直前のダートが現れてビックリさせられるので要注意だ。また本線こそ台風の影響は見受けられなかったものの、分岐する枝道はことごとく通行止めになっていた事を付け加えておく。

やまなみハイウェイ夕景
5/3 18:46 やまなみハイウェイにて

五ヶ瀬町に抜けた後は、R218R265を快走して17時熊本県高森町へ。「ここまで来たら一気に福岡まで帰るか?」と思ったものの、慌てて帰る事もなかろうと産山村山水亭へ足を延ばす。さすがの山水亭18時前という時間だけあってゆったり。定番のあんかけチャーハン840円をチョイスしたものの、御飯・あん共にいつものふっくら感がなく疲労感が滲み出ている雰囲気だ。この時間でも座敷は結構埋っているし、カウンターには汚れた皿が堆く積まれたままだった事からもかなりの繁盛ぶりだった事が伺えるので、やむを得ないところだろう。

食後は夕闇迫るやまなみハイウェイを下って阿蘇市一ノ宮町へ。R57に抜けて坊中夢の湯でひと汗流そうと思ったものの道路・駐車場ともに大混雑していたので撤収。とっぷり陽が暮れた一の宮町温泉センターへ着いて入湯料200円を払おうとヒップバッグを開いて真っ青。財布がない....。

山水亭の後で落した可能性があるのは夕景の写真を撮った一ヶ所だけなので、やまなみハイウェイへ。もちろん付近には街灯などあろうはずもなく漆黒の暗闇が拡がるばかり。ここで懐中電灯の類を忘れた失態が重くのしかかるのだが、コンビニで買おうにも財布が無い事に買えないのだから今さらとやかく言ったところでしょうがない。ここか?と思われるところにヘッドライトを照射して捜す事に。

しかし狭い場所なのになかなかどうして見つからない。半ば泣きそうになりながらも、近くで車中泊しようとしていた男性が手伝ってくれている手前諦めずに探索続行。ちょっと離れたところに立ってその時の行動を思い出しつつトレースしたところ、ついに見慣れた財布を発見して無事回収。全身を安堵の脱力感が襲った。

大阪から来ていた男性に心からのお礼を述べてその場を離れ、一の宮町温泉センターでいろいろあった1日の疲れを癒した。この夜は阿蘇市一ノ宮町でビバーク。

阿蘇登山道路
5/4 07:51 阿蘇登山道路坊中線にて

翌4日はちょっと遅めの6時半起床。さすがに標高500mの阿蘇谷だけに昨日の青島よりはずいぶん肌寒い。薄曇りで結露を乾かすのに時間が掛ったものの7時頃にスタート。

何はともあれ朝イチで阿蘇神社にお参りして、阿蘇の神々の御加護に感謝。そういえば阿蘇神社に参拝したのは何年ぶりだろう…?非礼も合せてお詫びしなければ。f(^^;;

もはやここまで来れば昼メシまでどうやって暇を潰すかというのが課題。せっかく被写体にもってこいのツアラーが多いのでゆっくり写真撮影に興じるのも悪くないだろうと、ローソンからつバーガーを買い込んで阿蘇登山道路坊中線へ。

空は3割ほどの雲が占めているだけなのだが、どうしても自分の撮りたい方向を邪魔する。まぁ待つのも撮影テクニックのうちだ、という言葉もある。散歩したりぼんやりするのもまた良し。

9時過ぎまで阿蘇登山道路でぷらぷらした後、赤水から二重の峠に登ってミルクロードを周ろうと思っていたのだが、ミルクロードが混んでるとイヤなので、来た道を戻って宮地からやまなみハイウェイへ。

やまなみハイウェイ混雑
5/4 10:35 やまなみハイウェイにて

さすがにクルマ・バイク共に多いものの週末の倍程度の混雑。数台追い越したところで事態は何も変らないので、諦めて流れに身を任せるしかない。ところどころでカメラを向けながら瀬の本へ。早くもR442久住方面への右折待ちが滞っている事態に久住行きを諦めて牧ノ戸越え。

牧ノ戸峠も峠前後の路上駐車が物語るように大混雑。それでもストップ&ゴーを強いられる程では無かったので、一気に長者原へ下っての交差点を左折。

ちょっと早いが11時前朝霧へ。本来ならば定休日の水曜日だが、さすがに舁き入れ時の連休だけに開いているという見込みは正解だった。久々のそばと唐揚定食800円はいつもと変らずジューシーでウマかった、まる。

四季彩ロードをバヒューンと下ったあとはR210を西へ。筏場の湯300円で温まった…ていうか、熱くてゆっくり入れず露天風呂の日陰で寝ていたと言った方が適当かもしれないが、何はともあれリフレッシュしたところでいよいよ帰投。

13時にリスタートしたあとは言わずと知れた定番ルート。逆方向の渋滞を尻目に快走して15時過ぎに無事帰着。ちょっと早過ぎるかと思ったが、数字ほど暑くはなかったしCBの洗車もゆっくりできたので、いい頃合い。いろんな人に助けられて生きている事を再確認した1032kmブラボーツーリングだった。

【参照】
●宮崎県観光情報サイト「旬ナビ」 http://www.kanko-miyazaki.jp/
ひむか神話街道 > 道路交通情報
●宮崎市観光協会 http://www.miyazaki-city.tourism.or.jp/
●PHOTO MIYAZAKI 宮崎観光写真 http://miyazaki.daa.jp/
●宮崎交通 http://www.miyakoh.co.jp/
┗サボテンハーブ園閉園のお知らせ http://www.miyakoh.co.jp/saboten/