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Last-modified: 2024-04-08 (月)


[一語一絵/ツーリング/2004]

阿蘇Express 16th - be free - / 2004-06-15 (火)

今朝も6時過ぎに目覚める。入院生活で身体が早起きモードになったのは旅人としても良い傾向だ。天気予報も3〜4日は大丈夫そうと伝えるので「たまには満天の星空なんぞ眺めるのもまた風流」と泊りがけ出動。

ホントは昨日も帰るのを止めて阿蘇のライダーハウスに泊まろうかと思ったのだが、薬を昼の1回分しか持ってきてなかったので帰らざるを得なかったわけだ。着替えなんかは現地でも買えるが、処方された薬だけはそうはいかないのがつらいところだ。

テントと寝袋を入れっぱなしのアクアザックに、着替えと血圧計を放り込んだら準備OK。が、シートに固定するショックコードを探すのに手間取り、結局いつもと同じ9時過ぎにスタート。

尾平越トンネル入口
14:25 尾平越トンネル、緒方町側

最速ルートからファームロードへ入り、今日もゴキゲン。リアで光る銀マットがピースサインの応答率を高め、ツーリング気分を更に盛り上げる。正午過ぎ山水亭着。

食事を待ちながら「夜までどうしようか?」と思ったのだが、薄曇りでスッキリした青空にはほど遠くお目当ての星空は微妙に厳しそう。という事からメインイベントを明朝の日南フェニックスロードに変更。

定番中の定番「あんかけチャーハン」をペロリと平らげた後、13時前にリスタート。緑の波に揺れるうぶやま牧場の脇を抜けてR57を豪快に東へクルーズ。竹田市街地原尻の滝のショートカットも兼ねて竹田湧水群へ。

13時半泉水湧水で喉を潤したあとは県道7号線へ。1.5車線のタイトな探訪路で棚田とちょっとレトロな家並みが寄せ合った静かな山里をのんびり縫って高千穂町を目指す。緒方町が走らせている小さなコミュニティバスが可愛い。

尾平の集落を抜けて厳しい上りをクリアすると標高1100m、ツーリングマップルで「向こうは見えない、頼りはバイクの明かりのみ」と書かれた尾平越トンネルだ。確かに照明は無く内部は真っ暗だが出口の明かりはしっかり見える。2車線あって路面や壁面のコンディションも良好で心細い感じはない。

しかし、この祖母傾山系は九州では既に絶滅したと言われているツキノワグマの目撃情報が今もなお報告される豊かな自然が残る地域で、確かに出そうな雰囲気はある。雨の日や夜間には通りたくないところだ。【参照:[External]クマ探し日記

入口で一息入れた後14時半に通過。更にタイトになった高千穂側を辛抱の走りで下りきり天岩戸を通過、15時過ぎR218にスイッチ。いつものように川水流から門川へバイパスしてR10に合流したのは16時頃。クルマは多いものの延岡さえバイパスすれば佐土原までの流れは悪くない。

おぐらランチ
18:20 おぐらランチ

眠気防止のガムを噛みながら日向都農川南高鍋佐土原と静々と南下。宮崎市街地の混雑もバイクの機動性にかかっては敵ではない。門川から2時間、18時過ぎおぐら瀬頭店に到着。

「今夜はチキン南蛮かなぁ…」と思ってたのだが、どこからとも無く「またか…」という声が聞こえてきたので、今夜はチキン南蛮半分にエビフライ1本、ミニハンバーグがセットになったおぐらランチ1280円を所望。お馴染みタルタルソースの絶妙な甘酸っぱさは言うまでもないが、ハンバーグのデミグラスソースがこれまたコクがあってウマ〜い。うん、おぐらの秘密はソースにありと断言できよう。(←あたりまえ)

がらっぱの湯南バイパス店(500円)で汗を流した後、青島村古墳を摸した青島歴史文化広場でビバーク。夜空には星がチラホラ…あれまっ。

翌16日朝は5時半のお目覚め。気温18.7℃はTシャツ短パンではちょっと肌寒い感じだが、薄雲の向こうからではあるものの柔らかい朝日にモティベーションは上昇傾向。フライシートに付いた夜露をあらかた乾かして6時に始動。

R220フェニックスロード
6:45 宮崎市堀切R220

1kmほど行ったセブンイレブンで腹ごしらえを済ませた後、R220通称日南フェニックスロードへ。5月以降3回目のトライにしてようやく恵まれた青空の元、どこまでも青く広がる太平洋の水平線を左に観ながら快走。潮風になびくフェニックスの街路樹がまたトロピカルな雰囲気をゴキゲンに盛り上げる。

鵜戸まで南下したところでUターン。いつもなら「同じ道を通るなんて言語道断」なのだが、今日ばかりは「何往復でも走れるだけ走っとけ」な感じ。中央分離帯を背の高いパームヤシが堂々と飾るR220宮崎南バイパスもフロリダのハイウェイを髣髴とさせる雰囲気で、ここもまた泣かせる道だ。

朝から筆舌に尽くしがたい感動ロードを楽しんでしまったので後はもう消化試合のようなものだが、取り敢えずあまり通ってないところへとR219へ。

9時西都市でこの先のルートを検討。お昼ごろには日之影町へ抜けたいのだが、R10では芸がないし椎葉村経由は時間的に厳しいと考えて、県道39号線南郷村、それから西郷村北郷村と繋いで中小屋を越えて日之影町に抜けるハードな山岳ルートを選択。

ひむかの山並み
9:49 ふるさと林道渡川・尾八重線にて

R219を西米良村に向けて暫く快走したあと、「ひむか神話街道→南郷村、百済の里」の案内板に従って右折。

「そうそう、ひむか神話街道ね。行っとかないとと思ってたんだよね」とばかりに意気揚々。「南郷村30km」の標識を頼りにタイトな1〜1.5車線路をこつこつとただひたすら登る。

概ね舗装は新しいものの、切り通しからの落石などが多く路肩はダーティ。しかもブラインドコーナーが多いためにスピードは落さざるを得ず、行けども行けども道標の残距離はなかなか減らない。所々で広がる展望がせめてもの慰めだが奈落はすぐそこ。脇見は自殺行為だ。

山道を30分以上走ってさすがに中間点は過ぎたよなぁ…といったところでようやく休憩所(と言ってもトイレすら無いが)に出てひと休み。この道路はワゴンとかでもかなり大変だなぁ。

空野トンネル(476m)を抜けて10分ほど下ったところで赤い鉄橋を渡り県道39号線に合流。…えっ、向こうが39号線ですかっ!てっきり県道39号線を走っていたとばかり思っていたのだが、実は2003年5月29日に開通したばかりのふるさと林道渡川・尾八重線だったというオチだ。

ちなみにこのふるさと林道渡川・尾八重線は総延長300kmの広域観光ルート「ひむか神話街道」として売り出し中だが、西都市〜椎葉村の間は大型バスはおろか普通車の離合も難儀するような狭路が続くハードなものだ。

渡川大橋
10:06 南郷村渡川渡川大橋にて

椎葉村へと向かう「ひむか神話街道」には「今度は高千穂の方からじっくり走ってやるからな」と別れを告げ、交通量僅少のR388を淡々と西郷村北郷村へ。

宇納間の交差点を直進し県道210号線にスイッチ。あとは30分程走れば楽勝で日之影町だ。と思いきや、中小屋日之影方面崖崩れにより全面通行止の看板に足留めを喰らう。(>_<)

全面通行止と言えどもバイクなら抜けられるかも…とも思ったがホントに抜き差しならない状態だとここまで戻るのも大変なので、速やかに六峰街道から日諸峠を経て県道209号線で下る代替ルートを洗い出して11時20分リスタート。

中小屋六峰街道は2車線化の改良を行っていて工事中ダートのオンパレードには(>_<)顔で通過。それっぽい「日之影→」の案内板に従って下山開始するものの、旧国見峠並の酷道にまた(>_<)。行くも地獄戻るも地獄なら行くしかない、と覚悟を決め集落まで20分の死闘を繰り広げ、県道210号線に合流…

あちゃ〜また間違えて、1本手前の内の口林道を下ってしまいました。

唐揚げ定食
12:25 青雲茶屋にて

まぁミスコースも目的地に出たのだから結果オーライ。予定通り正午過ぎにR218青雲橋そばの青雲茶屋へ。

唐揚げ定食700円は唐揚げよりもとり天に近い揚げ具合。肉も柔らかくてこれもなかなかウマい。道の駅のシケたメシよりは断然オススメだ。

13時前にリスタート。R218を西へ。高森峠を越えようかとも思ったのだが、せっかくなので阿蘇外輪山の南側、吉無田高原からアプローチ。空には雲が薄く広がっているものの独り占めの快適ロードを気ままに流す。

リアシートのテントとシュラフが走りの妨げになってない事を確認したらグリーンロード南阿蘇へ進入し、いつもの如く豪快なアップダウンを堪能。15時に下りきる手前の休憩所で一息入れた後は広域農道R265大戸の口の手前までショートカット。大戸の口のトリッキーなセクションもリズミカルに乗り熟して箱石峠まで一気に。ここをシフトミス無しで走り切ったのは初めてかもしれない。(^^)

宮地からやまなみハイウェイミルクロードを流して鞍岳林道へ。遠く熊本市街を垣間見ながらタイトな淋しい狭路を下って四季の里旭志を左にターン。大規模林道菊池人吉線を南へ。数年前に来た時は工事中で走れなかったのだが、熊本市方面の展望がゴキゲンの快適2車線だ。

さて今夜のビバークをどこにしようかなぁと考えていたのだが、今の雲行きからすると今夜も星空は期待薄。ミルクロードに抜けて大観峰へ戻るつもりだったが、山鹿のヌルッとしたお湯に浸かりたくなったのもあって、眺山庭山鹿大砲ラーメン久留米経由の定番ルートで帰投。

今日もよく走った走った、909km行き当たりばったりツーリングだった。

【参照】
●WEBパームス http://www.palm-s.co.jp/
宮崎の原風景
●宮崎だあ http://miyazaki.daa.jp/
ひむか神話街道に思う。
●宮崎県 http://www.pref.miyazaki.jp/
ひむか神話街道
●みやざき旬ナビ http://www.kanko-miyazaki.jp/
ひむか神話街道
尾八重 (西都市)
●MUZINA Pressの自然派宣言! http://homepage3.nifty.com/muzina-press/
クマ探し日記