おあつらえ向きのツーリング日和はすっかり遊び人モード全開で6時半スタート。目覚ましよりも早くに目覚めるなんざぁ勤め人モードでは考えられない行動だ。
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やまなみハイウェイ、瀬の本にて |
「早起きは三文の得」とばかりラッシュ前のR3を快速で南下して、いつもの最速ルートをチョイスするもののこちらは一足早い通勤時間。期待したほど時間が稼げず、日田までいつもと同じ1時間半強を費やす。
山水亭をターゲットにするには早すぎるが、今日は宮崎を目指して長丁場。そのままファームロードを流して9時に瀬の本に通過。
日中は真夏の暑さが予想される今日も、避暑地であるこの辺りこの時間帯の風はまだ肌寒さを感じるほどで、長袖のインナーが必要だったかな?。判ってはいるもののウェアの選択が難しいところだ。ちなみにタンデムシートの荷物は着替え・洗面用具と工具の他にテントと寝袋・銀マットのみ。そもそも最近はメシを喰いに行っているようなものなのでストーブの存在感は薄く、淹れたてのコーヒーでキャンプの雰囲気を味わうよりもライディングの軽快感を失いたくないのだ。
やまなみハイウェイからミルクロードでうぶやま牧場の脇を抜け、県道40号線から41号線へ入る。萩岳へのアプローチでもあるのだが期待したような展望とは全く無縁、1.5車線のタイトな田舎道を探索気分で淡々と。途中2度も砂でスリップしてヒヤリ(^^;;、まだ勘が効かないみたいなので慎重に。
8号線にスイッチすると宮崎県の高千穂町へ。田原〜上野の改良が完了したR325を駆け抜け、そのままR218にスイッチして日之影町。青雲橋を渡ったところにある青雲茶屋に11時すぎ到着。
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日之影町、青雲茶屋にて |
外見は街道沿いによくある鄙びたドライブインだが、しかしてここは地鶏すげ−という噂があり、腹ぺこライダーとして一目置いている某氏とだいぶ前から要調査となっていたチェックポイントである。
窓際のテーブル席に陣取っておもむろに店内を見渡すと、壁にさりげなく貼ってある「地鶏定食 食べ放題」に目が止まった。これだな、というわけで1,500円のプライスにも躊躇無くオーダー。大丈夫、朝メシ抜いてきたし、相手にとって不足無し。
サイコロ大のぶつ切り肉を炭火でチマチマ焼くような洒落たヤツではなく、カセットコンロに鉄板を乗っけた豪快な焼肉スタイル。おぅ、カモーン、とバトルすること40分。お肉お代わり半分でギブアップ。鶏肉はチルド状態だが、容易に噛み切る事を許さぬしっかりした歯応えはまさに日向地鶏の血を引くもの(と思われ)、脂もウマかった。野菜もたっぷりあって満足度高し。
ただやっぱり一人で喰い放題はちょっと味気なさが残るのは如何ともしがたいところだ。あとチラッと見えた「唐揚げ定食」700円もかなりの挑戦的なボリュームだったので「次回の宿題」という事で。
青雲茶屋 地鶏定食1,500円
営業時間 11時〜 定休日不明
宮崎県日之影町大字七折3383-23 TEL:0982-87-2780
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県道20号線、川水流にて |
正午にリスタート。R218を豪快に駆け下って川水流から県道20号線を南へ。何度か走った事のある抜け道だが改良が為されて全く違った道になってしまったようだ。
五十鈴川に沿ってR388を東へ向かい、門川町でR10にスイッチして日向市へ。R327でちょっと山側へ入って日向灘沿岸北部広域農道(尾鈴サンロード)に接続。信号も無く交通量も極少と極楽なワインディングだが、久々のロングランで勘が鈍っているので慎重に法定速度+αをキープ。
県道40号線にスイッチして15時に綾町へ入り、日向夏アイスで「ウマー」と小休止。そして県道26号線をグイグイ登って、歩行吊橋としては世界最高と言われる高さ142mを誇る綾町随一の観光ポイント照葉大吊橋へ。奈良県十津川村の谷瀬の吊橋の高さ54mを踏まえると高過ぎて恐くないものと思っていたが、そこはそれでやっぱり恐かった。(^^;;
往復500mほど遊歩道を歩いて革パンをムレムレにしたのは失敗だったが、東洋一と言われる照葉樹林をそよぐ風と木漏れ日はあくまでも心地よく疲れを癒してくれた。
綾町市街地からR10に抜けて道の駅「高岡」へ。特にビバークの障害になりそうな要因は見当たらなかったので、今宵の寝床はここに仮決定して早々に宮崎市内へ向かう。言わずと知れた晩餐だ。
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宮崎市、おぐら瀬頭店にて |
18時におぐら瀬頭店に到着。チキン南蛮と迷った挙句、昼の地鶏定食を踏まえてちゃんぽんをチョイス。
で、配膳された品を見てビックリ。3日に延岡出北店でも食べたばかりのおぐらのちゃんぽんだが、似て非なると言って過言ではない料理に図らずも宮崎おぐらと延岡おぐらの相違を再確認する事になった。
スープが黒っぽくてシナチクなんぞも入ってる。赤く浮いているのは唐辛子か?コショウもたっぷりスパイシーでなかなかイケる。麺は同じみたいだし、少なくともリンガーハットのちゃんぽんよりは上だ。が、最後の方はちょっと飽きてしまったので、個人的にはオーソドックスな延岡の方に軍配を上げたい。
明日に備えて給油した後、19時に高岡温泉「やすらぎの郷」へ。内湯はほのかに、露天はそれなりにカルキ臭がする循環湯だが、ヌルヌルしてて肌触りの良いアルカリ湯。何より今日は結構暑かったので寝る前に汗を流せただけでも幸せなのだ。温泉プール付きなので通常600円と割高だが、18時以降は400円と良心的。ちなみに脱衣場外の貴重品ロッカーは無料だが、脱衣場内のコインロッカーは100円だと受付のおばちゃんが教えてくれた。サンクス。
20時を過ぎて人気の無くなった道の駅「高岡」へ戻り久々のテント設営。する事がないので21時過ぎには寝てしまうが、クルマの出入りで3回ほど目を覚ましてしまった....。
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宮崎市、南バイパスにて |
翌12日はテントの外が白み始めた5時過ぎに起床。外に出てみると濃い霧に包まれていたが、「まぁ幻想的」などとかましている余裕は無い。テントが湿気を帯びる前に撤収だ。
暫く待ってみたものの霧は晴れるどころか霧雨の様相を呈してきたので、6時に文字通り見切り発車。R220宮崎南バイパス通称フェニックスロードに進入。取り敢えずコンビニで7時まで時間潰しするものの、一向に状況が好転する気配は無くそのまま青島まで行って待つ事に。
青島で霧雨は収まったので霧が晴れるのも時間の問題かと待ったところ、霧が曇りにかわっただけで青い海は姿を観せずがっかり。青島で8時まで、堀切峠で9時まで待ったものの、あと数時間でスッキリとした青空を期待するのは無駄だと判断して晴れ待ちを中止。明日には天気が崩れてしまうという予報を聞いたからには今日中に福岡まで戻っておく必要があるのだ。
明日まで使えるのならば昼過ぎまでここで晴れ待ちにしても良かったのだが、このまま回復するかどうかも定かではないし。オーシャンビューの堪能はまたの機会、ということで海を恨めしく観ながら淡々とR220を流し、日南市からR222へスイッチ。
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R220、堀切峠にて |
飫肥でも特に足を駐めるでもなく快速ペースで流すが、陽射しの無い山間部で袖口から差し込む風はまだ肌寒さを感じるほど。都城から県道31号線通称霧島バードラインにスイッチ。淡々とクルマの後をついて行ったらいつしか霧島に。
いつ行っても食事に困るのが霧島周辺。高千穂牧場の近くに
夢見が丘という施設が出来ていたのでちょいと寄ってみた。チキン南蛮か薩摩黒豚を所望したいところだが、何やらオムライスがウリらしい。「ほっほ〜、山水亭と比べて欲しいようだな」と思ったものの、その前にジャンボシュークリーム157円を試食。「おぅ、確かにシューがデカいだけだね」という観光地にありがちなオチにオムライスの出来を見切ってリスタート。隣の霧島たまご牧場というとこでもオムライスがウリという事だが、さて…
もうひとっ走りして道の駅「霧島」のレストラン「神の蔵」も覗いてみるが、黒豚トンカツ定食が1,400円。サンプルの見た目からして小さいってのがひっかかり見送り。12時に牧園町の丸尾まで出てしまったので湯けむり広場パライソにある食事処「霧島 寿庵」へ。
浜勝の爪の垢でも飲ませてやりたいトンカツ定食に900円を払った。そういえば以前も他に喰う処無くてここでトンカツ定食喰った気がする。あぅ(;_;)
そういえば湯けむり広場パライソに足湯(100円)ができていた。もちろん管理人が見張っている事も無く料金箱が置いてあるだけだが、置いてあるタオルの使用料というわけじゃないよね?
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熊本県泉村、R445にて |
取り敢えず空腹も収まったので気を取り直してリスタート。霧島スカイラインを豪快にえびの高原へ抜け、県道30号線をリズミカルに加久藤までFun Ride。
そのままR221に繋いで加久藤トンネルへ向かっての豪快なヒルクライムを堪能。しかし登坂車線が終わるところでトラックとダンプに押さえられる不運。ツイてないにも程がある。辛抱の走りで人吉まで下って14時に小休止。
水上村〜椎葉村〜五ヶ瀬町〜蘇陽町と九州のど真ん中を抜けて阿蘇へ出ようかとも思ったが、さすがに時間的・体力的に厳しくなってきたのと、何より今回は野生の勘が冴えてないので大人しく?五木村から砥用町へ抜けるR445をチョイス。R445は川辺川ダムの周辺道路として整備が進み、すでに村役場を含む中心部も新しい代替地への展開が済み以前の鄙びた集落の面影は微塵も感じる事ができなかった。街に住む者の身勝手なノスタルジーだというのは百も承知だが、取り戻す事ができないものがまた一つ無くなってしまったような気がする。
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航跡図 |
泉村では五家荘の集落を中心にまだまだ狭路が残っているものの、全体的に改良はどんどん増えてておよそ70kmの行程を2時間弱で走破。R443,R325と繋いで17時に大津まで来たら、残るは勝手知ったる阿蘇往還。帰ったも同然だ。
帰宅ラッシュを外す目論見も含めて山鹿の眺山庭で温泉休憩した後19時にリスタート。R3を淡々と北上するものの、ここでも位置取りをミスってすり抜けできず、トラックの後塵を浴びつづけるハメに。まったく今日は勘が悪いったらありゃしない。
いつもなら最後は大砲ラーメンで〆となるのだが、セオリー通りでダメだとダメージが大きすぎるので、アグレッシブにHANAMARU厨房を目指す。久留米大橋の渋滞も一気のゴボウ抜きでサクッと抜け、21時前に無事福岡へ。
無事ジャンボなカツカレーにありついて霧島の敵を取ったし、堅粕からポツポツ落ち始めた雨粒が本降りになる前に帰宅もできた。特に実りがあったわけでもなかったが、特にネガティブな事も無い満足ツーリングであった。2日間で888kmという走行距離も末広がりで、何となく好転の兆し。