YANO's digital garage

Copyright ©YANO All rights reserved. https://www.bravotouring.com/~yano/

Last-modified: 2024-04-10 (水)


[一語一絵]

事件は銀行窓口で起ってるんじゃないから? / 2005-01-19 (水)

今朝からニュースのトップを飾っているキャッシュカード偽造事件。本質はスキミングなどの手法ではない。[External]MSN-Mainichi INTERACTIVEの記事、[External]『被害者、対策遅れに怒り』にも

同日午後、銀行の支店長と担当者が医院を訪れた。補償を求めると、同情的だった支店長らの態度は硬化。「銀行にミスがない場合は自己責任です」と告げた。「カードは手元にあるのに、私に何の非があるんだ」と反論したが、支店長は「おれおれ詐欺のようなもの。私ならあきらめます」と言った。
とか
これまでキャッシュカードのスキミング事件の捜査が進まなかった一因は、刑事手続き上、偽造カードを作られた銀行や、金を引き出されたATMを管理する銀行が「被害者」として届け出ないと捜査が難しい点だ。預金を引き出されても懐が痛まない銀行側の被害者意識は薄く、クレジットカード被害の補償が進んだ信販業界に比べ対策は遅れた。
と書かれているように、預金者を軽視している銀行の意識の問題だ。

もちろん銀行も「対岸の火事」とただ指を咥えて傍観しているわけではないものの

東京三菱銀行は昨年10月、偽造が困難とされるIC(集積回路)キャッシュカードを導入。手のひらの静脈で本人確認ができる機能を付加した。また同行と三井住友、UFJの3行は、ATMでの引き出し限度額を引き下げたり、自由に設定できるシステムに変更した。みずほ銀行も3月から、ICカードを導入し同様の制度を採用する。
引き出し限度額を下げるのは多少なりとも効果があるだろうが、取って付けたように静脈認証を導入したところで提携先のATMではどうなんの?如何にもセキュリティに金かけてますよ、みたいなポーズだけ?って感じ。もちろん何もしないよりはマシなんだけどさ。

貴重品金庫に限らず社会のいたる所でPIN(Personal Identification Number)として存在する暗証番号ってば、決って数字4桁。多くはキャッシュカードのそれに後から倣ったものと言えるが、これだけ数字4桁の暗証番号が氾濫するようになった現在、キャッシュカードも携帯電話の電話帳ロックと同レベルのセキュリティで良いのだろうか?

複数の番号を使い分けると言っても各個人に動機付けするのはなかなか難しいので、例えばキャッシュカードは一斉に5桁に移行するという多少強引なくらいの施策があっても良いのでは無いだろうか。つか、個人的には5桁にして保安強化したいと思ってもそれすら許されない銀行のシステムはもはや時代遅れだと思う。その上[External]デビットカードという仕組みを導入し、暗証番号を漏れ易くしているのも他ならぬ銀行だ。すべてを銀行のせいだと言うつもりは毛頭ないが、潜在するリスクに対して金融システムとしての社会的責任を忘れないで欲しい。


[一語一絵]

NHK問題 / 2005-01-19 (水)

は案の定「言った言わない」を争う泥仕合の様相。政治家の圧力なんて些細な事ばかりに注目し、放送内容の改変が純粋なジャーナリズム精神に則って行われたモノか否かという最も大切な部分がウヤムヤになってしまう事が懸念される。それこそ腐った上層部の思うツボなのに、まだまだ日本のジャーナリズムは幼稚なのかな。

【参照】
●MSN-Mainichi INTERACTIVE http://www.mainichi-msn.co.jp/
NHK問題:政治介入ない、朝日報道否定 当時放送総局長 2005年1月19日
スキミング:窃盗団逮捕へ、ゴルフ場で情報入手 警視庁 2005年1月19日
スキミング:「銀行、損失補償せよ」 被害者、対策遅れに怒り 2005年1月19日