YANO's digital garage

Copyright ©YANO All rights reserved. https://www.bravotouring.com/~yano/

Last-modified: 2024-04-08 (月)


[一語一絵]

竹富島にて / 2002-05-16 (木)

サービス朝食でおにぎり3つにサラダを平らげ、コーヒーを呑みながら朝ドラの『さくら』を観てから8時半にチェックアウト。

今朝は見るからにテンションを下げざるを得ないどんよりどんよりな空模様。どうやらYANOさんのツキもここまでのようだ。とぼとぼと離島桟橋まで歩く。10分ほどの道程だが商店街を歩くので距離はさほど気にならない。ただ湿気のせいか、気のせいか?12kgのザックがやけに重いぞ。

ブーゲンビリアとシーサー
竹富島にて

安栄観光竹富島まで切符(往復:1,100円)を買い、9時の高速艇で竹富島へ上陸する。途中、スタークルーズの豪華客船とすれ違った。どうやら石垣港に入港するらしい。どこからのクルーズなんだろう?ちょっとだけ気になった。

さて竹富島は高校の修学旅行以来18年ぶり2度目の来島だが、既視感は全くと言っていいほど無い。島が変ったのか記憶に無いのかは定かではないが、たぶん後者なんだろう。ただ港から集落までの道路が拡幅された事と、車の量が増えた事だけは確かだ。それだけ観光客が増えたという事なのだろう。

港から中心部の集落まで10分ほど歩いて今夜の宿、高那ユースホステルにチェックイン。ザックを下ろし身軽になって島内の徘徊にかかる。が、雲の量に反比例するようにテンションは低値安定状態。取り敢えずビジターセンターに行った後は、集落をくまなく歩き方向感覚を養いつつ、陽射しが出た時の為のロケハンに徹する。

暫くするとやたらと喧しいグループが増えてきた。どうやら中国語で喋っているような気がする。後で聞いたところによると台湾からのツアー客らしい。毎週木曜日恒例のスタークルーズのオプションツアーなんだそうだ。台湾から石垣まで200km強だからお手軽って理由ですなぁ。

お昼は民芸喫茶マキそうめんチャンプルー800円を食す。そうめんと言うよりもビーフンっぽい食感だったが、これはなかなかイケてる。またここではセットでハイビスカスティーが付いていると聞いてドキッ。実は以前八丈島に行った時に買って帰ったら大失敗した飲み物だ。否応なくその時の苦い記憶が蘇ってきたが、ここのはちょっと酸味があるくらいで普通に飲めた。と言って特においしいと言う代物では無い事もまた否定しないが、話のタネにぜひどうぞ。ちなみにお茶にハイビスカスの花で色を着けているワケではなく、ハイビスカスの花だけで入れているそうである。だからティーと名乗ってはいるがお茶の味は全くしない。

お昼を食べ終わったところで嬉しいニュース。雲が晴れて夏の陽射しが戻ってきたのだ。写真を撮りながらユースに戻って水着に着替え、今度はコンドイビーチに向かう。しかし、ビーチに着く頃には再び無粋な雲が空を覆い尽し、ぬか喜びの哀愁を浴びせかける。まぁ陽が射していたところで潮が引いてしまった底が露呈したビーチでは絵にならないし、どこまで行っても膝までしか水が無くては泳ごうとしたって無理と言うもの。つまり今回の旅では元々ビーチの条件が良くなかったという事だ。

結局、沖まで往復500m近く散歩しただけで浜に戻り、サザンを聴きながら星砂の浜として知られるカイジ浜へまで砂浜を歩く。誰もいない砂浜というのは気持ち良いものだ。確かにここでは下馬評通り簡単に星砂や太陽砂が獲れた。もちろん量を確保しようと思ったらそれなりに大変だけど、軽く手ですくってみるだけで10粒くらいは獲れる。ただ「よく考えたら単なるプランクトンの死骸なんだよなぁ」と思った途端に醒めてしまい、集めたモノを全て撒いて撤収した。何やってんだか。

竹富の夕焼け
竹富島、西桟橋にて

再び島の内部に戻って集落を徘徊する。伝統的街並み保存地区だけあって琉球赤瓦の家が多く、色鮮やかな花で彩られた石垣も道路の白砂に映えて実に美しい。悪戯に道路を拡幅したり舗装したりせず、自分達の伝統と文化を守った誇り高い住民の皆さんに敬意を表したい。

それにしても日が翳っているのにかなり蒸暑い。今日もなんだかんだと歩き回っているので、16時前だが早めにユースに戻ってシャワーを浴び、夕食までゆっくり本を読む事にした。「もう動きませんモード」に入っていると不思議なもので雲も晴れてくる。てめ〜…

他には女性ホステラーが二人いたが、イマイチ盛上がらず。夕食後はしばし一人で西桟橋に佇む。この時間になると湿気を含んだ風でも心地好く感じる。水平線付近は分厚い雲に覆われていたものの、西表島の上空を焦がす夕焼けを観ながらセンチメンタルに浸った。

ここで聞き覚えのある話し声が…。4月に波照間の「たましろ」で同宿したカメラマンのサカイさんだった。4月からずっと八重山滞在なのかと思ったら、YANOと同じようにバーゲンフェアに乗じて来たとの事。ありがちと言えばありがちだが、僅か1ヶ月後に再会を果たすとは思わなかった。しっかし、このオッサン更に肌が黒くなっていてまさに黒人なみ。日が暮れてしまったら前後がわからないゾ(笑)。

思わぬところで思わぬ出会い。これもまた旅の醍醐味だ。明日の与那国島ではどんな事が待っているのだろうか…?

参照
竹富町
ぱいぬ島ストーリー 竹富町観光協会
美ら島物語
 -高那旅館(ユースホステル)