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Last-modified: 2024-03-20 (水)


[一語一絵]

与那国島にて / 2002-05-17 (金)

昨日と同じようなどんよりしたお天気。取り敢えず庭先に出て寝起きのコーヒーを飲んでいるとポツポツと雨音が!? ここ数日そうだったようにすぐに止むだろう…とタカをくくっていたら次第に雨脚が強くなるだけでなく、風と雷まで伴って嵐の様相に悪化していった。

朝食を終えてもそう簡単には治まる気配は無い。8時45分発の石垣行き高速船の出港まであと30分を切ったところで、クルマで桟橋まで送ってもらう手筈を整える。ユースから港までたかだか徒歩10分ほどの距離なのだが、いくら遠慮深いYANOと言えどもさすがにこの風雨では歩いて行く気は見る影もなく消え失せた。

港まで送ってもらい、雨を避けるように東屋で待機。…っつても吹きさらしの海沿いは更に強烈。横殴りなんで結構濡れちゃうんですが。f(^^;; 程なく安栄観光安栄号が入港してきた。客待ちのクルマの陰に隠れてよく見えないのだが、強風に煽られてなかなか接岸に難儀しているようだ。待っていたと思われる乗客数人がおもむろに船に向かうが、YANOは極力濡れまいと降船が終わるまで待つ事に。

そうこうしていると八重山観光の船も入港。こちらも難儀してたが、程なく乗客がわらわらと降りてきた。と思ったらさっさと出港して行った。YANOは引き続き安栄号の動向を見守るのだが、動きがおかしいかな?と思ったら桟橋から離れて行くではないか!!!! やばっ、また乗り遅れたか!!と慌てて強風の中をダッシュする。さっき船に向かった人達も居ない、という事は乗り遅れ決定か?。

近くにいた係員にすがるような声で「もう出ちゃったんですか?」と訊いたところ「その前に、まだ着いてない…」との返事。ひと安心した半面、接岸できなかったら石垣には渡れないので結果は同じ。祈るような気持ちで接岸作業を見守る。離岸したあと反転して、今度は船首を風上に向けて左舷で無事に接岸完了。素晴らしいっ、船長あんたはエライ。

お約束、日本最西端の碑
与那国島、西崎展望公園にて

というわけで危機一髪で石垣行きの船に乗船する事ができたのだが、この騒動で5分以上の遅れが発生し、9時発の空港連絡バスに間に合わない可能性が非常に高くなった。まぁそれ以上にバスターミナルまでと言えども、この風雨の中を歩いて行くのが極めてイヤだったという心情があって、離島桟橋からタクシーで石垣空港へ向かう。930円なり。

さらに激しくなった豪雨の中9時15分石垣空港に到着。チェックインの時に「只今天候調査扱いになっておりますので、出発が遅れる可能性がございます」と言われ、与那国島に行けないかもという気持ちと、初の天候調査に遭遇してドキドキする気持ちが葛藤する。

結局、与那国行きの機材となる東京からの直行便が石垣に降りられず那覇に引き返した為、改めて那覇から石垣に飛んで来た後、12時45分の出発予定となった。つまり2時間半遅れるわけだが、遅れたからと言って今度は降りられるという保証は無いのもまた事実。こればっかりは天候回復を神に祈って気にしない事にする。

こういう時に限って読もう読もうと思って読まなかった本は受託手荷物に入れてしまったりして、暇潰しネタも無かったりする。なわけで取り敢えず手荷物検査場を逆送して売店で昼飯ネタを物色。石垣市特産品販売センターでポーク卵弁当450円をGet。ボリュームもあってウマかった。一般的に内地に比べると島の弁当は高くて量が少ないのだが、そういう意味でも石垣島は島に非ずという事かなぁ。

お腹いっぱいになった後はお昼寝したくなる自然の摂理に従って、しばしお昼寝をしてたら雨も上がって、程なく那覇からの便が到着した。これで与那国に行けそうだ!!

結局13時に離陸したと思ったらすぐに雲の上へ。次のハードルは与那国に降りられるかどうかだ!?という心配をよそに、あっという間に記憶が無くなり着陸のショックで我に返る。13時半。心配するより生むが易しとはよく言ったものだ。

与那国は雨は降っていないがいつ降り出してもおかしくない雲行きだ。不安げに空を見上げつつ民宿「おもろ」の迎えのクルマに乗って祖納へ。宿泊の手続きを済ませた後は、お隣の与那国ホンダでシビック(7,000円/24H)を借りる。やはり雨の可能性を考えるとスクーターでデジカメを水没させては元も子もないし。手続きを終えてクルマのエンジンをかけたところで幸か不幸か雨がぽつりぽつり落ちてきた。これくらいならバイクでも苦にならないんだけど…

与那国の道
与那国島、南牧場付近にて

まずは与那国空港へ戻って、帰りにあれこれ悩まなくていいように土産物屋を下見。まぁ悩むほどの店数では無いんだが、集落にあるお店と比較する意味でね。それからお約束の西(いり)崎「日本最西端の碑」を観に行く。空港からのんびり走って10分ほどで到着。海も空もどんよりどんよりで切なさひとしお。パラパラ雨が降ってきているので数枚写真を撮ったあとは速やかに退散。天気のせいだろうがここでは一人の観光客も見かけず、最も寂しい日本最○端だった。

その後は与那国馬やヤギを掻き分けながら島内を一周する。驚いた事にこいつら人を全く避けようとしない。恐るべし与那国の野生生物。東(あがり)崎へ抜けた頃には雨脚が激しくなりクルマのドアを開けるのもイヤになるが、逆にケチってスクーターを選ばなかった自分を誉めてあげる。ここでは台湾のラジオも聴ける、さすが国境の島って感じ。って言いつつ何度も選局したんだけど日本語の放送が全然入らないんですが?ここは沖縄県じゃないの?

その後も夜までずっと雨。結局この天気では海岸沿いでも山でも特に観るべきものもなく、集落の中をクルマで悪戯に走り回って暇潰しするが、グレ電も見つからない。17時を周ったところで思い出したように宿に戻って本を読む。天気が悪いとどうしようもない....。

今宵の同宿はバタフライハンターのおじさん一人。何やら与那国西表は台湾やフィリピン等から渡ってくる珍しい蝶が見られる事で有名なんだそうで、ダイビングや釣以外にも蝶の採取に来る人が多いらしい。そんな事は全く知らなかったなぁ…。

参照
与那国町
美ら島物語
 -民宿おもろ