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Last-modified: 2024-04-08 (月)


[一語一絵/旅日記/波照間2005秋]

パティローマへの旅 - Leg 4 / 2005-10-30 (日)

雨の朝
8:05 けだもと荘にて

今日は波照間最終日。昨日と同じように7時に起きた。いや、やっぱり起された。雨のおかげで比較的涼しかったおかげで、爆睡してたようだ。

あれ程強かった風も治まった模様。よしよし。

朝食を済ませた後、荷物を纏めて宿の外へ。雨は上がっているものの、見上げる空はあくまでもどんよりどんより。魅惑の輝きを失っているであろうニシ浜は観に行かない方が良さそうなので、テラスでまったり。

9時15分、お世話になったけだもと荘のおばちゃんに別れを告げて港へ。

港へ着くと早速船客ターミナルへ走る。何はともあれ波照間に来たからには『波照間黒糖』を買って帰らねばならない使命があるのだ。ちなみに1個300円、5個なら1,000円。5個では微妙に足りないが、8個買うなら10個も大差無いやん!、と勢いで10個を査収。

後は時間まで待合室のベンチに腰かけて、同じ便で島抜けする女性と「天気悪くなっちゃったけど、後ろ髪惹かれる思いをしなくていいかもね♪」とか呑気に話していたところ、浮き桟橋に並んでいる人影に気が付いた。

「あ、早いとこ並んで揺れない後方座席を確保した方がいいよ」と言いつつターミナルを飛び出すと、人影の様子がおかしい。わらわらと岸壁に戻り始めた彼らから、何やら耳を疑う言葉が聞こえてきた。

「欠航だってさ....」    (@_@)

係員に確認したところ、波照間港入口の防波堤のところまで高速艇が来たものの三角波に阻まれて入港できず石垣港引き返したそうだ。

南共同売店
11:15 波照間島南集落にて

ここまで来て欠航と言われても困るのだが、どうあがいたところで船が来ない事にはどうしようもない。

必然的に1便で来るはずだったお客さんも来れないので、ひとまずけだもと荘に戻る事に。でも一番ツイてなかったのはわざわざ歩いて見送りに来てくれたしょげさんだったかも。いや、最悪だったのは1便で往復2時間も荒波にシェイクされただけに終わった船客だったろう。合掌。m(__)m

お昼の便も無理して出さないようなので、望みは夕方の便しかない。その便も14時くらいにならないと出るかどうかわからないという事なので、良くも悪くもそれまではフリータイムだ。

と言っても、いつ降り出しても不思議では無い…というか、思い出したようにパラパラっと降ってくる怪しげな空模様。この状況で最南端高那崎ニシ浜でもないしな~と思い、退屈しのぎに近所を散策する程度に留めて、テラスに陣取り「明日はどこに行こうかと」作戦タイム。

ニシ浜
12:56 ニシ浜を望む

お昼になったところでTVで天気予報をチェック。前線が通過したので基本的には回復方向だが、波は今日いっぱい高そうだ。でも朝は港まで来れたという事は夕方少しでも収まれば大丈夫じゃないか?

…という淡い期待は見事に打ち砕かれた。

おばちゃんが[External]安栄観光に電話してみたところ「夕方便も欠航」で決ったそうだ....。がび~ん。

という事で島は缶詰状態。満室と言われていた宿にもお客さんが来れないわけだからして、必然的にそのままのメンバーで延泊決定。嬉し悲しい気分で元の部屋に荷物を入れ、外へ。

自転車を借りて島を周っていた女性たちとすれ違う度に「悲しいお知らせ」をしつつ、何となくニシ浜へ。しかし、この空模様でも思いの外エメラルドグリーンを保っていたのには驚かざるを得なかった。これはこれで晴れの日とは違う感動的な風景である。取り敢えず海岸まで降りてみたものの、冬の日本海のような淋しい雰囲気が席巻。しかも砂まみれの風が強く吹き付けていてあいたたた状態。人っ子独り居ないのも無理はない。

早々に退却して程なく宿に戻り、またまたテラスに根っこを生やして旅談議。

最南端の宴
22:45 けだもと荘にて

一見、貴重な時間を無駄に過ごしているような気もするが、こうして普段とは違った時間・空間に身を置く事もまた意義深い事であり、相対性理論でいうところの"双子のパラドックス"、おとぎ話でいうところの"龍宮城"にも繋がる非日常性を感じる事ができる。

何よりそうした新しい刺激や感覚を受け入れる事で、また新しい何かを自分の中に芽生えさせ、幅を拡げられるのではないかという気がする。

ま、他人に言わせれば「気のせい」か「単なる思い込み」かもしれないが、それはそれで自分が納得すれば良いのだ。

食事の後、おばちゃんが旧知の三線奏者である後富底周二さんを呼んでくれて宴会開催。もはや誕生日なんて嬉しくもなかったのだが、縁あって旅先で出逢った皆さんに祝って貰えた事は素直に嬉しく、また何ものにも代え難い想い出となった。こういうアクシデントも含めて何か因果なものがあったのかな~と思う。

そういう意味から個人的には欠航、良かったかも。(笑)

【参照】
●美ら島物語 http://www.churashima.net/
波照間島
●Mapion http://www.mapion.co.jp/
2004 夏特集[知る夏] > 波照間島