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Last-modified: 2024-03-20 (水)


[一語一絵]

税負担を取り巻く矛盾 / 2004-04-02 (金)

福北ゆたか線
3/31 福岡市東区筥松にて

消費税の総額表示方式について、「税負担が国民に見えにくくなる」という懸念が叫ばれている。

その背景には「多くの国民がガソリンにガソリン税が課税されている事すら知らない」、という現状がある。タバコ税も値上げの時にはよく「1本あたり1円の値上げ」等と報道されるものの、総額60%に達するガソリン税と並ぶ高負担率だという事には自分自身も気付かなかった。

という現実を踏まえると、まさに正鵠を射た指摘であり「当らずとも遠からず」と思われる。

さらに酒税と並んで、税金の上に消費税まで課税される「二重課税」という理不尽な共通点がある。[External]国税庁の公式Webサイト[External]タックスアンサーでは「[External]No.6313 たばこ税、酒税などの個別消費税の取扱い」として

これは、酒税やたばこ税などの個別消費税が、メーカーなどが納税義務者となって負担する税金であり、その販売価額の原価を構成しているので、課税標準に含まれるとされているものです。
と見解を記しているのだが、納税義務者はメーカーという理屈にはどうも納得がいかない。利益に課税される法人税などと異なり商品そのものに課税・転嫁されているのだから、税を負担しているのは消費者であると考えるのが自然では無かろうか? 沖縄では沖縄復帰特措法によってガソリン税や酒税の税負担が軽くなっている事を考えても、メーカーが納税義務者という説明には矛盾を感じる。

またガソリン税は「一般道路の整備費を賄う」という大義に基づいて受益者に負担を求める理念からすると、高速道路での燃料消費分からは除外してしかるべきだという意見も理にかなったものであり、高速道路内のサービスエリアでのガソリンは税金分安くなっていてもいいのではないか。

別に「ガソリン税が高くて払えない」というワケではないが、取る側の都合だけで強引に取られている現状には素直に納得できない。

以上のような諸事情を考えると、今回の総額表示方式はいろんな税体系の矛盾を隠す為のごまかしではなかろうかという気がしてならない。何よりこのまま消費税の税率が上がっていったら税負担ばかり悪戯に増す事になると、「税抜価格表示では最終的にいくら支払えばいいのか分かりにくいでしょう」等と国民を見下している役人の思うツボにハマるのは非常に口惜しい。業界側もしっかりしてほしいが、無知な国民も認識を新たにする必要がある。

【参照】
●日本商工会議所 消費税ガイド http://www.taxinfo.jp/
●財務省 http://www.mof.go.jp/
平成16年4月から「総額表示方式」がスタートします
●タックスアンサー http://www.taxanser.nta.go.jp/
No.6313 たばこ税、酒税などの個別消費税の取扱い [平成15年4月1日現在法令等]
●国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
平成16年度道路関係予算概要 参考資料1 道路特定財源制度について
●日本自動車工業会 http://www.jama.or.jp/
┗JAMAレポート No.78 クルマの税金
●JAF 日本自動車連盟 http://www.jaf.or.jp/
税制改正に関する要望活動
●日本たばこ http://www.jti.co.jp/
たばこ税の「事実」を知って下さい