今年8月に起こった北米大停電に関してITmediaに掲載された「Blasterはあの停電を引き起こしたのか?」という記事を興味深く読んだ。
9/27 やまなみハイウェイにて |
調査委員会が11月に発行した中間報告では、停電の原因は「危機管理システムが正常に機能せず、そうしたシステムの故障にも気付かなかったため」として、Blasterに原因があるとは考えられないと結論づけている。
確かに電力系の制御システムがインターネットに接続しているとは思えないし、またBlasterによって直接的に影響を受けたからと言って運転が止まるような脆弱な構成だとも思えない。時々ある送電障害がたまたまBlaster騒動の最中に発生しただけ、という可能性は少なくないと思う。
ただいつもと違ってBlaster騒動で警報を伝達する事ができなかった為に、あれほど広範囲な停電になったのではないだろうか? 例えばボヤ程度の火災と言えども通報が滞れば、消防が出動できず大火になってしまう危険がある事と同じだ。
そういう意味で現代社会では複数のアクシデントが重なった時、巨大なクライシスとなって牙を向く。高度情報化社会というのは案外もろい。
【参照】
●ITmedia http://www.itmedia.co.jp/
┣8月の北米大停電、原因はコンピュータの故障 2003年11月20日
┣北米大停電が突きつけたインターネットのもろさ 2003年11月26日
┣Opinion:Blasterはあの停電を引き起こしたのか? 2003年12月11日
┣住基ネットのセキュリティは「平均以下」 〜長野県の報告 2003年12月16日
┗住基ネット――食い違う意見の中で見えてきた2つの隔たり 2003年12月17日
●U.S.-Canada Power System Outage Task Force https://reports.energy.gov/